吸血鬼の花嫁です

蘭桜

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十章

悪夢

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イライザさんに会ってから約一週間……
あれからよくイライザさんが来る
何故かって?そりゃ私に嫌みを言う目ためによ!
この前なんて
「こんな人を選ぶだなんて………シャル様って見る目がないのでしょうか?……あら貴方のことではございませんのよ」
知らないよ!私に聞かないで!否定はしませんがね!
「さ、さぁ」
ってごまかしたら欺くように笑ってくるし!
もう嫌だー!!!!
「はぁ、今日も来るのかな……」
憂鬱だ……ただでさえ…シャルさんの愛人で……嫌なのに…
愛人に毎日会うって……しんどい……
「……大丈夫か…雪…」
「シャルさん……」
後ろを振り向くとシャルさんがいた…
こんな姿見られたくない…
「だ、大丈夫……ですよ」
ほんとは辛い……
何故か泣きたいくらい……
「何かされたら言え」
……言えるわけない…
言ってる途中で泣いちゃうかも…
「何もされませんよ…」
そうであってほしいけど……
「……………」 
「シャルさん?」
ジッと黙って扉をにらんだ
すると扉が開いた……イライザさんだ……
「ごきげんよう…」
「こ、こんにちは……」
「用がないなら帰れ…あと嫌みだけを言いに来たなら…」
「あら、嫌みだなんて…」
あれは嫌みじゃないんかい!
「とっとと帰れ」
イライザさんが泣きそうな目をした…
そして下唇を噛み
「今日は、失礼しますは…」
もうこなくてもかまいません…
てこ、愛人なのにこんなに意地悪でいいの?
そんな疑問を持っていると
「ごめんな……つらい思いさせて…」
え……じゃ、あの人が愛人って認めるんですか?
「いえ……」
涙出そう……
辛い……つらいよ……胸が…痛い……
「雪っ!?」
体がいうこと聞かない……意識が……
意識がそこで途絶えた……



目が覚めると部屋にいた……
あれ、なんで?確か…広間にいて……
あぁ、そっか…私…倒れたんだ……
「目が覚めたか?」
声がした方を見ると手にコップを持っているシャルさんがいた
「あ、はい」
返事をすると私にコップを差し出してきた
「飲め」
コップを受け取り飲んだ
「……おいしい…」
飲んだのを確認してからベットの近くにあるいすに座った
「軽い貧血みたいなものだ……最近ろくに食事をしてないらしいが…」
うっ……イライザさんのことが気になって食欲がわいてこないんだった
「通りで血が薄いわけだ」

血で分かるの!?
「は、はぁ」
「今日は寝ろ…」
「………」
頷くとシャルさんはため息みたいなものをついて
「……おやすみ」
と言って部屋から出ていった
「疲れたな……」
………もう寝よう…
コップをサイドテーブルにおいて布団に潜り眠った


…夢………

「んんっ……」
目が覚めると訳の分からないところにいた……
「ここどこ?」
真っ白な世界に独りの私
「誰も……いない……」
ん……?声が……する……?
声がした方に近づいていくとそこにはシャルさんとイライザさんが仲良そうに話しているところだった…
え……なんで…イライザさん……が?
シャルさんの元へと歩こうとしたのに足が……動かない……なんで…
シャルさんとイライザさんは歩いていく……私の反対の方向に……
待って……待って…待って、待ってよ!!

「待って!!」
声を出すと同時に目が覚めた…
………
「夢………?」
なんなの……あの夢……
息を荒げてしてると扉が開いた
「大丈夫か?随分とうなされていたな」
シャルさん……
「いえ……大丈夫です……」
「……そうか」
…………
「……俺はしばらく留守にする…」
え?
「ど、どうしてですか?」
「……………」
「シャルさん……?」
なんで…何も言ってくれないの?
「それは、言えない」
「な…んで……?」
「なんでもだ」
イライザさんのとこですか……?
聞きたい……聞きたいのに……聞けない……
だって聞いたら聞いたで……泣きそう…
「分かりました…」
そういうとシャルさんは立ち上がり部屋から出ていった
「………ううっ」
泣いちゃだめ泣いちゃだめ
「……ううっ、ヒック…うぅぅぅ…」
泣いちゃだめなのに……
シャルさん……行かないで……
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