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第1章 メリュジーヌ本部脱出編
9.拍手男
しおりを挟むこんな状況で 神奈の 肉体の柔らかさを感じ
二宮神奈は 女なのだと もう一度再認識する
しかし、 神奈の傷の修復は遅く このままでは出血多量で死に至る…
閃光の傷跡はかなり 大きく
神奈が盾になってなければ、 勝呂も
自己回復出来るかは 不明瞭な程だった。
勝呂は 神奈の 唇に 自分の唇を、合わせ
血液を飲ませた。
体内に吸収させるにはこれしかない。
羞恥心なんてものは 今は関係ない
彼女が助かればそれでいい。
勝呂はそんな迂闊だった自分を責めずに
助かって良かったと 苦しみながら微笑む
二宮神奈 が嫌いだった。
昔から無茶ばかりして、 いつも犠牲になるのは彼女だったからだ。
それが嫌だった。
だから彼女が嫌いだった。
ただ、それは違うのだと やっと今理解した
実を言えばわかっていたのかもしれない
二十代後半に差し掛かったというのに
未だに 思春期なのだろうか、
恥ずかしかったのかもしれない。
理屈を並べては それが屁理屈だったのだと
再確認し、後悔するそれが 呼吸するのと同じようになってから 勝呂鞍馬という男は
自分の気持ちが素直に表せなくなっていた
気づけば 人間味のない 冷たい目に退化していた。
勝呂は 神奈の傷が塞がっていくのを確認すると エレベーターの 端に 神奈を置いた
『だめ、 戦ったら、 わたしも戦うから』
『なにいってんだ。 お前死んだら俺泣くぜ』
勝呂は 無理をしようと する神奈に一言
そう言うと 、エレベーターのドアを開けた
『クラックマンの 実力見せてやんよ
クソ野郎!』
誘発物質を体内に含むアニンバイツにも
種類が沢山ある。
特殊能力使えるもの。
形態変化を行うもの など、様々だが
勝呂は 少し違った
勝呂は アニンバイツながらも、人間として
生きたいと願い
武の心を捨てなかった。
その結果が 彼の闘い方に現れていた
『拍手喝采劇 第一幕! 千里眼光石火!』
エレベーターの扉が開いた瞬間
猛スピードで 加速し 全身。
右足の小指の爪が火を噴くように潰れ、
ハイカットシューズの中敷が 摩擦で焦げる
電光石火の如く 猛スピードで突進する
その動作の中
先程の閃光を追跡出来るよう
暗視カメラのように 暗闇でも十分敵を認識出来るよう
両目に 暗視機能を追加 脳内デバイスに
誘発物質インバイトを 瞬間的に投与し、
敵を 認識 左足を硬質化させ、地面に
突き刺し コンパスのように軸の周りを
右足が高速回転し、 その摩擦で 点火。
敵の閃光の先にある物を、見抜く
そして、 勝呂は急接近する。
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