アニンバイツ

飲杉田楽

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第1章 メリュジーヌ本部脱出編

2.二宮神奈

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『トレーダーの皆さんは 
かなりお強いと聞きましたが  
今回の件は かなり危険ですので、
お気を付けくださいねえ、、  
何かあれば
【合法者】をお呼びしますのでねえ?


Mr.勝呂、  これは 私から貴方へ
ほんの気持ちです  取引資金では
御座いませんので、お気になさらず、  今回はかなり君も  使うと思ったのでね、その   なんでしたっけ貴方の
その右半身。  


【破滅的拍手音者】 (クラックマン)
でしたっけ?   


それを動かすには必要なんでしょう?   (誘発物質)が、、
それにお使いください』

勝呂は  右手を 見つめると  
誂の顔面を凝視した。
誂も  その目の威圧感に
耐えられなくなり目を背ける


『よく、ご存知でいらっしゃいますねMr.誂。まあ、いいんですよ、  誂殿。  僕は慣れてますから  
およそ、10年前から 
【再構築者】(リフォーマー)に
再構築されそうになってましたから、  そんな僕を拾ってくれたのが 
今の会社なんでね、、  

僕を馬鹿にするのはいいんですよ  
ただ…
誘発元素 (インバイト)を 
使用する人は馬鹿にしないであげて
下さい。  生きてるんですよ
見た目がアレでも…』

そういうと勝呂は 下に俯きながら  
その封筒を胸ポケットにしまった。

無精髭を  執拗に撫でながら 誂は  問う
『では、  成立ですね?  Mr.勝呂。』

『ええ、  出発は
2時間後でいいですね?』

『構いませんよ。  
念のため 検査室によっていって下さい』

『わかりました』

そう言って  勝呂は 扉を開けた。
誂の目は  何故か好機に満ちた
子供のような目をしていた

そんなに  自分たちが作った薬の結果と
その学園の謎を解明したいのかと
軽蔑の念を  勝呂は抱いた。

…が、  

扉を閉めると横に立つ可憐な女が
視界に入り  その念は何処かへ行った

『 お疲れ様です。  鞍馬さま』


女は  勝呂を下の名前で呼んだ
勝呂鞍馬(スグロ クラマ)
幼少期は  自分の
名前が漢字で書けず少し
嫌いだったが  今ではなにかとかっこいい名前だと自負している。

そんな  勝呂を気遣う  女は  
紺色のワンピースのような
ドレスに身を包んでいた。
胸元は  大胆にも  開いており
その  豊かな 胸を象徴しているようでもあったが、  勝呂はあえてそれを目視せず足元を見た。

が、  太ももの方まで  
切り込みが入れてあるデザインの  
ドレスのため  やたら
艶美さを醸し出していた

勝呂はその格好に堪らず赤面する

『オイ!  なんつー格好してんだ!
いくら  自分のスタイルに自信があるからってそりゃあやりすぎだろ!  
神奈!』

紺色のドレスを見に纏い  
自慢の肩まで伸びている
黒髪を耳にかけながら
その女、  
二宮 神奈 (ニノミヤ カンナ)は
口を開いた

『なんですか?
欲情しちゃいましたか?勝呂?  』
 
『人を茶化すのは
その辺にしとけ  しばくぞ』

『ええ~やだ~こわ~い。    』
神奈 は  体を捩らせ  、 
勝呂の手首にしがみついた。
勝呂は すぐさま自分の 
上腕二頭筋に感じた
柔らかさの根源を理解した

『なっ! おまえ!  やめろ! 
当たってるから!  おい! こら!』

神奈は 自慢の 
胸を押し付けながら挑発する

『うわあ、  ないわあ、 
もう27ですよね?
その表情だと、  、、
ええ、、まだまだ、
お子ちゃまですねえー』

勝呂の目は先程まで の
冷たいものではなく
人間味溢れていた。


勝呂は 神奈を離すと  スーツを整えた。

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