太陽みたいな君は冬に溶けていく

のんゆん

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第二話 あの後輩とあの先輩

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 「せ、先輩?」
 そうだ、この声が妙に耳に残る。
 あの後輩と別れたあと、急いで教室に駆けた。先生は私のことなんか気にする素振りもせず、出席を取り始めた。言っとくが私に友達なんていない、作りたくないのだ、結局の結末は1。だけど、あの後輩のことは少し気になった、だって入学式に教室を迷う人なんて中々いないだろうから。この先が思いやられるだろう。
 (まあでも、嫌いじゃない)
 そう、思った。でも私は恋をしてはいけないのだ、もう2度とあの時みたいに悲しませたくないから。


 「はーい、委員会決めをするので学級委員長になりたい人は挙手してくださいー」
 先生の声と共に一つくらい正義感ぶった真面目が手を挙げないものかと期待していたが、やはり誰も挙げない。ここは俺が挙げるしかないのだろうか、すると隣の席の人が手を挙げた。
「私やります」
「はい、じゃあ春明(はるあき)さんで決定で」
 どうやら正義感ぶった真面目がこのクラスに1人はいたらしい、まあ、とにかく学級委員長が決まったのでよしとしよう。
「じゃあ春明さんは前で委員決めの話し合いの司会をしてくれないかな」
「はい」
 そう返事をすると髪を結び、みんなからの視線が集まる教卓に移動した。
「それでは今から委員決めの話し合いを始めたいと思います、みなさん、積極的に挙手しましょう!」
 はっきりと透き通ったクラス全員をまとめるような声でそう言うと、着々と委員を決めていった。俺は適当に余ったところでいいかなと思っていたところ、隣の人が誘ってきたので、なんとなくオーケーした。実際のところ、もう余りの委員会はなかったので結局これになった、なった委員会は図書委員会だった。
 「立腰、これで委員長決めを終わります、礼」
 最後は学級委員長サマの立派な挨拶で締められた。入学式も終わり、あとは帰るだけなのでゆっくり準備して、というところに光がやってくる。
「どうやった、委員会決め?」
「俺は図書委員になったわ」
「マジ!?私も同じ!」
「さいですか、じゃあよろしく」
「こちらこそ」
 と、一通り会話を交わした後に、今日の朝のことを話す。光が先に行ったおかげで教室の場所が分からなくなったこと、その後にめっちゃ綺麗で遅刻し掛けの先輩に案内してもらったこと、その先輩と一緒に迷ったこと、その先輩に多分をしたこと。
「で、何?惚気かなんか?」
 と呆れ気味に光から返された。光は他人の恋愛事情に興味なんて持たない、ということは知っていたが、いざ目の当たりにするとなんとも言えない気持ちになる。
「いや、その、女性としてなにかアドバイスないかな、と」
「そんなもの無いわね、まあ同じ委員会になることを祈っとくわ」
「お、おう、さんきゅ」
 心なしか光の態度が冷たくなった気がするが、まあ他人の惚気話をされれば当然っちゃ当然だと思う。というか。
 (マジで同じ図書委員会になりてえーあの先輩と)
 そんなことを祈ったのだった。


「委員会を決めたいと思うから、とりあえず生徒会長の千秋、頼んだ」
「はーい、分かりましたー」
 とみんなを包むような母性を放つ雰囲気の女子が一人出てきた。名前は千秋宙。一応小学生からの同級生で、割とスタイルがいい、男子が思わず唾を飲むような魅惑的な体と可愛らしい顔を持ち合わせている。
「それでは始めまーす」
「お願いしまーす」
 という風に委員会が着々と決まってきた、私は図書委員会になりたいと思う。
 (そういえば…)
 あの後輩は何委員会になるのだろう?やっぱり男の子だから運動委員会とかかな?意外とそういうところありそう。でもまあ、やっぱり図書委員会になりたいからいいっかなー、うんそうしよう。
「図書委員会します」
「分かりました、ではお願いします」
 こうして私は図書委員会になった。あの後輩と一緒になれたら…なんて甘い考えは捨てるべきだと思った。


「そういや廉って好きな人とかいる?」
「特におらんけど、あの先輩のことは少し気になる」
「そっかー、先輩と恋愛ってなんか青春だねー」
「そうでもないと思うけど、てかそもそも片想いだとも思うよ」
「ははっ精々頑張って、応援してる」
「だな。頑張る」
 俺は先輩を意識して行動していくことに決めた。きっとこれは偶然で運命的な出会いだろう、そう信じたい。

 


 
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