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31話 5年後の 入籍
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「ぐふっ」
「ナローエ様?」
「いや、なんでもないよ」
オースティンがカッコ良すぎて、頭に血が昇っただけだから。
白色の軍服に黒と金の紐で飾り立てた今日のオースティン。
程よく日に焼けて、服を着ていてもその逞しさがよくわかる。
今日は赤く燃えるような髪も固めて……お前、どこの気高いお貴族様だよ!カッコ良すぎだよ!
はあ、僕の旦那様、カッコいい♡
「ああ、誰にも見せたくないな」
「ん?」
「今日のナローエ様を誰にも見せたくありません」
うん、それは僕もよくわかるぞ。
「本当にな。なんで僕の衣装は女みたいなヤツになったんだ」
前から見ればズボンを履いてるってわかるけど、後ろがな!
「そうではありませんよ!かわい過ぎです!天使過ぎです!もう、この世のものとは思えない……はっ!まさか、天に連れ帰ろうとする神が降臨するかもしれませんね。神殺し、上等です!!」
「待て待て待て待て!どこにそんな要素があるんだ!よく見ろ、どう見ても女用にしか見えないこのローブ!」
オカマ的な何かだろ!
いや、キャラクターが完成されている彼女達なら着こなせてもな、僕みたいな中途半端が着たって美しくともなんともないだろ。
オースティンの視力が心配だ!
「なぜですか!地を擦るほど長く作られた白いローブに、ナローエ様の清廉な神秘性を引き立てる金の刺繍。魔石で結い上げられた銀の髪が女神様のように輝いて……思わず舐め上げたくなるような華奢な頸ですね。舐めてもいいですか?」
「いや、待て!」
お前、こんなところでおっ勃てるなよ!
おい、押し付けんな!
「ちょっと~!!何やってんのよ、オースティンは!!私のせっかくの傑作が乱れて……えっろ!ちょっ!ホント、このまま人前には出せないわ!このバカちん!!」
どこから出したのか、巨大なハリセンがオースティンを吹き飛ばした。
「あ、あのメロディさん?」
いや、まあ君が強いことは知ってだけどね?
オースティンの真っ赤に腫れ上がった顔も30分もすれば魔道具で治るだろうけどね?
「さ!ナローエ様は私の玩ちゃ……ゲフンゲフン、さ、メロディブランドの宝飾品の宣伝のために綺麗に飾り直すわよ!」
「あ、はい」
王太子の勧めで、2年前に彼の側近と結婚したメロディ。
身分的にも力的にも容姿的にも逆らえる人はかなり少ない。
その恵まれたメロディが、現代日本のセンスで次々に生み出す洗練された装飾品や魔道具は、今を時めくメロディブランドとして世の中を席巻しているのだ。
彼女達のド派手な結婚式分を直ぐに取り返すことができたほどの腕前に、彼女を勧めてくれた王太子に生涯の忠誠を誓ったらしいからな、その側近。
あんなに頭が足りなさそうだったのに、いつのまにか女傑となっていた彼女。
セクハラだ、パワハラだ、身分がなんだと、威張り散らかす男を高笑いで次々と足蹴にして進む彼女のファンは多い。
時々、殿下ですら遠い目をしているからな。
僕なんかが逆らえるわけがない。
僕は大人しくマネキンと化したのだった。
☆
式は厳かに行われた。
時折響くすすり泣きが父上だと気づいた途端、僕の感極まった涙がすーっと引いたのは仕方なかったと思う。
父上と母上が並んでいるのを見たのも物心がついてから初めてのことだったし、父上の部下さん達が母上を怖がって父上に近づかないのも『なんだかなあ』と笑ってしまった。
披露宴はこの日に式をあげたカップルが合同で開いた。
法で認められたとはいえ、男同士、女同士の披露宴に人を呼びづらい雰囲気はまだあって、もういっそ、初めて記念みたいなお見合いパーティっぽい催し物にしてしまえばいいと発案したのだ。
そしたら普通の異性婚の参加希望者達も出てきて、分け隔てなく幅広く合同披露宴参加者を募集することとなった。
仕切ったのはメロディだ。
さすがの盛り上がりとなった。
毎年恒例となるかもしれないとか言ってだけど、それもうなんていうか目的変わっとる……。
同性婚が早く一般に浸透するといいな、と思った。
で、ここからはやっと僕ら2人の時間になるわけだが。
用意された寝巻きが、透け透けなんだけど……。
男の透け衣装、見て楽しいか?
