ある日突然、知らないおじいちゃんから莫大な遺産を相続させられて、全裸の執事と地獄がもれなくセットでついてきた

橋元 宏平

文字の大きさ
30 / 68

第30話 執事からのプレゼント

しおりを挟む
 箱を持った感じ、見た目よりも軽い。
 外法そとのり(幅×高さ×奥行)は、323×95×225mmといったところか。
 ゆすっても物が動く感覚がないし、あまり音もしないから中身は服かな?
 俺は大道具とか小道具の搬入はんにゅう搬出はんしゅつを手伝ってるから、持っただけでだいたい分かる。

 箱には、カードが一枚り付けてある。
 カードには「親愛しんあいなるブレイカータイガー様」と、書かれてあった。

「ブレイカータイガー」の正体を知っているのは、執事たちだけ。
 もう、お前らの仕業しわざだってバレバレじゃねぇか。
 肝心かんじんなところが抜けている、アホアホ執事どもめ。

 アホを揃えたのも、ミッチェルの趣味かな。
 見た目重視じゅうしで、中身は二の次だったのかも。

 むしろ、執事選考面接で「アホかどうかを調べるテスト」とかあったりして。
 ミッチェルは、「残念なイケメン」が趣味だったのかもしれない。
「アホの子好き」って人は、一定層いっていそういるもんな。

 人それぞれ好みは違うし、人には言えない趣味があってもおかしくない。
「趣味なんだから、別に好きにしろよ」と、思う。
 でも、お前の趣味のせいで俺は散々苦労さんざんくろうさせられてるぞ、ミッチェル。

 それはさておき、開けてみるか。
 綺麗きれいに結ばれていた金色のリボンを解き、クリスマス模様もようの包装紙をがす。
 こういう包装紙はもったいなくて破きたくないから、セロハンテープをそ~っと丁寧ていねいに剥がしたくなる。
 包装紙を取っといたところで、何に使うって訳でもないんだけどさ。

 すると、いかにも「高いものが入っていますよ」って感じの白い箱が現れる。
 箱の中には、高級ブランドのスーツが一式入っていた。
 こんな御大層ごたいそうなもん、もったいなくって着られねぇよ。
 でも、ご主人様には立場にあったスーツを着て欲しいっていう、執事たちの願いなんだろうな。
 せっかくの好意こういだ。
 ありがたく頂戴ちょうだい(もらう)するとしよう。

 笑顔を浮かべて、執事達にお礼を言う。

「プレゼントありがとう、みんな」
「「「どういたしまして!」」」

 もう「どういたして」っつっちゃったら、「お前らから」って確定かくていじゃん。
 このアホアホ執事どもが。

「もしよろしければ、こちらをおしになられてはいかがでしょう?」
「このスーツをお召しになられたご主人様が、ぜひとも見たいです」
「きっと、似合います」

 3人から期待に満ちた目で見つめられて、俺はたじろぐ。
 うぅ……っ、そんなキラキラした目で俺を見ないでくれ。
 そんなに期待されたら、着るしかないじゃないか。

「わ、分かった。試着してみる」
「それでは、おし替えのお手伝いをさせて頂きますね」

 桜庭さくらばが言うやいなや、取り囲まれて腕が伸びてくる。

「失礼します」
「わわっ?」

 桔梗ききょうがパジャマのズボンとパンツを同時に下ろし、桜庭が上を脱がしていく。
 たちばなは、俺から脱がしたパジャマを、脱衣カゴに集めていく。

 あっという間に、俺も全裸にかれた。
 全裸の野郎が、4人になった。
 何この図?
 誰が得をするのっ?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

泣き虫だったはずの幼なじみが再会したら僕を守るために完璧超人になっていた話。

ネギマ
BL
気弱で泣き虫な高校生、日比野千明は、昔からいじめられっ子体質だった。 高校生になればマシになるかと期待したが状況は変わらず、クラスメイトから雑用を押し付けられる毎日を送っていた。 そんなある日、いつものように雑用を押し付けられそうになっている千明を助けたのは、学校中が恐れる“完璧超人”の男子生徒、山吹史郎だった。 文武両道、眉目秀麗、近寄りがたい雰囲気を纏う一匹狼の生徒だったが、実は二人は、幼い頃に離れ離れになった幼なじみだった――。

クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。

とうふ
BL
題名そのままです。 クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。

処理中です...