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1幕 白峰高校殺人事件
6話 赤く染まる水溜り
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犯行は平幕君殺害時と同じ大きさの鉄パイプで殴られていた。
しかも、驚くべきことに今回の被害者の傷口にも平幕君の血液が付着していたこと。
被害者は演劇部裏方の浦島さん。東君と同じく1年生であり裏方であった。
凶器は依然としてなく、犯人の足跡はトイレから途中まで、トイレの床にあった水溜りによって濡れた足の跡が残っていたがそれ以上さきは足取りが掴めなかった。
「これ結構困りますね、松原先輩」
男子トイレを出たあたりで奈津子が言う。
「ああ、第2の被害を出してしまったのは、警察にとっても、俺らのクビにとっても、非常にまずい。」
松原は鑑識が捜査をしているトイレの中を眺めながら言った。
「それで、名探偵はどこに行ったんだ?」
あの後、松原さんを犯行現場に残して、日向はどこかへ行ってしまってきりだった。
その頃、日向は中庭に中庭に来ていた。
「この辺かな?」
中庭は、校舎で囲まれており、上を見れば灰色の雲と落ちてくる雨だけだった。
その、中庭の草地に目を止める。
「血、そうか、この円形の穴も」
一気に思考に巡る。
「鉄パイプはトイレから落としてここに取りに来たのか。なら、近くにあってもおかしくない」
再び、中庭を隅々まで見渡す。
そして、とあることを思い出す。
大きさは、直径5センチ。
そして、中庭にあるベンチの元へ行く。
僕の仮説が正しければ....。
「あった」
ベンチの裏に回ると、ベンチの背もたれを支えるパイプだけ赤く染まっていた。
犯人は、ベンチのパイプを外して、犯行に及んだ。
証拠は見つかった。だけど、犯行現場に指紋が残ってないと言うことにより、犯人は分からないだろう。
スマートフォンをズボンについたポケットから取り出すと松原さんに電話をかけた。
『はい、松原。どこにいるんだ名探偵』
「中庭ですよ。そんな事より、松原さん中庭に来てもらっていいですか?凶器と思われるものが見つかりました」
『凶器が見つかった?! わかったすぐ行く』
少しすると、頭の松ぼっくりをユサユサと揺らしながら、中庭に入ってきた。
「それで、凶器は」
「このベンチの背もたれ。鉄パイプです」
「これか、鑑識に急いで調べてもらおう」
松原さんは傷だらけの黒いガラケーを取り出して電話をかける。
「奈津子、上にいる鑑識を中庭に頼む」
『了解です!先輩』
そして、パタリと閉じた。
「名探偵、よく見つけたな。あとは、犯人の特定か」
「そこなんですよね」
鑑識が来てから、鉄パイプのボルトを緩めてそっと取り外した。
そして、鑑識が袋に入れる刹那、パイプから何かがポトっと落ちた。
鑑識は気が付いてないようだったが僕は確かに捉えていた。
鑑識がまた、上に行ってから、何かが落ちたところへ行くと、ICチップが落ちていた。
自分の記憶を頼りにそのチップの電子回路を分析していった。
「松原さん、メモリーカードが見つかりましたよ」
「本当か!データがあるか早く確認しよう。名探偵!」
「すぐには無理です、破損しているので。ですが、データの取り出しだけならできたはずです」
「おお、そうか、ならそれを早くやろう」
松原さんが急いで中に入っていく姿を見ると、トレードマークの松ぼっくりの天然は雨によってぺたんと梳けて、おかっぱ頭になっていた。
雨でカッパに化けるのか、それとも雨でカッパに戻ってしまうのだろうか。
それもまた、小さな謎である。
体育館に戻ると、ビデオカメラを持ってきて、メモリーカードの接合部がフィットするようにセットした。
そして、演劇『地を這う胡蝶』と書かれた最新のファイルを再生した。
そして、暗い部屋のようなものが映し出される。
『やぁ、こんにちはー。犯罪コーディネーターの黒部だよー!この動画が見られているってことは、彼の犯罪は甘かったって事だね。
まぁまぁ、推理を楽しんでくれよ!探偵君』
そのムービーに現れたのは、白黒の道化師の仮面を付けた男性だった。
スーツに身を包んでおり、狂気を感じる。
犯罪コーディネーター.....。黒部。
そして、何より、僕がこの現場に来ると言うことを見抜いていたのか...。
「おい、名探偵、こいつは誰だ!」
