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第三部
Ⅵ
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白いチャペルの扉がゆっくりと開き、光が差し込む。
俺は純白のタキシードに身を包み、お父さんと腕を組んで一歩ずつ歩き出す。
長いバージンロード。
その先には、静かに立つ迅さんがいる。
まっすぐに見つめるその眼差しが、優しくて、温かくて、胸の奥が熱くなる。
(……俺、本当にここまで来たんだ)
一歩、また一歩。
足音が響くたび、涙がこぼれそうになる。
お父さんがそっと手を離し、俺の背を押す。
「幸せになれよ」――その声を聞いて、俺はうなずいた。
迅さんが手を差し出す。
その手を取った瞬間、指先が少し震える。
花の香りと、誰かの小さな嗚咽のような息遣い。
そのすべてが、直樹には夢のように感じられた。
「……それでは、誓いの言葉を」
牧師の声に、俺は小さくうなずき、震える息を整えた。
目の前には、真っすぐに見つめてくれる迅さん。
白いタキシード姿のその人が、少し口元をほころばせて頷く。
――大丈夫、というように。
俺は息を吸って、かすかに笑う。
「……俺、直樹は、
いつも自分のことをうまくできなくて、迷惑かけてばかりだけど、
これからは、迅さんと一緒に笑って、
泣いて、ちゃんと支えあっていけるように
――ずっと、傍にいて、愛していくことを誓います」
言い終えた瞬間、涙がひとすじ頬を伝う。
迅さんが静かに頷き、そっとハンカチを差し出す。
「……ありがとう、直樹」
次に迅さんが誓いの言葉を口にする。
牧師が静かに頷き、俺たち二人を見つめる。
俺の頬には、誓いの途中から流れた涙のあとが光っていた。
言葉を終えて、少し恥ずかしそうに笑う。
その姿を見て、迅さんはゆっくりと息を吸い込み、
真っ直ぐに俺を見つめた。
「直樹」
「君と出会って、毎日が変わった。
どんなに疲れて帰っても、君の顔を見ると、それだけで安心できた。
いつの間にか、君がいることが、俺の“日常”になっていた。
これからも、一緒に笑っていこう。
時には喧嘩しても、ちゃんと話して、また笑い合えるように。
俺は、君を信じて、君と生きることを誓う」
その言葉に、俺は、また涙がこぼれる。
涙をぬぐおうとして、笑って、でもやっぱり泣いてしまう。
参列している人々も、思わず目頭を押さえていた。
落ち着いた声がチャペルの中に響き、
そのたびに、胸の奥にやわらかな熱が広がっていく。
そして――
「それでは、指輪の交換を」
俺は両手で小さなリングケースを開く。
緊張で少し指が震えていた。
迅さんの左手を取って、指輪をそっと滑らせる。
――その瞬間、迅さんが目を細めた。
指輪の内側に刻まれた、サプライズの文字を見たのだ。
『ずっと一緒に』
迅さんの唇がふっと緩む。
そして、自分も指輪を取って、俺の薬指へ。
同じ刻印がそこにもあった。
直樹の視界が一瞬、涙で滲む。
思わず声をこぼす。
「……おんなじだ」
「当然だろ」
迅さんが微笑んで、そっと囁く。
「お前がいない未来なんて、俺は考えられない」
涙が止まらなくなった俺を、迅さんが優しく抱き寄せた。
チャペルにざわめきが起こり、やがて静寂の中で。
「――誓いの口付けを」
俺が顔を上げると、迅さんがゆっくりと近づく。
額と額が触れ合い、短い沈黙のあと。
唇が、やさしく触れた。
拍手が湧き起こる。
光が差し込む中で、思った。
――ああ、俺、ちゃんと幸せになれたんだ。
涙で滲む景色の中で、
迅さんの笑顔だけが、まぶしく、はっきりと見えていた。
俺は純白のタキシードに身を包み、お父さんと腕を組んで一歩ずつ歩き出す。
長いバージンロード。
その先には、静かに立つ迅さんがいる。
まっすぐに見つめるその眼差しが、優しくて、温かくて、胸の奥が熱くなる。
(……俺、本当にここまで来たんだ)
一歩、また一歩。
足音が響くたび、涙がこぼれそうになる。
お父さんがそっと手を離し、俺の背を押す。
「幸せになれよ」――その声を聞いて、俺はうなずいた。
迅さんが手を差し出す。
その手を取った瞬間、指先が少し震える。
花の香りと、誰かの小さな嗚咽のような息遣い。
そのすべてが、直樹には夢のように感じられた。
「……それでは、誓いの言葉を」
牧師の声に、俺は小さくうなずき、震える息を整えた。
目の前には、真っすぐに見つめてくれる迅さん。
白いタキシード姿のその人が、少し口元をほころばせて頷く。
――大丈夫、というように。
俺は息を吸って、かすかに笑う。
「……俺、直樹は、
いつも自分のことをうまくできなくて、迷惑かけてばかりだけど、
これからは、迅さんと一緒に笑って、
泣いて、ちゃんと支えあっていけるように
――ずっと、傍にいて、愛していくことを誓います」
言い終えた瞬間、涙がひとすじ頬を伝う。
迅さんが静かに頷き、そっとハンカチを差し出す。
「……ありがとう、直樹」
次に迅さんが誓いの言葉を口にする。
牧師が静かに頷き、俺たち二人を見つめる。
俺の頬には、誓いの途中から流れた涙のあとが光っていた。
言葉を終えて、少し恥ずかしそうに笑う。
その姿を見て、迅さんはゆっくりと息を吸い込み、
真っ直ぐに俺を見つめた。
「直樹」
「君と出会って、毎日が変わった。
どんなに疲れて帰っても、君の顔を見ると、それだけで安心できた。
いつの間にか、君がいることが、俺の“日常”になっていた。
これからも、一緒に笑っていこう。
時には喧嘩しても、ちゃんと話して、また笑い合えるように。
俺は、君を信じて、君と生きることを誓う」
その言葉に、俺は、また涙がこぼれる。
涙をぬぐおうとして、笑って、でもやっぱり泣いてしまう。
参列している人々も、思わず目頭を押さえていた。
落ち着いた声がチャペルの中に響き、
そのたびに、胸の奥にやわらかな熱が広がっていく。
そして――
「それでは、指輪の交換を」
俺は両手で小さなリングケースを開く。
緊張で少し指が震えていた。
迅さんの左手を取って、指輪をそっと滑らせる。
――その瞬間、迅さんが目を細めた。
指輪の内側に刻まれた、サプライズの文字を見たのだ。
『ずっと一緒に』
迅さんの唇がふっと緩む。
そして、自分も指輪を取って、俺の薬指へ。
同じ刻印がそこにもあった。
直樹の視界が一瞬、涙で滲む。
思わず声をこぼす。
「……おんなじだ」
「当然だろ」
迅さんが微笑んで、そっと囁く。
「お前がいない未来なんて、俺は考えられない」
涙が止まらなくなった俺を、迅さんが優しく抱き寄せた。
チャペルにざわめきが起こり、やがて静寂の中で。
「――誓いの口付けを」
俺が顔を上げると、迅さんがゆっくりと近づく。
額と額が触れ合い、短い沈黙のあと。
唇が、やさしく触れた。
拍手が湧き起こる。
光が差し込む中で、思った。
――ああ、俺、ちゃんと幸せになれたんだ。
涙で滲む景色の中で、
迅さんの笑顔だけが、まぶしく、はっきりと見えていた。
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