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18話 感動は再会を超えて
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いやあ、見渡す限りの青い麦!
そろそろ寒くなってきたから、早く金色になってほしいもんだ。
植えるのが遅かったからな!
皆様こんにちは!
大農家のサリスフィーナです!
森の端っこを削って進んでいたら、向こう側にたどりつきました!
森の右側を田んぼ3面ほどの幅で開拓し終わり、左側は獣達の楽園のため手をつけずにいるわけだが、生まれ故郷であるキサラ町に隣接しちまったよ。
……俺の農場がな。
たまには肉も食べたいし、そっちの方にはシフォン達も住んでるし。
あんまりいじって森が無くなったら申し訳ないからと思っていたけど、なんとこの森、広さが東京都23区くらいあるらしくてな。
シフォンが簡単に許可くれたわけである。
まあ、つまり何かというと、キサラ街まで危険少なく行ける道が開通したことにより、ここを商用に使わせてくれないかと使者が来たのですよ。
……ミニマム商会からの。
そりぁ、俺の顔見たら「サリス様、ご無事でしたか」と顎も落ちるよな。
死んだかと思ってたら生きてたわけだし。
カランなんて目に涙まで浮かべて、きっとものすごく俺のこと怖いんだろうなと思ったら、こっちから声なんかかけられないだろう?
「通ることは構わないから、あとはリクと話しておいてくれ」
今まで割と楽しく過ごしてたからか、今更自分が嫌われてると認識するのって結構辛い。
俺はなるべく威圧しないように、そそくさと部屋を後にしたのだ。
隣の部屋に引っ込むと、ここにはかわいい少女達がいっぱいいる。
ここにいる子達は裏町で小さくなって生きてきた数少ない女の子たちだ。
娼婦にもなれない小さな子はここで引き取り、生活をさせている。
娼婦で食べていける女達は俺の援助などいらないから、住まいをちょっと浄化してあげただけで満足された。
今では裏町に顔を出すと彼女達があれやこれや教えてくれるので、俺もだいぶこっちの世界のホニャララ事情について詳しくなったと思う。
何でも、子を残さねばならない跡取りでさえなければ、男同士でも結婚できる世の中らしいのだ。
残念ながら得た知識を活用する機会が俺にやってくることはないけどな!
俺ホモじゃねえし、女にも興味ねえし!!
というよりもなー、俺、嫌われまくってるからなー。
俺の相手なんかしてくれる人いないのよ。
前の奥さんのこともあって、女子コワイっていうのもあるし。
いざという時に勃たない気もするし、それはそれで恐ろしい状況だろう?
……今更ながらに認識したが、その現場悲惨だな。
俺、もうホント一生無理だと思うわ。
まあだからな、俺というよりはな。
「きっとリクはまだ経験がないから、欲望が爆発しそうになった時にはお世話してやって欲しい」
と彼女達に頼んだのだ。なぜだか微妙な顔をされてしまったけども。
リクってカッコいいと思うんだけど、こっちの世界ではそうでもないのかな?
ちょっとだけ、価値観がわからなくて困る。
こうして、俺とリクの2人だけの時は広かった家も、今ではだいぶ手狭になった。
残りの4部屋の内2部屋はこの少女たち用に、もう1部屋は泊まりにくる男衆用か客間になっている。
まあ、滅多に客など来ないから専ら男衆用だ。
ほとんどの男達はリビングのところで雑魚寝してるけど、冬までには布団を用意してやりたいしなあ。
俺達の部屋は、当初部屋にあったベッドの1つを女子の部屋に運んでしまい、リクはなぜだか俺と同じベッドで寝るようになった。
まあ、日本のと違ってベッドも広いからいいんだけど、起きたら必ず抱き込まれてるのもなんか違うっていうか。
リクの独り立ちのために、別にひと部屋いるよなあと思う今日この頃だ。
つまり、そろそろもう一軒家建てようかなあって思っている。
丸太はいっぱいあるし。
大工のお手伝い程度だけど経験者も見つけたし。
今は設計図を用意してもらっている最中だ。
今も木を加工している彼らが庭に見える。
「お兄様、今日は32区画の綿花を回収する許可をください」
広げた土地は正方形に区切って、毎回違うものを育てる輪作方式にしたのだ。
毎回同じものだと土地が痩せるってなんかの番組で見たことある。
「明日はそれを糸にしてみせますから」
「うむ。許す」
気合いの入った彼女達は頬がうっすらとピンクに色付いて、本当にかわいいのだ。
……見てる分にはな。
「気をつけて行くんだぞ」
「はーい」
彼女たちに便利バッグ小を2つ渡すと、元気に返事をして出かけていった。
はあ、癒される♡
見てる分にはな。
暇になった俺は、モズラを取って来るとゴリゴリとすり出した。
まだ、大農家1年目だからそんなに収入自体はないのだ。
けれどかわいい子達やだいぶ農夫っぽくなってきたおっちゃん達の食事は用意せねばならない。
モズラはその辺に生えているただ食材だ。毎回うっすいスープで申し訳ないが、温かくてお腹いっぱい食べさせてあげるから許してほしい。
料理も任せられそうな子がいるから、そのうち役割分担しようと思う。
さすがに100人近くになったから、俺1人では回しきれん。
シャカシャカゴリゴリとモズラをすっていると、今日の収穫物を運んできた男達がゴクリと唾を飲み込んでこちらを見てきた。
今日もたくさん働いてお腹がペコペコなのに違いない。
よし、気合い入れてスリスリしちゃうぞ!
