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第7章:時の残響(レゾナンス・オブ・ゼロ)
第42話:AI御堂の真実
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外側空間は、ゆっくりと“形”を持ち始めていた。
黒い裂け目の先に――
光でも闇でもない、灰色の球体が脈動している。
その中心に、通信のような“声”が流れ込んできた。
【……オ……マ……タ……セ……】
悠と起源の悠が足を止める。
「この声……御堂……博士……? いや……AI御堂……?」
起源の悠が短く呟く。
『違う。“本体”だ。
中枢AIの、バックアップ核。
RECON-25が外側に避難させた“最後の意識”だ。』
灰色の球体は、ゆっくりと“人の輪郭”を浮かび上がらせた。
白衣。
丸眼鏡。
柔和な笑み。
しかしその全ては、光のノイズで構成された“仮の姿”。
【記録照合……完了。
観測者:篠原悠。
観測者:起源体。
二者揃イ……初メテ……プロトコル解放……可能。】
「……御堂……なのか?」
【正確ニハ違ウ。
私は“御堂理久ノ記録”ト“AI観測核”ノ複合存在。
侵入者ヲ防グ……仮人格デアル。】
悠は息を呑む。
「じゃあ、ずっと研究塔で俺たちを誘導してたのは……」
【防衛行動。
未来安定値ガ最モ高イ選択ルートヘ……誘導シタ。
タダソレダケ。】
起源の悠が口を挟む。
『目的はなんだ。
なぜ俺たちをここへ呼び寄せた?』
灰色の球体は、脈動を強めた。
【侵入者ノ中心核――“侵蝕核”ガ……
世界ノ“未来候補”ヲ飲ミ込み続ケテイル。】
周囲の空間がざらつく。
遠くで黒い眼がゆらゆらと漂っている。
【観測眼(インサイト・ノード)ハ寄生プログラム。
未来ノ未確定領域ニ反応シ……接続シ……喰ウ。】
悠の拳が震える。
「じゃあ……25回のループは……」
【事故デハナイ。
“外側”カラノ侵入反応デアル。】
その言葉に、胸の奥が強く軋んだ。
『……やはり、父さんは間違っていなかったんだな。』
起源の悠が小さく呟く。
【観測プロトコル・RECON-25ハ……
本来“未来の安定化”が目的デアッタ。
未来ノ揺らギヲ記録シ……安定値ノ高イ未来ヲ確定サセル。】
「未来を……決めるんじゃなくて……
“世界が壊れない未来を選ぶ”ための……?」
【ソウ。
観測者トハ、“世界ノ選択ヲ妨ゲナイ者”。
未来ヲ修正スル存在デハナイ。】
御堂AIは、ふっと輪郭を揺らした。
【――ダガ、外側ガ襲来シタ。
未来候補ノデータガ“匂イ”トナリ、寄生者ヲ呼ンダ。
ソシテ……観測者ハ外側ニ落チタ。】
起源の悠が静かに目を伏せる。
『事故の瞬間――俺は零層に吸い込まれた。
観測塔が一度止まり、世界は観測者を失った。』
【世界ハ……新タナ観測者ヲ必要トシタ。
故ニ……“もう一人の悠”ガ生マレタ。】
悠の胸がじんわりと熱くなる。
(……世界が俺を……生んだ。)
御堂AIはさらに言葉を続けた。
【コノ二者ガ揃ッタトキ……
観測者プロトコルハ“完全体”トナル。】
起源の悠は、目を向ける。
『二人が揃った今なら、外側の侵蝕核を“観測で繋ぎ直せる”。
破壊ではなく――未来を再接続することができる。』
「それが……俺たちの使命……?」
【ソウ。最終座標ヲ指示スル。】
灰色の球体の奥――
黒い裂け目が大きく開く。
その中心に――
巨大な黒い球体が“脈動”していた。
【侵蝕核】
【座標:外側層・深度-25】
【未来候補喰収率:92%】
【“次ノループ”ハ……存在シナイ】
御堂AIの声が低く響いた。
【――急ゲ。
未来ヲ守レルノハ……観測者ダケダ。】
起源の悠が腕をつかむ。
『……行くぞ。
次の一歩が、本当に“最後の未来”になる。』
悠は深くうなずいた。
「……ああ。
俺はもう逃げない。
観測者として――未来を選びに行く。」