全身につけられた宝石っぽい飾りも恥ずかしいし、なんなら半勃ちのボクちゃんから後ろのほにゃまで飾り立てられている。
これ、アナルプラなんちゃらってヤツだろ。
しかもついてる飾りの石に、催淫的なの施されてるだろ。
ううぅっ!
身体、あっつい!
「ナローエ様……なんて、えろ美しいんですか……」
えろ美しいってなんだ。
「はっ、あ、オースティン」
文句を言いたいけど、出てくるのは喘ぎ声だけだ。
喉を鳴らしたオースティンが、僕の衣装の上からボクを撫であげた。
「あっ」
このまま、すぐしたいけど、これを機に1つだけ僕らも変わらなければならないと思ってるんだ。
「オースティン、籍も入れて、正真正銘の夫夫に、なっただろ?」
もう僕らの間に、身分の差はないわけだ。
「そうですね。こんなにエロいナローエ様が、俺のモノになったわけですね」
エロいってなんだ!
オースティンの方がよっぽどエロいんだぞ!……じゃなくって。
「だからさ、敬語はまあ、直ぐには、無理だと、してもさ、僕に敬称はっ、いらないんじゃ、ないかなって、思って」
はぁはぁ息を継ぎながら、オースティンの首に腕を回して、唇を舐め上げた。
「ほら、呼んで?」
「ナ、ナローエ……?」
「ふふ、うん。早くっ、呼びなれるように、たくさん、僕の、名を呼んでくれっ」
「ナローエっ、俺の、ナローエ」
「うん」
壊れた玩具みたいに僕の名前を繰り返すオースティンに、僕の中から幸せが溢れてくる。
「あぁっ!」
オースティンが僕の胸についた飾りをゆるく撫でた時、いつもより強い快感が全身を駆け抜けた。
「これ、どうなってるんです?」
「わ、わか、なひ」
ピアスみたいに穴をあけたわけじゃないのに、ぴったりと皮膚にくっついてるんだ。
「ああ、だんだん、溶けるんですね」
「は、はぁっ!あ!」
ダメだ。わけ、わかんない。
オースティンが飾りごと僕の胸を舐めて吸い上げた。
「ああ、これ、媚薬を宝石みたいに固めてあるのか。……まずいな、俺まで、止まれなくなる」
「あ、あ、あ」
「しかも、後ろも、トロっトロですね。ああ、こんなに熱くして……ナローエ」
ズルリと抜かれる、ソレの感触ですら、ヤバっ。
「中まで媚薬責めとか、今日の準備係は神か」
「な、に?」
「いや、一緒に気持ちよくなりましょうね。ナローエ」
「う、ん!」
もう、もどかしい!
「オースティンっ!早く!」
いつもなら性急にくるオースティンなのに、乱れる僕をじっくりと楽しそうに見ている。
これ、視姦てやつだろ!
僕だって悶えるオースティンをゆっくり見たい。
今度焦らしてずっと見ててやるからな!
じゃなくて。
「オースティン、ひどっ、もうヤダ」
鼻を鳴らして泣き真似をすれば、オースティンが慌てて抱きしめてきた。
はあ、こういう僕に惚れてますってところ、マジで幸せ。
「ナローエ様、ごめんなさい」
「ナローエ!」
「あ、ナローエ」
「怒ってないから、早く来て。僕を、オースティンで、いっぱいにして」
「はいっ」
もう解こされてるソコに、遠慮なく入ってくるオースティン。
「うっ、あ、あ、あぁぁ!」
その圧が気持ち良すぎて、ヤッバい。
とぶ。
「ナローエっ!」
いつもより早い1回目が、ほぼ同時だった。
僕もオースティンも、それで終われるわけがないから、オースティンの髪を鷲掴んで思いっきり口内を吸い上げてやった。
オースティンの目に、火が灯る。
ああ、本当に、僕、オースティンと結ばれたんだなあ。
「ナローエ様?」
「いや、なんでもないよ」
オースティンがカッコ良すぎて、頭に血が昇っただけだから。
白色の軍服に黒と金の紐で飾り立てた今日のオースティン。
程よく日に焼けて、服を着ていてもその逞しさがよくわかる。
今日は赤く燃えるような髪も固めて……お前、どこの気高いお貴族様だよ!カッコ良すぎだよ!
