【R18】9番目の捨て駒姫

mokumoku

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「王様はどうなされたのかしら…大丈夫でしょうか?」
私は王を二人がかりで運ぶ兵士に声を掛ける。
彼は大層な重量を感じているのか「だ、大丈夫だと…思います」とかすれ声で返答してくれた。
あ、ごめんなさい!空気が読めなくて!王様…大きくていらっしゃいますものね…






「女性騎士の方は大丈夫だったのですね…よかったです」
私は使用人から女性騎士の安否を伺いホッと胸を撫で下ろした。
結局王は途中で顔を血まみれにして眠ってしまわれたのでなぜ訪問したかわからなかったけど…多分女性騎士の安否を私に伝えたかったのかもしれない!
王はあのまま一生の眠りについていてくれればいいなぁ…
そして100年後この王宮が朽ちた頃…白馬に乗った王子様が眠る王様にそっとキスをするのよ…
ふふ…ふふ…あら…何かしらこれは…ふふ…ふふ…!
王が眠りについている間に私は様々な男性をとっかえひっかえ酒池肉林…悪女と名を馳せようかしら!ふふ…ふふふふふ!

王は硝子の棺にそっと入れておいてあげよう。





「王妃様…王様のお見舞いに行かれますか?」
「え?なんでですか?行きませんけれど…」私が全てのしがらみから解放されて呑気に部屋で使用人が持ってきてくれた本を読んでいると彼女が言いづらそうにそうおっしゃいました。
なぜ私が王様のお見舞いに?女性騎士が行かれるのならわかりますけれども…私なんかがお邪魔すれば王は不快に思うのではないかしら…
顔も見たくないのでは?ますます体調が悪くなってしまうかもしれない。
使用人は「そうですよね」と頷きながら部屋を出て行った。
私は少し気になったけれど、本に目を落とすとその気持ちは忘れてしまった。




「おい!」
「おい!」
「おーい!!」
「は!な、なんでございましょう!」私を呼ぶ声がしたので慌てて顔を上げた。本に物凄く集中してしまったわ!!今とてもいいところなのに!

私が顔を上げると向かいの席に王が仏頂面で座ってらっしゃった。「あ…いらっしゃいませ」私は本をパタリと閉じてテーブルに置くとお辞儀をした。
使用人が「すいません…どうしても中に入れて欲しいとおっしやったので…」と耳打ちした。
「あら、まあ…」私も中に挿れて欲しいからわかるわ!
私はニッコリ笑って王に向き合うと「どうなさいましたか?」と声を掛けた。「………」無言で目をそらす王様の腰元に私はなんとなく目をやる。
そこにはしっかりと剣が携えられていて私は背筋をゾクゾクさせた。ま…まだ私のことを殺戮する可能性を秘めているわ…!この人!
私たちは嫌な空気の中黙り込んだ。
ああ…何をしにいらっしゃったのかしら…
私は王様にはなんの用事もないのだけれども…

王がちゃらりと剣を鳴らして立ち上がったので私は背中を冷たい汗でびちゃびちゃにしてしまった。
……もしかして…この前の敵襲も私のせいだと思われてしまっているのではないかしら。その報復に?
こ、怖すぎる…!!


王は私の所までゴツゴツと軍靴を鳴らしてやってくると地面に跪いた。てっきり斬りつけられると思い身構えていた私は呆気にとられてしまった。王は「この前は大変失礼した」と言い静かに頭を下げた。
私は果たしてこの前とはどのことなのか思いを巡らせたけれど、思い当たらなかったので次の言葉を待つ。
「俺はてっきり貴女がツヴァイに手を出したのだと…」
「そんなことしません…」ああ…もしかして女性騎士を害したと思われてしまったときのこと…?私は争い事が嫌いなのよ…そんな乱暴なことはしないわ。
「もうわかっている…すまなかった。…貴女はそのようなことをする方ではない」
「…もう気になさらなくて結構ですよ。彼女が無事でよかったです」私は心からそう告げた。本当に女性騎士が無事でよかった。そして彼女はツヴァイさんと言うのね。
その言葉を聞いた王は顔を上げると私の事を見た。

その表情は安堵に満ちていて、やはりこの人は本来そんなに悪い方ではないのではないかしら。と思う。

「ほ…本当か?」
「はい。もう終わったことなので…どうぞ、ソファにお戻りくださいな」私がそう言うと王は立ち上がりソファに座り直した。
「あ、ありがとう…お前は心が広いな」
「そうですか?」愛人の一人や二人…大したことはないわ。私だって欲しいもの!「あいつの腹には今…子がいてな…無事に生まれて欲しくてつい…側に置くのは嫌じゃないか?俺が見ていないとすぐ無理をするもんだからな」王は頭をポリポリと搔くと照れくさそうにそう言った。
「あら!まあ…それはいいですね。おめでとうございます。心配でらっしゃいますよね。全然構いませんよ」私はニッコリ微笑んだ。
まあ!いいなぁ…
ツヴァイさんは王様と性行為をされているのね!!懐妊したということは…何度も何度も中に精を出されたに違いないわ!!なんと羨ましいのかしら!!
羨ましすぎて気が狂いそう!!
ああ…!!私にもぜひそんな男性が欲しいものだわ!


「そ、そうか…お前は本当に心が広いな…」
「そうですか?…ふふふ…」
「お前と…婚姻を結んでよかった…」王様はそう言うと私の目を見つめた。それはなんだか熱い眼差しだったので彼は彼女が懐妊中のため欲求不満が溜まっているのでは?
と私はそんなことを考えてしまいましたがここの国はそんな慣習はないのだったと考え直し、バレないようにそっと陰核を指先で揺らした。
さっきの妄想で陰核が育ってしまったわ!
「お、お前は優しいんだな…」
「え?…ふふふ…」
早く出て行っていただきたいわ…早くこのバッキバキに硬くなった陰核をヌルヌルと捏ね回したい!
「ははは…」
「ふふふふ…」
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