よろず恋花(こいばな)

伊織 蒼司

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むずむず R18

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 明日から怪我をしたきはだと柑子の看病に行ってくるね。怪我が酷いみたいで大変らしいんだ。たぶん泊り込むことになるから、しばらくは…」
 「ここには戻ってこられないんだろ」
 「知ってたの?セツ」
 「ああ。あいつに聞いた」
 「そっか。けっこう仲良いんだね、紅さまとセツって」
 「んな訳ねえよ。み空は俺の大事な嫁だから、前もって俺の了承が欲しいって言われてさ」
 「ふふ。紅さまらしい」
 「俺のことは心配するな。寂しいけど我慢するよ。
 俺にだって、大事な嫁をちょっと貸すくらいの器量は持ち合わせてるんだ」
 「早く良くなるように、僕、一生懸命世話してくるね」
 「ああ、早く戻って来い。俺のところに」
 「俺も、その間ちょっと離れたところに仕事に行くことになったんだ。み空の看病が終わる頃には俺も戻るから」
 セツが何でもないことのようにみ空に説明をして、いつもの様に無邪気な笑顔を向けた。

 二人は毎日の日課になった揺り椅子に揺られていた。

 「たまにね、むずむずする時があるの」
 「どこが?」
 み空がセツの肩口に頭を預けたまま目線をセツに向けた。
 セツがみ空の目を覗き込んだ。
 「セツが…いつも、触ってる、とこ」
 恥じらいながらもみ空がセツに告げた。セツが触るのはみ空のだらしなくくたびれたオスと、だいぶ小さくなった二つの丸みであった。初夜のあの日、み空の恥部であるその部分を『オレ』の物だとセツが宣言し、み空にすら触るのを許さないほど溺愛していた。そして毎日そのオレを愛して可愛がると決めたセツが、み空が熱を出した日以外は毎日実行していた。
 み空が熱を出した日、紅に揺り椅子を譲り受けてから、み空の体に負担をかけぬ様に二人はずっとこの揺り椅子での体の交わりを続けていたため、夕食後から朝の目覚めまで揺り椅子でセツは『オレ』を可愛がっていた。
 み空は体の中も外もセツの熱と鼓動を感じられるこの揺り椅子に揺られている間が一番安心できた。

 「痛くは無いか?」
 「痛いとかじゃなくて、むしろ気持ちいい…までじゃない、けど」
 「けど?」
 「んんーー。むずむず、するの」
 表現のしようが無いのだろう、み空が困ったように口角を下げた。
 「痛くなったら俺か、あいつにすぐ言えよ。ああ、でも明日からは看病か」
 オレを可愛がりながら、セツが薬指の腹で、右手にある膨らみの付け根の少し下の辺りを指圧のように軽く押した。
 「あん」
 「ここ、もしかして気持ちよかった?」
 セツは連続して薬指に力を入れた。
 「あん、あ。セツ、そこむずむずして気持ちいい」
 「ふっ、可愛い。今日からここも『オレ』の仲間入りだね。たくさん愛してあげる」
 セツがゆっくりと突き上げを始めた。

 「セツ、イキそう。イ、イクッ」
 「今日は早いね。明日からの分まで今日はたくさんしようね」

 み空の柔らかい髪に口づけした後、セツは何度もみ空を高みへと連れて行った。

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