はあ、僕の旦那様、カッコいい♡
「ああ、誰にも見せたくないな」
「ん?」
「今日のナローエ様を誰にも見せたくありません」
うん、それは僕もよくわかるぞ。
「本当にな。なんで僕の衣装は女みたいなヤツになったんだ」
前から見ればズボンを履いてるってわかるけど、後ろがな!
「そうではありませんよ!かわい過ぎです!天使過ぎです!もう、この世のものとは思えない……はっ!まさか、天に連れ帰ろうとする神が降臨するかもしれませんね。神殺し、上等です!!」
「待て待て待て待て!どこにそんな要素があるんだ!よく見ろ、どう見ても女用にしか見えないこのローブ!」
オカマ的な何かだろ!
いや、キャラクターが完成されている彼女達なら着こなせてもな、僕みたいな中途半端が着たって美しくともなんともないだろ。
オースティンの視力が心配だ!
「なぜですか!地を擦るほど長く作られた白いローブに、ナローエ様の清廉な神秘性を引き立てる金の刺繍。魔石で結い上げられた銀の髪が女神様のように輝いて……思わず舐め上げたくなるような華奢な頸ですね。舐めてもいいですか?」
「いや、待て!」
お前、こんなところでおっ勃てるなよ!
おい、押し付けんな!
「ちょっと~!!何やってんのよ、オースティンは!!私のせっかくの傑作が乱れて……えっろ!ちょっ!ホント、このまま人前には出せないわ!このバカちん!!」
どこから出したのか、巨大なハリセンがオースティンを吹き飛ばした。
「あ、あのメロディさん?」
いや、まあ君が強いことは知ってだけどね?
オースティンの真っ赤に腫れ上がった顔も30分もすれば魔道具で治るだろうけどね?
「さ!ナローエ様は私の玩ちゃ……ゲフンゲフン、さ、メロディブランドの宝飾品の宣伝のために綺麗に飾り直すわよ!」
「あ、はい」
王太子の勧めで、2年前に彼の側近と結婚したメロディ。
身分的にも力的にも容姿的にも逆らえる人はかなり少ない。
その恵まれたメロディが、現代日本のセンスで次々に生み出す洗練された装飾品や魔道具は、今を時めくメロディブランドとして世の中を席巻しているのだ。
彼女達のド派手な結婚式分を直ぐに取り返すことができたほどの腕前に、彼女を勧めてくれた王太子に生涯の忠誠を誓ったらしいからな、その側近。
あんなに頭が足りなさそうだったのに、いつのまにか女傑となっていた彼女。
セクハラだ、パワハラだ、身分がなんだと、威張り散らかす男を高笑いで次々と足蹴にして進む彼女のファンは多い。
時々、殿下ですら遠い目をしているからな。
僕なんかが逆らえるわけがない。
僕は大人しくマネキンと化したのだった。
☆
式は厳かに行われた。
時折響くすすり泣きが父上だと気づいた途端、僕の感極まった涙がすーっと引いたのは仕方なかったと思う。
父上と母上が並んでいるのを見たのも物心がついてから初めてのことだったし、父上の部下さん達が母上を怖がって父上に近づかないのも『なんだかなあ』と笑ってしまった。
披露宴はこの日に式をあげたカップルが合同で開いた。
法で認められたとはいえ、男同士、女同士の披露宴に人を呼びづらい雰囲気はまだあって、もういっそ、初めて記念みたいなお見合いパーティっぽい催し物にしてしまえばいいと発案したのだ。
そしたら普通の異性婚の参加希望者達も出てきて、分け隔てなく幅広く合同披露宴参加者を募集することとなった。
仕切ったのはメロディだ。
さすがの盛り上がりとなった。
毎年恒例となるかもしれないとか言ってだけど、それもうなんていうか目的変わっとる……。
同性婚が早く一般に浸透するといいな、と思った。
で、ここからはやっと僕ら2人の時間になるわけだが。
用意された寝巻きが、透け透けなんだけど……。
男の透け衣装、見て楽しいか?
