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第1章 辺境編
第12話 初戦
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大森林の中を3人が疾走する。
大森林とは言っても、この辺りは人の手が入っており間伐が行われ、周囲も明るい。
アスターゼは走りながらアルテナたちに話しかける。
「突然、魔物が出たと言う割には押し込まれていないな。守備兵がよっぽど上手く抑えこんだのか?」
「そうだぜ。村にはまだ近づけてないみたいだったな」
「守備兵さんたち頑張ったんだね~!」
そんなことをめいめいが口にしていると、前方から虎のような生物が走り寄ってくるのをエルフィスが見つける。
「おい。何か来たぞ?」
「ウルガルムだ。討伐ランクはC」
「3匹いるね! じゃあ、1人1匹で!」
「えッ!? おいッ!」
アルテナはそう言うが速いかウルガルムに飛びかかる。
エルフィスにはまだCランクの魔物は荷が重いと思うぞと思いながらもアスターゼは口には出さない。
とは言え、アスターゼ自身も魔物と戦うのは初めての経験だ。
やれるだけやってみようの精神でギリギリの線を見極めるつもりである。
アスターゼは、すぐさま職能をセットし直し、〈鑑定〉から〈白魔術〉へと変更する。ちなみにアルテナの職能は〈聖剣技〉のみ、エルフィスは〈騎士剣技〉と〈神聖術〉である。職能はセットすることでキャリアポイントを稼げることと、習得している特性が強化されることは実験で分かっている。
例えば、エルフィスの職業が騎士でも職能に神聖術をセットすることで、職業が神官の時と変わらない力を発揮できると言うことだ。まだまだ未解明なところが多いので、もしかすると何か別の恩恵があるのかも知れないが。アスターゼは職能1が職能2よりも能力的な強化が大きいと考えている。
アスターゼが、気合を入れてウルガルムの突進を迎え討とうとしていると、アルテナに襲い掛かったウルガルムに異変が起こる。魔物に襲われたと言うより、むしろ自分から飛びかかったアルテナはウルガルムとすれ違い様に攻撃を叩き込んだようだ。
ウルガルムの傷口から鮮血がほとばしる。
――鎧袖一触
その個体は首がないまま数歩歩いて大地に倒れ伏した。
「瞬殺かよッ!」
エルフィスが驚いたような、困惑したような、呆れたような複雑な声を上げる。
アスターゼも目の前の敵に集中しようと思いつつも、アルテナの技量には舌を巻いていた。
これが聖騎士の実力かと考えながら、飛びかかるのを止めてこちらを威嚇してくるウルガルムと対峙するアスターゼ。
余程、仲間の死に様にインパクトがあったのだろう。
警戒を強くしたようだ。
掛かって来ないのならば、こちらから仕掛けるのみである。
だが、敵もアスターゼが1歩踏み出すと1歩下がり、横へ回り込もうとすると、そうはさせじと行動する。どうやらアルテナの実力を肌で感じ取ってしまい、アスターゼとエルフィスの実力も過大評価してしまったのかも知れない。
しかし、いつもでもそうしてばかりはいられない。
アスターゼはフェイントを入れつつ、先程よりも数段速く間合いを詰めると、頭部を狙って剣を振り払う。対するウルガルムの反応速度も大したもので、巧みに剣撃をかわすと後ろ足で飛びあがりその鋭い牙で噛みついてきた。
――甘いッ
アスターゼは無防備に飛びあがったウルガルムの頭部の左側面を左手で思いっきり殴りつけて張り倒すと、すぐさま馬乗りになって心臓の辺りを一突きする。
尚もビクビクと体を震わす魔物を抑え込み、死に損なったウルガルムにトドメを刺した。
一方、エルフィスは苦戦していた。
縦横無尽に駆け回るウルガルムに翻弄され、剣が一向に当たらないのだ。
そして左側から回り込まれて飛びかかられたエルフィスは地面に押し倒されてしまう。
「くそったれぇ!」
ウルガルムの息遣いが聞こえてくる程に顔を近づけられて、その鋭い牙は今にもエルフィスを傷つけそうだ。
その魔物からの圧力を剣と左手で必死になって押し返している。
これは神官のままなら力負けして噛みつかれていたことだろう。
エルフィスは左手の指をウルガルムの目に突き刺すと、苦痛で暴れ出した魔物に襲い掛かりその首に剣を押し当てる。ウルガルムは最後の力を振り絞って抵抗するが、最後はエルフィスが全体重を剣に掛けて魔物の首を圧し斬った。
「おらっしゃあああああ!」
エルフィスが歓喜の雄叫びを上げる。
アスターゼは静かに手ごたえを感じていた。
苦戦したとは言え、Cランクの魔物を倒したのだ。
初めてにしては出来過ぎだろう。
アルテナはそんな2人に目を向けるとニッコリ笑って無慈悲な言葉を投げかけた。
「やったね! さぁ先に進もう!」
感慨に浸っている時間すら与えてくれない。
だが、実際前線は大変なことになっているかも知れないので仕方ない。
3匹とは言え魔物が前線の守りを掻い潜ってきたことを考えると、敵の数は多いと考えられる。
