流行りのオモチャを買わされたら、そのオモチャが擬人化しました!

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第一章 日常ラブコメ編

第4話 初デートだが、ぜんぜん嬉しくない

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 初めてのデート、か。くっ! 大抵の奴は、それに胸をときめかせるけど。今の俺には、地獄以外の何ものでもなかった。
 せっかくの休みが無くなってしまうし、財布の中身もパタパタと飛んで行ってしまう。挙げ句の果てには、今年のお年玉(+α)も……はぁ。
 
 俺は憂鬱な顔で、隣の彼女を見、そしてまた、自分の正面に視線を戻した。
 
 彼女は俺の右腕に、自分の左腕を絡めた(胸の感触が柔らかかった事は、死んでも言えない)。

「良い天気ね」

「ああ。本当に」

 イラッとする程、良い天気だ。二日前の木曜日は、あれだけ降っていたのに。金曜日の午後から晴れだして、今日の朝にはもう、見事なまでに晴れ渡っていた。

「ずっと降っていりゃ、良かったのに」

 隣の彼女に気付かれぬよう、小声でボソッと呟く。

 俺はズボンのポケットに手を入れ、服屋の列に嫌々ながらも並んだ。

「ったく、何がセールだよ? 虫みたいに群がりやがって」と言う文句を……くっ、言えるわけがない。自分の周りを見れば、女共の怒りは流石に買いたくなかった。
 俺の隣に並ぶ、とびっきりの美少女も含めて(男共の視線が怖い。胃に穴が開きそうだ)。こいつは服屋のセールを知ってから、まるで人が変わったかのように、俺の腕を掴んで「お願い! 新しい服が欲しいの!」と連呼もとへ、懇願しつづけた。
 
 俺はその願いに折れて(こいつの服、マジでアニメのコスプレみたいだからな)、デートに必要な軍資金を下ろし、リア充連中が群がる町の服屋に足を運んだのだった。
 
 彼女は、俺に「クスッ」と笑った。

「時任君」

「ああん?」

「何でも無い」

「は?」

 何でも無いなら、わざわざ話しかけるなよ。

 俺は自分の頭を掻きつつ、前の連中が進むのを待った。前の連中は、三十分くらいで進んだ。店の中に次々と消えて行く客達。この位置からでは良く見えないが……ううっ、入りたくねぇ。店の中には、その商品に目を輝かせる女達と、その女達に目を輝かせる男達で溢れている。
 
 俺はその光景に溜め息をついたが、ラミアが俺の手を掴むと、その溜め息を忘れて、隣の彼女に視線を思わず向けてしまった。

「な、ん」の声が無視されたのは、言うまでもない。

 彼女は俺の手を強引に引っ張ると、俺に買い物籠を持たせて、店の中をぐるぐると周り、気に入った服があったら、買い物籠の中にそれらを次々と放り込んでいった。

 俺は、その勢いにただただ驚いた。

 買い物が終わったのは……たぶん、11時半くらいだろう。スマホの画面で時間を確かめようと思ったが、俺がスマホの画面を点けようとした瞬間、会計を終わらせたラミアが、俺の両手に買い物袋を持たせて、服屋の外に「行きましょう」と引っ張ってしまった。

「お前なぁ。ちょっとは、俺の」

「事も考えた。だから、安い服しか買っていない」

「え?」

 ラミアは、俺に今回のレシートを見せた。レシートに書かれた総額は……なるほど、確かに安い。あれだけの物を買った割には、恐ろしく低価格に抑えられていた。

 彼女は、俺に「クスッ」と笑った。

「自分のお金で買ったわけじゃないから」

 俺は、彼女の謙虚さに胸を打たれた。強引なように見えて、ちゃんと俺の事を考えている。俺の財政が決して苦しまないように、その使用にも知恵を働かせていた。

 俺は、買い物袋の持ち手を握りしめた。

「ラミ」

「時間も時間だし、昼ご飯を食べに行きましょう」

「え? でもお前、飯は食わないんじゃ?」

「食事は、私にとっては娯楽だから。別に食べられないわけじゃない」

「ふ、ふうん、そう。まあ、丁度良い時間だし。行くか」

「ええ」

 彼女は「クスッ」と笑って、俺の足を促した。
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