【R18】9番目の捨て駒姫

mokumoku

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「そうなんですね!チョコレートは果実の種なんですねぇ」
「グレース?この果実は食べられるそうよ?えー?えー!こちらでも栽培されている…!食べてみたいなぁ…」私は文字を指でなぞりながら追うとグレースを見た。どんな味なのかしら…!
種であんなにおいしいのだもの…!
「今度王様にお願いしてみたらいかがですか?」
「うーん…」
私が部屋でグレースと本を読みながらキャッキャしているとイブにアインス様の訪問を告げられた。
「すまん、すまん。二人とも下がっていいぞ?遅くなったな」
アインス様は私を抱き寄せると二人にそう指示をした。

「アインス様!チョコレートは種からできるのをご存じですか?こうして砕いて…摺るとクリームのようになるのでございます」私は本を広げるとチョコレートの加工過程の説明をした。

「ふんふん、なるほどな。随分と手間がかかるな」
「こうして手間を掛けているから食べると幸福になれるのやもしれません」私がそう言うとアインス様は「そうかーそうかーそうだなぁ。かわいらしいことを言いよって~」と私に頬ずりをした後顔に手を寄せると「………俺はチョコレートなどなくとも幸福だが…お前が幸せならばチョコレートは必要だな」と目を見つめた。

「ふふ…あのね?チョコレートは果実で…その外側の果肉も食べられるそうなのでございます」
「ふんふん、そうか。では今度産地に旅行へ行こうな」



アインス様は私の頬を優しく撫でると
「…………俺は子が出来にくいかもしれん」とポツリ呟いた。
「…?どうしたのですか?」
「俺はケモノだからな。…少し、ケモノと人間は相容れぬ」
「…?……たくさんしたらいいのではないでしょうか?」
私はそう言うとアインス様に抱きついた。

アインス様の世代から王は国民が選出することになっている。定期的に投票を行うのだ。
継続か、退任か
退任ならば新しい王を決める。

「子が出来なくても…平気でございます。もう世襲制ではないのですから」「そ、そうか…?そうか!」
「二人きりもまた…恋人気分で良いではありませんか」
「ははははははは!そ、そうだな!ははははははは」


アインス様は高らかに笑うと私をギュッと抱きしめた。
あなたは全てを国民のために

今までの人生は全て国民のために。

傷だらけの身体を恥じて小さくなっていた。



「もう、良いのでございます」
このままこうして血を継いでいかなくとも…よいのではないかしら。もう充分戦った。この国には豊かさと平和が訪れた。
全てあなたの愛のお陰だ。
王族として国民への愛を忘れなかったあなたのお陰だ。


「ケモノではない。あなたは愛に溢れた素晴らしい人でございます。一度枯れてしまった花も…小さな種があればまた、元に戻るのではありませんか?水さえ絶えなければ…」
アインス様は私の頭に頬を寄せると「………そうか」と呟いた。

この国の繁栄が例えば何か別のもののお陰であったとしても

確かに夫は戦い勝ち取ったのだ。





「取り除く法もございましょう。
何も恐れることはありません。なぜならあなたは世界で一番素晴らしい君主だからでございます。

私は…あなたと一緒ならば、地獄の果までご一緒に」

「ふ…お前を地獄にはやらん…例え俺が地獄に落ちてもお前に会いに這い上がってやる。ははははは、そうかティシュア、そうだな。未来はなんと明るいことか。………しかしなぁ…何かを変えることで国民が困らんか俺心配なのだ…」

アインス様はそう言うと鼻を啜るような音を立てた。


「まあ、考えても仕方がないではありませんか?何が原因かわかりませんし…まずは予防をしてくださいませ」私がアインス様の顔を覗き込みながらそう言うとアインス様は「うーすいへーりーべーぼくのふね…」と呪文を唱え始めました。





「ティシュア…」
「あぁん…そんなところでお話をされては…」アインス様は私の陰部に舌を這わせながら名前を呼んだ。
アインス様は実に繊細な舌使いで私のそこを隅々まで舐めると期待に立ち上がった陰核を吸った。
「んー、」
「ティシュア…ティシュア…」アインス様は私の臀部を両手で包み込むように持つと私の陰核にはより強烈な快感が襲う。
「アインス様ぁ…ああ…」私は身体を丸めるとアインス様の頭を撫でた。「ううむ…邪な心が…」アインス様は私に覆いかぶさるようにゆっくりと這い上がりながら口もとを手の甲で拭った。

「私も…邪な気分でございます…中に子種をくださいますか?アインス様…」私はアインス様のお顔を両手でそっと包み込むとその唇にキスをした。私の入口はアインス様の舌に解されて男性器を受け入れる準備は万端でございます…

「うおぉ…ティシュアも邪な気分だとは…!お、お、俺は…ぐうぅぅ…」「アインス様…亜鉛の元素記号はいかがでございましょう?」「Zn…」「トリウムは?」「Th…」「流石でございます」「さ、さあ…子づくりをするか…!……………うぐぅ…う…か、かわいらしい顔をするのはよせ!!」「あーん…もうすぐ出してもいいので早く入れてくださいませぇ…」私がもどかしさに腰を捩るとアインス様は鼻息を荒くした後私の蜜口に精を掛けた。

「もう大丈夫だ!まかせろ!!」
「うぅー…奥までついてくださいませぇ…」アインス様は気を取り戻すと男性器を私に挿し込んだ。
「……痛くないか…」アインス様は私の額に手を乗せると髪を優しく梳きながらそう言った。「ふふ…平気です……心地よい…」私が快感に目をとろりとさせるとそれが合図のようにアインス様の視点が定まらなくなる。
「す、すまん…うぅ…すまん、ティシュア…!」アインス様は私に謝りながら腰を打ち付ける。「あっ…あっ…あぁ!」アインス様は口を開けるとそこから荒い息をハァハァ吐いた。

「アインス様ぁ…」
「ティシュア…こ、心地よい…子づくりは心地よいな…う…うぅ…すいへーりーべーぼくのふね…」
「んん…………」
またアインス様が謎の呪文を…!
やはりここには何かあるに違いない…明日…明日落ち着いたら書庫に行くのでございます!ティシュア…!

「アインス様ぁ…もう一回…もう一回…」
「ああ!そ、そうだな!ティシュア!もう一回だけしよう!!」

こうして私たちは何回も何回ももう一回をくり返すのでございました…
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