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15 終わりとはじまり
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俺たちは湖があるこの森に住むことに決めた。はじめは村や町がいいと思っていたが、できればクロは人の目につきたくないし、それにもし俺の素性がばれたらと考えたら、人気のない場所が最適だと判断した。
ただ衣食住、全てがなく、神殿の中で暮らしていたときより、さらに過酷だ。水があるから一日二日食わなくても死なないが、問題は食料だ。ただこれは、森の中を探索した時に、木の実や野草、きのこなどがあるのを確認した。毒に気をつければなんとかなる。
着るものは今着ている長衣のみ。寒くなったり気候の変化があるのなら、今後考えなければならない。
一番の問題は住む場所だった。木の洞などは一晩やり過ごすにはいいいかもしれないが、生活には向かない。
どこかに廃屋でもあればいいが、この森は人が足を踏み入れた形跡すらなかった。
「どうするかなー……」
この無限に生えている木を切って家を作るにも、やり方がわからない云々より、まず木を切る道具がない。
ぼんやりと考えていると、クロは俺が産んだ種の前で縦に伸びたり横に溶けたり変な動きをしている。
「クロ?」
俺は自分が産んだものを掌に乗せて、裏返したりつついたりしてみる。
「これってどう見ても種だよな」
大きさは十センチほど。種にしては大きいが、つついても硬く、重みもある。
「種ってことは植えてみるとか?」
クロは頷くように大きく飛び跳ねた。
「植えるって……どこに植えればいいんだ?」
木が密集している場所に植えても、なかなか根も張りづらいし他の木が邪魔をして上に伸びて行かないだろう。かといって湖の近くはぬかるんでいたり、雨が降って水かさが増したりしたら水没してしまう。
あまり木が生えていない、湖から適度に距離がある開けた場所を見つけ、そこに落ちていた木の棒で土を掘って埋める。
「何が出てくるんだろ? 案外普通の木だったりして」
そんなことを言っていると、種を植えた場所からいきなり双葉がにょきっと顔を出した。
「うえええ?」
驚きすぎて変な声が出る。ついさっき植えたばかりの種がすぐに芽を出すなんて信じられない。
クロは嬉しそうに飛び跳ねると、もっと大きくなれといわんばかりに体を縦に細長く伸ばした。
すると、見る見るうちに双葉から枝を伸ばし、大きく育っていく。
「いやいや……嘘だろ。これ秒速で早送りした映像だって」
俺の目の前で種だったものが、見上げても全貌が捉えられないほど天高くそびえる巨木になった。幹の太さは横幅三メートル以上ありそうだ。しかも花まで咲いている。
葉っぱは桜に似ているようにも見えるがギザギザがなく、何より花が違う。スズランのようなアセビに似た白い花だが、木も大きければ花も大きい。その花から嗅いだことのない涼やかな芳香が漂ってくる。
「すっげー……」
クロは遊んでいるように巨木によじ登っていく。いきなり太い幹が左右に割れた。
「え? 何これ? クロ!?」
クロが中に入って行ったので、俺も慌てて後を追う。
中は空洞になっていて、俺やクロが上りやすいように螺旋階段になってる。
幹の穴のようなところから外の明かりが差し込み、足元は明るいが上を見上げても暗くて見えない。
「クロ、どこに行くんだよ」
俺の呼びかけにも答えずに、クロはリズミカルに飛び跳ねて階段を上った。
そして、開けた場所に出た。
中は二畳ほどの狭い場所だったが、天井が高く、小窓のような外を眺めるものが左右についている。
木の中にしては、驚くような空間だ。
ここなら横になって眠れる。雨に当たることもない。風が強い日も凌げる。
「もしかして、ここが俺たちの家か?」
クロは俺の胸に飛び込んできた。
思わずバランスを崩して転びそうになったが、いきなり木の壁が膨らみ、俺の背中を支える。足元を見ると、俺たちがのぼってきた階段がなくなっていた。
