太陽みたいな君は冬に溶けていく

のんゆん

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第一話 プロローグ

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 俺の名前は龍宮寺廉(りゅうぐじれん)、16才、勉強もそこそこ、運動もそこそこ、何の取り柄もない高校一年生、そして、今日は入学式なので、新しい制服に着替えて、髪を整えて、新しい幕開けを切りたいと思う。
「準備できたー、廉」
「今終わったとこ、時間ないから朝ごはんはいらないよ」
「そうか、それじゃあ気をつけて行ってきてね」
「うん」
 うちのお母さんは女手一つで俺を育ててくれた。俺が中学生に上がる前に父さんが亡くなった。俺は当時泣きじゃくって、もう父さんが戻ってこないということを酷く実感した。それから俺が中学生に上がるタイミングで妹の杏奈も小学生になり、そこそこ費用がかかる、これは俺も同様で、父さんが遺してくれた遺産でまかなった。
 お母さんは、朝から夜遅くまで仕事をしていて、朝の6時に家を出掛け帰ってくるのはいつも22時頃。流石にお母さんも歳だし、負担は掛けさせたくなかったのでバイトを始めようと思う。
「おっはよー廉!」
「お、光かおはよ」
 こいつは、伊藤光(いとうひかる」、幼稚園からの幼馴染で家が近所なため毎日一緒に学校に行っている、とは言っても中学生の一時期は2人が付き合ってるんじゃないかという噂も流れたが、時間が経ち、誰も話題にしなくなった、俺にとっては数少ない唯一の友達だから大切にしていきたい。
「なんだー廉、元気ないなー」
「そういうお前はなんで元気なんだ?」
「だって、今日は入学式だよ!」
「そうか、もうそんなに時が経ったんだな、俺たちが出逢ってから」
「ちょ、廉、そんな水くさいこと言うなよな」
「ははっ」



 校舎に入った俺たちはさっそくクラス分けの貼り紙を確認した。できれば光と一緒のクラスになりたい。
「廉、廉、廉、あった!廉1組じゃん!」
「じゃあ光は2組だな」
「ほんとだ!うわーもう最悪、廉以外の知り合い全然いないんだけど」
「光なら大丈夫だろ、ほら」
 そこには光を待っているっぽい1人の女の子がいた、おそらく同じ中学校だったのだろうが、名前は知らない。
「ひ、光さん、クラスおんなじなので一緒に教室行きませんか?」
 なぜか妙に緊張している、きっと話しかけたことがあまりないのだろう。
「いいよ!ていうかそんな敬語とか使わんでいいって、気軽にはなそー」
「は、はい!」
「じゃあ廉、先に行っとくね、また後で会おう!」
「ああ」
 そう言って光は行ってしまった。ほんとに光はコミュ力が高いと思う。さて、では1組の教室に行くとするか。ちょっと待てよ、1組ってどこだっけ?辺りにはほとんど人がいない、きっともう行っているのだろう、なぜならホームルームが始まる10分前だったのだから。地図のようなもは見当たらない。
(あっ、詰んだ)
 脳裏にそんな言葉が浮かび、どうしようかと迷っていたところ、玄関に1人の先輩が現れた、髪はロングヘアできっと遅刻しかけて焦っているのだろう、動作がすごく焦っている。
「やばい、遅刻するーって君どうしたの?」
 急に声を掛けられて焦ったがすぐ返答した。
「実は教室が分からなくて、やばいですよね」
「何組?」
「1年1組です」
「そっか、じゃあ私についてきて」
「は、はい!」
 あまりの先輩の勢いに動揺するが、先輩のさっきの焦りの行動からするに、きっと時間が無いのだろう、急ごう。
 5分後
「せ、先輩?」
「な,何?」
「さっきから道に迷っていませんか?」
「えっと、ははは」
 先輩の誤魔化すような乾いた笑い声に俺は思わず心の中でこう呟いた
(1年以上もこの学校にこの学校にいて何してるんだ、この人は…)
と少し呆れの心の声がするが、そうしているうちに教室に着いたらしい。3年生の教室と1年生の教室のフロアは同じなので、先輩とここで別れることにした。(ちなみに先輩は3年生っぽい)
「ありがとうございました!また何かの縁があれば」
「そうだね、また会おう!」
 そう言って先輩は微笑んだ、俺も微笑みを返すと互いに歩きだした。
「すいません!遅れました!」
「やっと来ましたね、5分前には集合、これ基本ですよ」
「はい…」
 やはりと言うべきか先生に注意された、しかし先生は「まあ始めのうちはしょうがないでしょう、次回からは気をつけるように」という軽い注意で済んだ。
 そんなことを気にしながら、俺はあの先輩の微笑みを思い出していた、
 そう。明らかにだったのだ。



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