拝啓、聖騎士様。もうすぐ貴方を忘れるから離縁しましょう~履いてない!?聖女逃亡手記~

花虎

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35.おかえり

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真剣にその黒曜石の瞳を見つめると、みるみるうちにまたリナリアの顔が真っ赤になる。
 それはつまり、胎の中に子種を出したいということと同義だ。
 本当に夫婦になること、の意味に気づいて、リナリアは恥ずかしくなったのだろう。だけど、それでも彼女はこくりと小さく頷いた。
 フィグルドはめちゃくちゃにしたいという衝動が湧き上がるのを抑え込みながら、リナリアのわきの下に手を入れるとひょいと持ち上げ、自分の剛直の真上に乗せた。十分膨らんだ竿と、濡れそぼったあわいが触れあう。リナリアの腰を掴んで、その淫水を肉棒にまとわりつかせるようにぬりゅぬりゅと動かした後、散々施した前戯で柔らかくなった膣口に切っ先をぴとりとくっつける。
 
「挿れるぞ」
 
声をかけた後、リナリアの腰を支えていた腕をゆっくりと降ろしていく。
 
 ずぷぷっ
 
隘路をこじ開けるように、まさに熱杭がリナリアの身体を貫いた。
 
「んん……っ」
 
押し広げられる感覚と、自重で今までよりも早く。

ずぷんっ
 
最奥へと届いた。
 なんだか、正面から挿れられている時よりも、身体の中にはっきりとフィグルドの存在を感じる。大きくて、みちみちと自分の中を満たして広げようとするような、強引な感覚。あんな大きなものが自分を貫いているのだと思うと、信じられない。
 
「リナ……」
 
フィグルドの呼びかけに、キスを求められていることを察して、リナリアは素直にその唇を重ねた。
 互いの舌を絡め、吸い上げ合いながら、フィグルドがゆさり、と下から腰を突き上げる。
 自分の身体が跳ねるように浮いて、再び内壁を擦り上げながら最奥へ切っ先が届く。驚いて唇を離すリナリアに、フィグルドの口角があがる。
 リナリアの両手を自分の肩に置かせると、フィグルドは細い腰を掴んで容赦なく腰を突き上げた。
 
 ごちゅっ
 
「……ぁ……っ」
 
その度に、リナリアは身体ごと浮いて、自重で落ちる。

 ごちゅっごちゅっごちゅっ
 
「ぁ……っぁ……っん……っ」
 
うさぎのように跳ねながら熱杭を何度も打ち付けられる。全身が粟立って、喉がのけ反る。子宮口が膨らんだ亀頭に潰されてぶつかるたびに腹の奥に熱がはじけて、目尻に生理的な涙が浮かんで、零れる。
 
「や……ぁ……っ」
 
啼き声のような嬌声があがり、フィグルドの興奮と劣情を煽っていく。
 優しくしたいのに、もっと啼かせたい、快楽に狂わせたい、君に、自分だけを感じさせたいと狂暴な衝動が襲う。
 まるで、好物を前にした猛獣だ。涎を垂らしながら、その柔らかい肌にいつ牙をたてようかと狙っている。
 
 ごちゅっごちゅっごちゅっ
 
無防備にもその白い喉元を晒す獲物の首に、食らいつきたい。フィグルドの怒張がさらに中で膨張し、その瞳の瞳孔が、興奮に縦に細長くなる。
 食いしばった唇の間から、涎が溢れ、フィグルドは本能のままにリナリアの首筋に噛みついた。
 そのまま拘束するようにリナリアの背中に両腕をまわしきつく抱きしめながら、突き上げる動きを強く、激しくした。
 最奥にある性感帯を押しつぶし、何度も何度も攻め立てて嬲った。
抑えつけらえて動けないリナリアは、強制的に送られ続ける強烈な快楽と、噛まれた痛みが交じり合い、全身の中に膨らみきった熱が、脳を焼いた。

 ごちゅっごちゅっどちゅっどちゅっどちっどちっ
 
「ぁ……あぁ――――――――――っ」
 
腕の中で、リナリアの熱が限界を迎え、身体をびくんっと硬直させて絶頂する。全身に力が入り、同時に内壁が中の怒張もきつく絞り上げる。
 リナリアをかき抱いたまま、フィグルドはその子宮に熱く濃い白濁液を放出した。




 フィグルドはハッと我に返り、噛んでいた口を外した。だが、リナリアの柔肌にはっきりと歯形がついていて、慌てる。
 
「すまない……リナ……ッ」
 
慌ててリナリアの顔を覗き込むと、その表情は恍惚としていて、ぽやんとどこかに意識が飛んでいる。
 緩慢な動きでフィグルドと視線を合わせると、彼女はとろりと相好を崩した。
 
「きもち……よかったぁ……」
 
えへへ、とこぼしたリナリアに、フィグルドの理性の糸が、完全にぷつり、と切れた音がした。
 リナリアの身体をそのまま抱えて反転させると、今度はクッションを背中にして、挿れたままの自身の分身が、すでに復活し始めていることを認識する。
 ぽやぽやと快感の余韻で意識を飛ばしているリナリアにキスの雨を降らせながら、ゆるゆると再び腰を動かした。
 