アスターゼはエルフィスに白魔術の【ヒール】をかけると3人はすぐにまた走り出した。
大森林とは言っても、この辺りは人の手が入っており間伐が行われ、周囲も明るい。
アスターゼは走りながらアルテナたちに話しかける。
「突然、魔物が出たと言う割には押し込まれていないな。守備兵がよっぽど上手く抑えこんだのか?」
「そうだぜ。村にはまだ近づけてないみたいだったな」
「守備兵さんたち頑張ったんだね~!」
そんなことをめいめいが口にしていると、前方から虎のような生物が走り寄ってくるのをエルフィスが見つける。
「おい。何か来たぞ?」
「ウルガルムだ。討伐ランクはC」
「3匹いるね! じゃあ、1人1匹で!」
「えッ!? おいッ!」
アルテナはそう言うが速いかウルガルムに飛びかかる。
エルフィスにはまだCランクの魔物は荷が重いと思うぞと思いながらもアスターゼは口には出さない。
とは言え、アスターゼ自身も魔物と戦うのは初めての経験だ。
やれるだけやってみようの精神でギリギリの線を見極めるつもりである。
アスターゼは、すぐさま職能をセットし直し、〈鑑定〉から〈白魔術〉へと変更する。ちなみにアルテナの職能は〈聖剣技〉のみ、エルフィスは〈騎士剣技〉と〈神聖術〉である。職能はセットすることでキャリアポイントを稼げることと、習得している特性が強化されることは実験で分かっている。
例えば、エルフィスの職業が騎士でも職能に神聖術をセットすることで、職業が神官の時と変わらない力を発揮できると言うことだ。まだまだ未解明なところが多いので、もしかすると何か別の恩恵があるのかも知れないが。アスターゼは職能1が職能2よりも能力的な強化が大きいと考えている。
アスターゼが、気合を入れてウルガルムの突進を迎え討とうとしていると、アルテナに襲い掛かったウルガルムに異変が起こる。魔物に襲われたと言うより、むしろ自分から飛びかかったアルテナはウルガルムとすれ違い様に攻撃を叩き込んだようだ。
ウルガルムの傷口から鮮血がほとばしる。
――鎧袖一触
その個体は首がないまま数歩歩いて大地に倒れ伏した。
「瞬殺かよッ!」
エルフィスが驚いたような、困惑したような、呆れたような複雑な声を上げる。
アスターゼも目の前の敵に集中しようと思いつつも、アルテナの技量には舌を巻いていた。
これが聖騎士の実力かと考えながら、飛びかかるのを止めてこちらを威嚇してくるウルガルムと対峙するアスターゼ。
余程、仲間の死に様にインパクトがあったのだろう。
警戒を強くしたようだ。
掛かって来ないのならば、こちらから仕掛けるのみである。
だが、敵もアスターゼが1歩踏み出すと1歩下がり、横へ回り込もうとすると、そうはさせじと行動する。どうやらアルテナの実力を肌で感じ取ってしまい、アスターゼとエルフィスの実力も過大評価してしまったのかも知れない。
しかし、いつもでもそうしてばかりはいられない。
アスターゼはフェイントを入れつつ、先程よりも数段速く間合いを詰めると、頭部を狙って剣を振り払う。対するウルガルムの反応速度も大したもので、巧みに剣撃をかわすと後ろ足で飛びあがりその鋭い牙で噛みついてきた。
――甘いッ
アスターゼは無防備に飛びあがったウルガルムの頭部の左側面を左手で思いっきり殴りつけて張り倒すと、すぐさま馬乗りになって心臓の辺りを一突きする。
尚もビクビクと体を震わす魔物を抑え込み、死に損なったウルガルムにトドメを刺した。
一方、エルフィスは苦戦していた。
縦横無尽に駆け回るウルガルムに翻弄され、剣が一向に当たらないのだ。
そして左側から回り込まれて飛びかかられたエルフィスは地面に押し倒されてしまう。
「くそったれぇ!」
ウルガルムの息遣いが聞こえてくる程に顔を近づけられて、その鋭い牙は今にもエルフィスを傷つけそうだ。
その魔物からの圧力を剣と左手で必死になって押し返している。
これは神官のままなら力負けして噛みつかれていたことだろう。
エルフィスは左手の指をウルガルムの目に突き刺すと、苦痛で暴れ出した魔物に襲い掛かりその首に剣を押し当てる。ウルガルムは最後の力を振り絞って抵抗するが、最後はエルフィスが全体重を剣に掛けて魔物の首を圧し斬った。
「おらっしゃあああああ!」
エルフィスが歓喜の雄叫びを上げる。
アスターゼは静かに手ごたえを感じていた。
苦戦したとは言え、Cランクの魔物を倒したのだ。
初めてにしては出来過ぎだろう。
アルテナはそんな2人に目を向けるとニッコリ笑って無慈悲な言葉を投げかけた。
「やったね! さぁ先に進もう!」
感慨に浸っている時間すら与えてくれない。
だが、実際前線は大変なことになっているかも知れないので仕方ない。
3匹とは言え魔物が前線の守りを掻い潜ってきたことを考えると、敵の数は多いと考えられる。
アスターゼはエルフィスに白魔術の【ヒール】をかけると3人はすぐにまた走り出した。
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