あなたのために俺は人生を捧げよう

柚稀

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第三章

二日目

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 目覚ましが鳴る前に目を覚ました悠人は、散歩に出た。いつもはしない散歩をしたのは気分を変えようとしたからだ。家出をしてたまに見る家族との夢。良い記憶とは言えない悠人にとっての悪夢。最悪の始まり方をした。
 修治と太陽はまだ寝ている。悠人は軽くシャワーを浴びて朝食を作った。

 「おはよう」
 「おはよう」

 寝ぼけながら修治は挨拶をしそのまま洗面台で顔を洗う。太陽は寝たまま洗面台までゾンビのように歩いている。
 太陽が目覚めて戻って来る頃には朝食はテーブルの上に準備されていた。

 「おはようございます。朝食できてますのでどうぞ」
 「おはよー」
 「大丈夫ですか?亀みたいに遅く動いてましたけど」
 「俺いっつも朝は動きが遅いんだ」
 「意外です」
 「目を覚ましたらすぐ行動かと思ってた」

 他愛ない会話をしながら朝食を終え、悠人はアルバイトに出かける時間になった。

 「今日もバイト?」
 「午前中だけ」
 「よく働くな」
 「そうでもないよ」
 「何時くらいに帰ってくる?」
 「一時間かな」
 「昼食は作っとくから」
 「ありがとう。助かるよ」
 「行ってらっしゃい」
 「行ってきます」

 今日はお客さんが少なく、清掃メインで働いた。まかないはあると言う話だったが修治が作ってくれるようだったので食べずに帰宅した。実を言うと修治の料理は店で出せるほど美味しのだ。
 予定よりも早く帰った悠人のもとえは高級レストランで出されるようなご馳走が待っていた。

 「どうぞ召し上がれ」
 「いただきます」
 「結構手間かけたから不味くはないと思うげど」
 「絶品だよ!」
 「良かった」
 「太陽先輩は?」
 「なんか買い物行くって出て行った」
 「……ただいま」
 「おっ……噂をすれば」
 「おかえりなさい」

 大量のお菓子が入った袋を持って帰宅した太陽を悠人と修治は昼食を食べながら迎えた。

 「なんでそんなにお菓子買ってきたんですか?」
 「おやつ」
 「多いですよ」
 「余ったら悠人にやるよ。泊めてくれたお礼」
 「別にそんなのいいのに」

 昼食を終え勉強を再開する。修治は昨日のうちにほぼ終わらせたので悠人にマンツーマンだ。太陽はノートパソコンを持ってきており、調べながら解いている。そのまま静かな時間は続き、いつの間にか時計は五時を過ぎていた。
 部屋のインターホンが鳴り急いで出ると、そこには彩花が蒸しパンを手にして立っていた。

 「どうしたの?体は平気?」
 「あの……はい……勉強してると聞いたので……甘いもの……」

 彩花は蒸しパンを悠人に押し付けて早々と佑の部屋に戻って行った。

 「なになに?彼女?」
 「悠人に彼女はありえないですよ」 
 「ちょっと……違いますよ。佑さんの親戚の子ですよ。蒸しパン作ってくれたみたいです」

 焦って変な嘘を言ってしまった。佑さんに怒られませんように……。
 勉強を止め三人は蒸しパンを食べる。
 蒸しパンは甘さがちょうどよく、ふわふわな食感をしている。安心する味だ。
 蒸しパンを食べ終えて、太陽は用事があるとのことで帰ったが修治はもう一日だけ泊まる予定だ。夕飯も修治が作ってくれるようなので、俺はお風呂を準備した。その後も特に変わったことはなく眠りについた。太陽先輩が買ってきたお菓子は二人で分けて食べることにした。
 
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