 とちゅ、とちゅ、とちゅ

緩く優しい刺激が心地よいのか、リナリアは律動に身を任せながら口づけに応えてくれる。
 たっぷり出した自分の精液のおかげで動きやすくなった隘路の中で、陰茎を擦り上げ、硬さを取り戻していった。
 十分な硬さと質量が戻ったところで、少し腰のストロークを大きなものに変化させる。おそらくリナリアは最奥だけでなく、この狭い隘路を擦り上げられるのも好きだ。
 ほら、もう快楽に声が漏れ出している。
 
「ふ……っん……っん……っ」
 
 白い首筋の歯形を見ると、申し訳ない気持ちと同時に、興奮が湧き上がってくるのだからどうしようもない。
 この獲物は自分のものだ、とマーキングした獣のような感覚だ。
フィグルドは歯形のついたところを癒すように舌で舐め上げると。上半身を起こし、リナリアの細い足首を掴んで広げさせた。先ほどの対面座位では突けなかった角度を集中的に攻める。
 
 ばちゅっばちゅっばちゅっ

「ぁ……っあ……っ」
 
感じ入るように瞼を閉じて、揺さぶられるまま嬌声を漏らすリナリアに、もっと気持ちよくなってほしくて、親指を唾液で濡らすと充血して赤くふくらみきった神経の蕾を押しつぶした。
 
「ぁん……っ」
 
きゅ、と内壁が締まる。気持ち良さそうな反応に、くるくると円を描き花芯も愛撫しながら腰を打ち付ける速度をあげていく。

 ばちゅっばちゅっばちゅっ
 
もっと深くつながりたいという欲望が頭を擡げて、リナリアの片足を自分の肩に担ぐと、互いの秘所がぴったりとくっつく体勢になる。片足をあげなければいけない体勢は少し辛いかもしれないが、快楽にほとんど正常な判断を飛ばしている今のリナリアならおそらく問題ない。
 
 快楽に弱いところも、最高に可愛いな……リナは
 
 はぁ、と一度熱い吐息を吐いてから、フィグルドはぐっとさらに奥に押し込めるように腰を突き入れた。それから、わざと彼女の恥丘と自分のそこをぶつけて強めに打ち付ける。
 
 ばちゅんっばちゅんっばちゅんっ
 
体毛がないことによって、彼女の媚肉を自分の欲望がめくりあげ、蹂躙するのが良く見えて視覚的にもたまらない。激しく出し挿れすると、先ほど放った精液が中から零れてきて、愛液と混じり泡となっている。
 この清廉とした可愛らしい顔のリナリアが、快楽に溺れ、下半身に男の欲望を咥えこんで、その穴から涎を垂らしている光景は、どこまで背徳的で、淫靡で、美しいのだろう。

 もしかしたら、俺は最初から、君の純粋で可愛らしい顔にかくれた、男を惑わす小悪魔的な魅力にも、同時に惹かれていたのかもしれない――――
 
 そう考えると、何もかもがぴったりとハマる。フィグルドが怖いといいながら、彼女はフィグルドに興味を示すのだ。
 獣の本能として、逃げれば追いたくなる。そんな男を翻弄するように、能力行使という理由で誘惑してくるくせに、近づくと逃げる。手に入れたと思ったら腕の中からすり抜ける。
 
 君は……きっとそれを無意識にやっている……
 
 ばちゅんっばちゅんっばちゅんっ
 
思いのたけをぶつけるように内壁を抉り、最奥をぐりぐりと押しつぶす。何度も達した身体は快楽に従順になり下がり、少しの刺激でも再び全身に熱を巡らせる。
 下腹部に籠った熱が、内腿を震わせ、まるで全身が性感帯になったのではないかと錯覚するくらい、リナリアは突き上げられるまま嬌声を上げ続けた。

「あ……っあ……っあ……っ」
 
もう揺さぶられることしかできないリナリアは、狭窄する視界の中で、必死でフィグルドに向けて手を伸ばし、絞り出すように、言葉を紡いだ。
 
「フィグ……、大好き……私と、夫婦に……なって―――……ん……っ……ください……」
 
 一瞬、ぴたっとフィグルドの腰が止まり、伸ばされた手と手を合わせて指を絡ませると、シーツに縫い付けた。そしてすぐに、さらに激しいピストンがリナリアを襲った。
 
 ばつんっばつんっばつんっばつっばつっ
 
 目の前に火花が散って、リナリアはもう自分が何を感じているかもわからないくらい膨らんだ快楽の風船がはじけ飛び、真っ白な世界に、放り出された。
 
「あ……あぁ―――――――っ」
 
 そうして、リナリアが全身を震わせ絶頂し、再度フィグルドの濃い欲望の奔流が、彼女の胎の中を満たし、溢れさせた。
 
 達すると同時に意識を失ったリナリアの額に、そっと口づけて。
 
「おかえり、リナ」
 
静寂の中に落ちたフィグルドの声音は、愛と幸福に満ちていた。




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