吸血鬼の花嫁です

蘭桜

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十一章

誘拐

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シャルさんが留守にしてから三日たった
まだ……帰ってこない…
「早く……帰ってきて……」
そんなことを思っていたら影からシキさんが出てきた
「お嬢様……お体に悪いので中にお入りください」
……コクッと頷く
それから中にはいるとシキさんが羽織るものと温かい飲み物を持ってきた
あれから毎日ベランダに出て帰りを待ってるって……
「心配しなくても帰ってきますよ」
……
「何故そういいきれるの?」
「あの方は約束を破りません」
「………別に心配なんかしてません」
「そうですか……てっきり、夫の帰りを待っているモガモガモカっ」
「ワーワーワー!」
シキさんの口に手を当ててそれ以上言わないようにした
…………約束なんて……していないもの……
破ろうと思えば破れる……
じゃ、一生戻らない?
そしたら私は……どうなる?、
泣きそう……
「ふぅ、……でわ、私はお食事の準備をして参ります…」
そう言って影に消えていくシキさんを見ながら
………人じゃないってどんな気持ち…なのかな…
「はぁ……」
なにを心配しているんだろ私
あの人のこと嫌いなくせに………
………嫌い?…あの人のこと?……ううん……違う……
私は…あの人のこと……………………きっと好きなんだ……
今更遅いって………馬鹿だな私……
今頃……シャルさんは……イライザさんと……
ギィ………
え?扉の音?……もしかして帰ってきた?
急いで階段を下り下に行くと
だれ……?
私こんな人…知らない
「あんたが、雪か?」
えっ?なんて私のこと?
「来てもらうぞ…まっ、嫌がっても連れて行くけどな」
私が逃げようとしたら上から布をかぶせられた
……誰か……助けて!!!
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