「知らない。ただ」
あまりにも知った名前だった。
「一体誰なんだ!」
そして、動画の続きが再生された。
しかも、驚くべきことに今回の被害者の傷口にも平幕君の血液が付着していたこと。
被害者は演劇部裏方の浦島さん。東君と同じく1年生であり裏方であった。
凶器は依然としてなく、犯人の足跡はトイレから途中まで、トイレの床にあった水溜りによって濡れた足の跡が残っていたがそれ以上さきは足取りが掴めなかった。
「これ結構困りますね、松原先輩」
男子トイレを出たあたりで奈津子が言う。
「ああ、第2の被害を出してしまったのは、警察にとっても、俺らのクビにとっても、非常にまずい。」
松原は鑑識が捜査をしているトイレの中を眺めながら言った。
「それで、名探偵はどこに行ったんだ?」
あの後、松原さんを犯行現場に残して、日向はどこかへ行ってしまってきりだった。
その頃、日向は中庭に中庭に来ていた。
「この辺かな?」
中庭は、校舎で囲まれており、上を見れば灰色の雲と落ちてくる雨だけだった。
その、中庭の草地に目を止める。
「血、そうか、この円形の穴も」
一気に思考に巡る。
「鉄パイプはトイレから落としてここに取りに来たのか。なら、近くにあってもおかしくない」
再び、中庭を隅々まで見渡す。
そして、とあることを思い出す。
大きさは、直径5センチ。
そして、中庭にあるベンチの元へ行く。
僕の仮説が正しければ....。
「あった」
ベンチの裏に回ると、ベンチの背もたれを支えるパイプだけ赤く染まっていた。
犯人は、ベンチのパイプを外して、犯行に及んだ。
証拠は見つかった。だけど、犯行現場に指紋が残ってないと言うことにより、犯人は分からないだろう。
スマートフォンをズボンについたポケットから取り出すと松原さんに電話をかけた。
『はい、松原。どこにいるんだ名探偵』
「中庭ですよ。そんな事より、松原さん中庭に来てもらっていいですか?凶器と思われるものが見つかりました」
『凶器が見つかった?! わかったすぐ行く』
少しすると、頭の松ぼっくりをユサユサと揺らしながら、中庭に入ってきた。
「それで、凶器は」
「このベンチの背もたれ。鉄パイプです」
「これか、鑑識に急いで調べてもらおう」
松原さんは傷だらけの黒いガラケーを取り出して電話をかける。
「奈津子、上にいる鑑識を中庭に頼む」
『了解です!先輩』
そして、パタリと閉じた。
「名探偵、よく見つけたな。あとは、犯人の特定か」
「そこなんですよね」
鑑識が来てから、鉄パイプのボルトを緩めてそっと取り外した。
そして、鑑識が袋に入れる刹那、パイプから何かがポトっと落ちた。
鑑識は気が付いてないようだったが僕は確かに捉えていた。
鑑識がまた、上に行ってから、何かが落ちたところへ行くと、ICチップが落ちていた。
自分の記憶を頼りにそのチップの電子回路を分析していった。
「松原さん、メモリーカードが見つかりましたよ」
「本当か!データがあるか早く確認しよう。名探偵!」
「すぐには無理です、破損しているので。ですが、データの取り出しだけならできたはずです」
「おお、そうか、ならそれを早くやろう」
松原さんが急いで中に入っていく姿を見ると、トレードマークの松ぼっくりの天然は雨によってぺたんと梳けて、おかっぱ頭になっていた。
雨でカッパに化けるのか、それとも雨でカッパに戻ってしまうのだろうか。
それもまた、小さな謎である。
体育館に戻ると、ビデオカメラを持ってきて、メモリーカードの接合部がフィットするようにセットした。
そして、演劇『地を這う胡蝶』と書かれた最新のファイルを再生した。
そして、暗い部屋のようなものが映し出される。
『やぁ、こんにちはー。犯罪コーディネーターの黒部だよー!この動画が見られているってことは、彼の犯罪は甘かったって事だね。
まぁまぁ、推理を楽しんでくれよ!探偵君』
そのムービーに現れたのは、白黒の道化師の仮面を付けた男性だった。
スーツに身を包んでおり、狂気を感じる。
犯罪コーディネーター.....。黒部。
そして、何より、僕がこの現場に来ると言うことを見抜いていたのか...。
「おい、名探偵、こいつは誰だ!」
「知らない。ただ」
あまりにも知った名前だった。
「一体誰なんだ!」
そして、動画の続きが再生された。
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