「お前、生きているのか? いや……生きてるってのはおかしいか? 動けるのか?」
木に向かって問いかけると、壁がうねうねと動く。なくなっていた階段が再び現れたのには驚いたが、どことなくクロが時々見せる変な動きに似ていたので、俺は思わず笑ってしまった。
夜になり、どこから集まってきたのか、この木の周りに尻を光らせながらふわふわ飛び回る蛍のような虫が飛び始めた。
幻想的な虫は、小窓からも中に入ってくるが、睦みあう俺とクロの邪魔にはならない。
「あっ……クロ……もっと」
俺が強請ると、クロが体を触手のように伸ばして、つんと立った乳首に巻き付く。下半身もクロに貫かれ、大きく膝を開きあられもない姿を晒したまま、勃起したものを手で擦った。
「クロ……ん……好き……気持ちいい」
舌にもクロが絡んできて、俺はうっとりと愛撫を任せる。
中を擦るクロのものが重量を増してくる。動きも早くなり、俺は「あっあっあっ」と悲鳴に近い声を上げて腰を揺らした。
「いく! いくっ!」
俺は体を震わせて迸らせる。同時に体の奥に冷たいものが流れてくるのを感じてクロも達したのだと知った。
絶頂へとのぼってもやんわりと萎えた先端から断続的に白濁が溢れてくる。尻の穴を緩めたり引き締めたりして、クロの感覚を楽しんでいると、穴からクロの体液がどろりと溢れてきて、床に広がった。
俺はけだるげに上半身を起こし、足を開いて片膝をつく。
クロが体液と共に股下に垂れ下がっていて、俺が尻を振ると大きく揺れる。一体どのくらいの量を俺の中に出したのかまた体液が溢れてきて、内股を伝いねっとりと糸を引いて床に滴る。
クロが振り落とされないように体を小刻みに震わせた。
「あっ……」
それにすら感じてしまい、艶めいた声をあげると、クロが再び動き出した。
堪らずに四つん這いになって尻を高く上げる。
萎えていたものも硬さを増し、嬌声を上げてよがる。
涙が滲んだ目に、浮遊する明かりに照らされて木の壁が蠢いているのが見える。
小窓から入ってくる風は甘い花の香りを運び、快感も相まって酩酊感を覚えた。
俺の新しい生活、新しい世界は、これからはじまるのだ。
終わり
ただ衣食住、全てがなく、神殿の中で暮らしていたときより、さらに過酷だ。水があるから一日二日食わなくても死なないが、問題は食料だ。ただこれは、森の中を探索した時に、木の実や野草、きのこなどがあるのを確認した。毒に気をつければなんとかなる。
着るものは今着ている長衣のみ。寒くなったり気候の変化があるのなら、今後考えなければならない。
一番の問題は住む場所だった。木の洞などは一晩やり過ごすにはいいいかもしれないが、生活には向かない。
どこかに廃屋でもあればいいが、この森は人が足を踏み入れた形跡すらなかった。
「どうするかなー……」
この無限に生えている木を切って家を作るにも、やり方がわからない云々より、まず木を切る道具がない。
ぼんやりと考えていると、クロは俺が産んだ種の前で縦に伸びたり横に溶けたり変な動きをしている。
「クロ?」
俺は自分が産んだものを掌に乗せて、裏返したりつついたりしてみる。
「これってどう見ても種だよな」
大きさは十センチほど。種にしては大きいが、つついても硬く、重みもある。
「種ってことは植えてみるとか?」
クロは頷くように大きく飛び跳ねた。
「植えるって……どこに植えればいいんだ?」
木が密集している場所に植えても、なかなか根も張りづらいし他の木が邪魔をして上に伸びて行かないだろう。かといって湖の近くはぬかるんでいたり、雨が降って水かさが増したりしたら水没してしまう。
あまり木が生えていない、湖から適度に距離がある開けた場所を見つけ、そこに落ちていた木の棒で土を掘って埋める。
「何が出てくるんだろ? 案外普通の木だったりして」
そんなことを言っていると、種を植えた場所からいきなり双葉がにょきっと顔を出した。
「うえええ?」
驚きすぎて変な声が出る。ついさっき植えたばかりの種がすぐに芽を出すなんて信じられない。