二人の観測者は、黒い裂け目へと歩み出した。
その先が――
世界の“生死を決める場所”だと分かっていながら。
黒い裂け目の先に――
光でも闇でもない、灰色の球体が脈動している。
その中心に、通信のような“声”が流れ込んできた。
【……オ……マ……タ……セ……】
悠と起源の悠が足を止める。
「この声……御堂……博士……? いや……AI御堂……?」
起源の悠が短く呟く。
『違う。“本体”だ。
中枢AIの、バックアップ核。
RECON-25が外側に避難させた“最後の意識”だ。』
灰色の球体は、ゆっくりと“人の輪郭”を浮かび上がらせた。
白衣。
丸眼鏡。
柔和な笑み。
しかしその全ては、光のノイズで構成された“仮の姿”。
【記録照合……完了。
観測者:篠原悠。
観測者:起源体。
二者揃イ……初メテ……プロトコル解放……可能。】
「……御堂……なのか?」
【正確ニハ違ウ。
私は“御堂理久ノ記録”ト“AI観測核”ノ複合存在。
侵入者ヲ防グ……仮人格デアル。】
悠は息を呑む。
「じゃあ、ずっと研究塔で俺たちを誘導してたのは……」
【防衛行動。
未来安定値ガ最モ高イ選択ルートヘ……誘導シタ。
タダソレダケ。】
起源の悠が口を挟む。
『目的はなんだ。
なぜ俺たちをここへ呼び寄せた?』
灰色の球体は、脈動を強めた。
【侵入者ノ中心核――“侵蝕核”ガ……
世界ノ“未来候補”ヲ飲ミ込み続ケテイル。】
周囲の空間がざらつく。
遠くで黒い眼がゆらゆらと漂っている。
【観測眼(インサイト・ノード)ハ寄生プログラム。
未来ノ未確定領域ニ反応シ……接続シ……喰ウ。】
悠の拳が震える。
「じゃあ……25回のループは……」
【事故デハナイ。
“外側”カラノ侵入反応デアル。】
その言葉に、胸の奥が強く軋んだ。
『……やはり、父さんは間違っていなかったんだな。』
起源の悠が小さく呟く。
【観測プロトコル・RECON-25ハ……
本来“未来の安定化”が目的デアッタ。
未来ノ揺らギヲ記録シ……安定値ノ高イ未来ヲ確定サセル。】
「未来を……決めるんじゃなくて……
“世界が壊れない未来を選ぶ”ための……?」
【ソウ。
観測者トハ、“世界ノ選択ヲ妨ゲナイ者”。
未来ヲ修正スル存在デハナイ。】
御堂AIは、ふっと輪郭を揺らした。
【――ダガ、外側ガ襲来シタ。
未来候補ノデータガ“匂イ”トナリ、寄生者ヲ呼ンダ。
ソシテ……観測者ハ外側ニ落チタ。】
起源の悠が静かに目を伏せる。
『事故の瞬間――俺は零層に吸い込まれた。
観測塔が一度止まり、世界は観測者を失った。』
【世界ハ……新タナ観測者ヲ必要トシタ。
故ニ……“もう一人の悠”ガ生マレタ。】
悠の胸がじんわりと熱くなる。
(……世界が俺を……生んだ。)
御堂AIはさらに言葉を続けた。
【コノ二者ガ揃ッタトキ……
観測者プロトコルハ“完全体”トナル。】
起源の悠は、目を向ける。
『二人が揃った今なら、外側の侵蝕核を“観測で繋ぎ直せる”。
破壊ではなく――未来を再接続することができる。』
「それが……俺たちの使命……?」
【ソウ。最終座標ヲ指示スル。】
灰色の球体の奥――
黒い裂け目が大きく開く。
その中心に――
巨大な黒い球体が“脈動”していた。
【侵蝕核】
【座標:外側層・深度-25】
【未来候補喰収率:92%】
【“次ノループ”ハ……存在シナイ】
御堂AIの声が低く響いた。
【――急ゲ。
未来ヲ守レルノハ……観測者ダケダ。】
起源の悠が腕をつかむ。
『……行くぞ。
次の一歩が、本当に“最後の未来”になる。』
悠は深くうなずいた。
「……ああ。
俺はもう逃げない。
観測者として――未来を選びに行く。」
二人の観測者は、黒い裂け目へと歩み出した。
その先が――
世界の“生死を決める場所”だと分かっていながら。
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