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1話 テンプレ美少女とのテンプレな出会い
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僕は岩本春樹。この春、ついに志望校に合格した、フレッシュな高校一年生だ。
中学までは僕はいわゆるぼっち体質で、地味なメガネ男子。特筆すべき特技もなくて、部活の卓球部でも輝けなかった。唯一の強みは、アニメやラノベに詳しいことくらいだろうか。暗い性格が災いしてか、友達も少なかったし、もちろん彼女いない歴=年齢だ。
でも、そんな僕でも、高校に入れば、勝手に環境が変わる事を知っている。なぜなら、ラノベの主人公は、みんな僕みたいな人間だからだ。ラノベの主人公は、特筆するような特技がなくても、イケメンでなくても、友達が少なくても、ぼっちでも、絶対的にモテる。
その特徴を全て持っている僕が、モテないはずがないのだ。
あとは、ラノベのヒロインに出てくるような美少女と隣の席になれば、僕の学園生活、いや、人生は一気に変わるはずである。
これまで人生に変化が起きなかったのは、僕には幼馴染の女の子がいなかったし、近所に綺麗なお姉さんもいなかったからだ。しかし、高校生になれば、変わる。僕はそう確信していた。高校生という職業には、それだけ奇跡を起こす力があるからだ。
幼馴染がいないのであれば、同じクラスの美少女と偶然隣の席になるなどの特別な出会いがない限り、イベントが発生しない。でも、きっと大丈夫。僕には、その素質が備わっている。
そして、今日は入学式。僕の、ラノベのような華々しいラブコメライフは、ここから始まる。
あまりにも楽しみすぎて、かなり早起きしてしまったため、学校に着いたのは、始業時間の一時間前だった。
生徒玄関に張り出されたクラス分けの表を見ると、僕は1年4組に配属されているようだった。ちなみに出席番号は4番。
教室に着くと、まだ人はいなかった。僕が一番乗りだ。
出席番号4番の席は、なんど窓際席で後ろから2番目。まさしく、ラノベ的にも理想的な配置だ。
まず、自分の席について、早速愛読しているラノベ『美少女と距離を置くには?』シリーズの第1巻を開いて、読書を開始した。このラノベは、高嶺の華である美少女に恩を売ってしまったことで、主人公のぼっち生活が掻き回されてしまうもの。
もう何回このシリーズを読み直したかわからない。カバーがよれてしまっているくらいには、読み直した。謂わば僕の教典的な本なのだ。
このラノベは、僕がWEB小説時代から応援している作家のシリーズ本で、今は7巻まで発売している。しかも、今期から、なんとアニメ化だ。来週の深夜からアニメ放送が開始されるので、復習も兼ねて読み直そうと思って持ってきたのだ。
ちなみに、復習だけが目的ではない。このシリーズは、謂わば僕がこれから送るであろうサクセスストーリーに最も近い小説なのだ。僕はきっと高校生になってからもぼっちなので、いや、ぼっちでなければならないので、ぼっち高校生がなんたるかを再度覚えておかなければならない。
なぜなら、そうしないと美少女とのイベントが発生しないからだ。変にリア充ポジにいってしまうと、美少女との出会いが阻害される可能性がある。したがって、僕はぼっち高校生を装っておくべきなのだ。
なに、ぼっちなのは最初だけだ。そのうち、美少女の友達がたくさんできて、水面下ハーレムが出来上がるので、なんの不安もない。
僕がラノベを読み始めて5分くらい経った頃だろうか。不意に教室の引き戸が開いて、綺麗なアルトが響いた。
「あれー? 一番乗りじゃなかった。悔しい~!」
ふと本から引き戸へと目を向けると⋯⋯
そこには、正真正銘、文句なしの美少女がいた。
中学までは僕はいわゆるぼっち体質で、地味なメガネ男子。特筆すべき特技もなくて、部活の卓球部でも輝けなかった。唯一の強みは、アニメやラノベに詳しいことくらいだろうか。暗い性格が災いしてか、友達も少なかったし、もちろん彼女いない歴=年齢だ。
でも、そんな僕でも、高校に入れば、勝手に環境が変わる事を知っている。なぜなら、ラノベの主人公は、みんな僕みたいな人間だからだ。ラノベの主人公は、特筆するような特技がなくても、イケメンでなくても、友達が少なくても、ぼっちでも、絶対的にモテる。
その特徴を全て持っている僕が、モテないはずがないのだ。
あとは、ラノベのヒロインに出てくるような美少女と隣の席になれば、僕の学園生活、いや、人生は一気に変わるはずである。
これまで人生に変化が起きなかったのは、僕には幼馴染の女の子がいなかったし、近所に綺麗なお姉さんもいなかったからだ。しかし、高校生になれば、変わる。僕はそう確信していた。高校生という職業には、それだけ奇跡を起こす力があるからだ。
幼馴染がいないのであれば、同じクラスの美少女と偶然隣の席になるなどの特別な出会いがない限り、イベントが発生しない。でも、きっと大丈夫。僕には、その素質が備わっている。
そして、今日は入学式。僕の、ラノベのような華々しいラブコメライフは、ここから始まる。
あまりにも楽しみすぎて、かなり早起きしてしまったため、学校に着いたのは、始業時間の一時間前だった。
生徒玄関に張り出されたクラス分けの表を見ると、僕は1年4組に配属されているようだった。ちなみに出席番号は4番。
教室に着くと、まだ人はいなかった。僕が一番乗りだ。
出席番号4番の席は、なんど窓際席で後ろから2番目。まさしく、ラノベ的にも理想的な配置だ。
まず、自分の席について、早速愛読しているラノベ『美少女と距離を置くには?』シリーズの第1巻を開いて、読書を開始した。このラノベは、高嶺の華である美少女に恩を売ってしまったことで、主人公のぼっち生活が掻き回されてしまうもの。
もう何回このシリーズを読み直したかわからない。カバーがよれてしまっているくらいには、読み直した。謂わば僕の教典的な本なのだ。
このラノベは、僕がWEB小説時代から応援している作家のシリーズ本で、今は7巻まで発売している。しかも、今期から、なんとアニメ化だ。来週の深夜からアニメ放送が開始されるので、復習も兼ねて読み直そうと思って持ってきたのだ。
ちなみに、復習だけが目的ではない。このシリーズは、謂わば僕がこれから送るであろうサクセスストーリーに最も近い小説なのだ。僕はきっと高校生になってからもぼっちなので、いや、ぼっちでなければならないので、ぼっち高校生がなんたるかを再度覚えておかなければならない。
なぜなら、そうしないと美少女とのイベントが発生しないからだ。変にリア充ポジにいってしまうと、美少女との出会いが阻害される可能性がある。したがって、僕はぼっち高校生を装っておくべきなのだ。
なに、ぼっちなのは最初だけだ。そのうち、美少女の友達がたくさんできて、水面下ハーレムが出来上がるので、なんの不安もない。
僕がラノベを読み始めて5分くらい経った頃だろうか。不意に教室の引き戸が開いて、綺麗なアルトが響いた。
「あれー? 一番乗りじゃなかった。悔しい~!」
ふと本から引き戸へと目を向けると⋯⋯
そこには、正真正銘、文句なしの美少女がいた。
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