クロは嬉しそうに飛び跳ねると、もっと大きくなれといわんばかりに体を縦に細長く伸ばした。
すると、見る見るうちに双葉から枝を伸ばし、大きく育っていく。
「いやいや……嘘だろ。これ秒速で早送りした映像だって」
俺の目の前で種だったものが、見上げても全貌が捉えられないほど天高くそびえる巨木になった。幹の太さは横幅三メートル以上ありそうだ。しかも花まで咲いている。
葉っぱは桜に似ているようにも見えるがギザギザがなく、何より花が違う。スズランのようなアセビに似た白い花だが、木も大きければ花も大きい。その花から嗅いだことのない涼やかな芳香が漂ってくる。
「すっげー……」
クロは遊んでいるように巨木によじ登っていく。いきなり太い幹が左右に割れた。
「え? 何これ? クロ!?」
クロが中に入って行ったので、俺も慌てて後を追う。
中は空洞になっていて、俺やクロが上りやすいように螺旋階段になってる。
幹の穴のようなところから外の明かりが差し込み、足元は明るいが上を見上げても暗くて見えない。
「クロ、どこに行くんだよ」
俺の呼びかけにも答えずに、クロはリズミカルに飛び跳ねて階段を上った。
そして、開けた場所に出た。
中は二畳ほどの狭い場所だったが、天井が高く、小窓のような外を眺めるものが左右についている。
木の中にしては、驚くような空間だ。
ここなら横になって眠れる。雨に当たることもない。風が強い日も凌げる。
「もしかして、ここが俺たちの家か?」
クロは俺の胸に飛び込んできた。
思わずバランスを崩して転びそうになったが、いきなり木の壁が膨らみ、俺の背中を支える。足元を見ると、俺たちがのぼってきた階段がなくなっていた。
「お前、生きているのか? いや……生きてるってのはおかしいか? 動けるのか?」
木に向かって問いかけると、壁がうねうねと動く。なくなっていた階段が再び現れたのには驚いたが、どことなくクロが時々見せる変な動きに似ていたので、俺は思わず笑ってしまった。
夜になり、どこから集まってきたのか、この木の周りに尻を光らせながらふわふわ飛び回る蛍のような虫が飛び始めた。
幻想的な虫は、小窓からも中に入ってくるが、睦みあう俺とクロの邪魔にはならない。
「あっ……クロ……もっと」
俺が強請ると、クロが体を触手のように伸ばして、つんと立った乳首に巻き付く。下半身もクロに貫かれ、大きく膝を開きあられもない姿を晒したまま、勃起したものを手で擦った。
「クロ……ん……好き……気持ちいい」
舌にもクロが絡んできて、俺はうっとりと愛撫を任せる。
中を擦るクロのものが重量を増してくる。動きも早くなり、俺は「あっあっあっ」と悲鳴に近い声を上げて腰を揺らした。
「いく! いくっ!」
俺は体を震わせて迸らせる。同時に体の奥に冷たいものが流れてくるのを感じてクロも達したのだと知った。
絶頂へとのぼってもやんわりと萎えた先端から断続的に白濁が溢れてくる。尻の穴を緩めたり引き締めたりして、クロの感覚を楽しんでいると、穴からクロの体液がどろりと溢れてきて、床に広がった。
俺はけだるげに上半身を起こし、足を開いて片膝をつく。
クロが体液と共に股下に垂れ下がっていて、俺が尻を振ると大きく揺れる。一体どのくらいの量を俺の中に出したのかまた体液が溢れてきて、内股を伝いねっとりと糸を引いて床に滴る。
クロが振り落とされないように体を小刻みに震わせた。
「あっ……」
それにすら感じてしまい、艶めいた声をあげると、クロが再び動き出した。
堪らずに四つん這いになって尻を高く上げる。
萎えていたものも硬さを増し、嬌声を上げてよがる。
涙が滲んだ目に、浮遊する明かりに照らされて木の壁が蠢いているのが見える。
小窓から入ってくる風は甘い花の香りを運び、快感も相まって酩酊感を覚えた。
俺の新しい生活、新しい世界は、これからはじまるのだ。
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