全身につけられた宝石っぽい飾りも恥ずかしいし、なんなら半勃ちのボクちゃんから後ろのほにゃまで飾り立てられている。
これ、アナルプラなんちゃらってヤツだろ。
しかもついてる飾りの石に、催淫的なの施されてるだろ。
ううぅっ!
身体、あっつい!
「ナローエ様……なんて、えろ美しいんですか……」
えろ美しいってなんだ。
「はっ、あ、オースティン」
文句を言いたいけど、出てくるのは喘ぎ声だけだ。
喉を鳴らしたオースティンが、僕の衣装の上からボクを撫であげた。
「あっ」
このまま、すぐしたいけど、これを機に1つだけ僕らも変わらなければならないと思ってるんだ。
「オースティン、籍も入れて、正真正銘の夫夫に、なっただろ?」
もう僕らの間に、身分の差はないわけだ。
「そうですね。こんなにエロいナローエ様が、俺のモノになったわけですね」
エロいってなんだ!
オースティンの方がよっぽどエロいんだぞ!……じゃなくって。
「だからさ、敬語はまあ、直ぐには、無理だと、してもさ、僕に敬称はっ、いらないんじゃ、ないかなって、思って」
はぁはぁ息を継ぎながら、オースティンの首に腕を回して、唇を舐め上げた。
「ほら、呼んで?」
「ナ、ナローエ……?」
「ふふ、うん。早くっ、呼びなれるように、たくさん、僕の、名を呼んでくれっ」
「ナローエっ、俺の、ナローエ」
「うん」
壊れた玩具みたいに僕の名前を繰り返すオースティンに、僕の中から幸せが溢れてくる。
「あぁっ!」
オースティンが僕の胸についた飾りをゆるく撫でた時、いつもより強い快感が全身を駆け抜けた。
「これ、どうなってるんです?」
「わ、わか、なひ」
ピアスみたいに穴をあけたわけじゃないのに、ぴったりと皮膚にくっついてるんだ。
「ああ、だんだん、溶けるんですね」
「は、はぁっ!あ!」
ダメだ。わけ、わかんない。
オースティンが飾りごと僕の胸を舐めて吸い上げた。
「ああ、これ、媚薬を宝石みたいに固めてあるのか。……まずいな、俺まで、止まれなくなる」
「あ、あ、あ」
「しかも、後ろも、トロっトロですね。ああ、こんなに熱くして……ナローエ」
ズルリと抜かれる、ソレの感触ですら、ヤバっ。
「中まで媚薬責めとか、今日の準備係は神か」
「な、に?」
「いや、一緒に気持ちよくなりましょうね。ナローエ」
「う、ん!」
もう、もどかしい!
「オースティンっ!早く!」
いつもなら性急にくるオースティンなのに、乱れる僕をじっくりと楽しそうに見ている。
これ、視姦てやつだろ!
僕だって悶えるオースティンをゆっくり見たい。
今度焦らしてずっと見ててやるからな!
じゃなくて。
「オースティン、ひどっ、もうヤダ」
鼻を鳴らして泣き真似をすれば、オースティンが慌てて抱きしめてきた。
はあ、こういう僕に惚れてますってところ、マジで幸せ。
「ナローエ様、ごめんなさい」
「ナローエ!」
「あ、ナローエ」
「怒ってないから、早く来て。僕を、オースティンで、いっぱいにして」
「はいっ」
もう解こされてるソコに、遠慮なく入ってくるオースティン。
「うっ、あ、あ、あぁぁ!」
その圧が気持ち良すぎて、ヤッバい。
とぶ。
「ナローエっ!」
いつもより早い1回目が、ほぼ同時だった。
僕もオースティンも、それで終われるわけがないから、オースティンの髪を鷲掴んで思いっきり口内を吸い上げてやった。
オースティンの目に、火が灯る。
ああ、本当に、僕、オースティンと結ばれたんだなあ。
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