そろそろ寒くなってきたから、早く金色になってほしいもんだ。
植えるのが遅かったからな!
皆様こんにちは!
大農家のサリスフィーナです!
森の端っこを削って進んでいたら、向こう側にたどりつきました!
森の右側を田んぼ3面ほどの幅で開拓し終わり、左側は獣達の楽園のため手をつけずにいるわけだが、生まれ故郷であるキサラ町に隣接しちまったよ。
……俺の農場がな。
たまには肉も食べたいし、そっちの方にはシフォン達も住んでるし。
あんまりいじって森が無くなったら申し訳ないからと思っていたけど、なんとこの森、広さが東京都23区くらいあるらしくてな。
シフォンが簡単に許可くれたわけである。
まあ、つまり何かというと、キサラ街まで危険少なく行ける道が開通したことにより、ここを商用に使わせてくれないかと使者が来たのですよ。
……ミニマム商会からの。
そりぁ、俺の顔見たら「サリス様、ご無事でしたか」と顎も落ちるよな。
死んだかと思ってたら生きてたわけだし。
カランなんて目に涙まで浮かべて、きっとものすごく俺のこと怖いんだろうなと思ったら、こっちから声なんかかけられないだろう?
「通ることは構わないから、あとはリクと話しておいてくれ」
今まで割と楽しく過ごしてたからか、今更自分が嫌われてると認識するのって結構辛い。
俺はなるべく威圧しないように、そそくさと部屋を後にしたのだ。
隣の部屋に引っ込むと、ここにはかわいい少女達がいっぱいいる。
ここにいる子達は裏町で小さくなって生きてきた数少ない女の子たちだ。
娼婦にもなれない小さな子はここで引き取り、生活をさせている。
娼婦で食べていける女達は俺の援助などいらないから、住まいをちょっと浄化してあげただけで満足された。
今では裏町に顔を出すと彼女達があれやこれや教えてくれるので、俺もだいぶこっちの世界のホニャララ事情について詳しくなったと思う。
何でも、子を残さねばならない跡取りでさえなければ、男同士でも結婚できる世の中らしいのだ。
残念ながら得た知識を活用する機会が俺にやってくることはないけどな!
俺ホモじゃねえし、女にも興味ねえし!!
というよりもなー、俺、嫌われまくってるからなー。
俺の相手なんかしてくれる人いないのよ。
前の奥さんのこともあって、女子コワイっていうのもあるし。
いざという時に勃たない気もするし、それはそれで恐ろしい状況だろう?
……今更ながらに認識したが、その現場悲惨だな。
俺、もうホント一生無理だと思うわ。
まあだからな、俺というよりはな。
「きっとリクはまだ経験がないから、欲望が爆発しそうになった時にはお世話してやって欲しい」
と彼女達に頼んだのだ。なぜだか微妙な顔をされてしまったけども。
リクってカッコいいと思うんだけど、こっちの世界ではそうでもないのかな?
ちょっとだけ、価値観がわからなくて困る。
こうして、俺とリクの2人だけの時は広かった家も、今ではだいぶ手狭になった。
残りの4部屋の内2部屋はこの少女たち用に、もう1部屋は泊まりにくる男衆用か客間になっている。
まあ、滅多に客など来ないから専ら男衆用だ。
ほとんどの男達はリビングのところで雑魚寝してるけど、冬までには布団を用意してやりたいしなあ。
俺達の部屋は、当初部屋にあったベッドの1つを女子の部屋に運んでしまい、リクはなぜだか俺と同じベッドで寝るようになった。
まあ、日本のと違ってベッドも広いからいいんだけど、起きたら必ず抱き込まれてるのもなんか違うっていうか。
リクの独り立ちのために、別にひと部屋いるよなあと思う今日この頃だ。
つまり、そろそろもう一軒家建てようかなあって思っている。
丸太はいっぱいあるし。
大工のお手伝い程度だけど経験者も見つけたし。
今は設計図を用意してもらっている最中だ。
今も木を加工している彼らが庭に見える。
「お兄様、今日は32区画の綿花を回収する許可をください」
広げた土地は正方形に区切って、毎回違うものを育てる輪作方式にしたのだ。
毎回同じものだと土地が痩せるってなんかの番組で見たことある。
「明日はそれを糸にしてみせますから」
「うむ。許す」
気合いの入った彼女達は頬がうっすらとピンクに色付いて、本当にかわいいのだ。
……見てる分にはな。
「気をつけて行くんだぞ」
「はーい」
彼女たちに便利バッグ小を2つ渡すと、元気に返事をして出かけていった。
はあ、癒される♡
見てる分にはな。
暇になった俺は、モズラを取って来るとゴリゴリとすり出した。
まだ、大農家1年目だからそんなに収入自体はないのだ。
けれどかわいい子達やだいぶ農夫っぽくなってきたおっちゃん達の食事は用意せねばならない。
モズラはその辺に生えているただ食材だ。毎回うっすいスープで申し訳ないが、温かくてお腹いっぱい食べさせてあげるから許してほしい。
料理も任せられそうな子がいるから、そのうち役割分担しようと思う。
さすがに100人近くになったから、俺1人では回しきれん。
シャカシャカゴリゴリとモズラをすっていると、今日の収穫物を運んできた男達がゴクリと唾を飲み込んでこちらを見てきた。
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