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0.私は死んでます

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私は、父親が大嫌いだった。

双葉未来ふたばみく、幼い頃に、母親は病死し、父親はお金だけはある女たらしで消息不明。
母はずっと病院で暮らしていた。父は一度も帰ってこない。家に帰れば誰もいない。親戚もいないから、周りには「可哀想」だと言われたが、母がいれば私は幸せだった。

『…何お前?あぁ…うわさのガキ?』

ある日、いつものように母の病室に向かうと知らない男の子が立っていた。母が言うには「偶然出会った子」らしい。とにかく、その男の子は、口が悪かった。全身ボロボロで、骨みたいだったが、犬みたいに吠えていた。

『あぁ、そうだ!✖️✖️くんもうちにおいでよ!未来一人だと寂しいから!』

母のそんな一言で、私はこの男の子と二人で生きてきた。口が悪くて嫌な性格をしてて、生意気だったけど、母が亡くなった日も私の隣にいてくれた。
そんな男の子も、ある日誘拐されて消えた。

あの日、私の側には誰もいなくなった。

それでも必死で生きてきて、今日の今日まで平和に暮らしていたはずだった。
だが、私は、突然何者かに殺された。

うっすら記憶に残っているのは、バラバラにされた女の子たち。

そして、なぜか死んだはずの私は、様々な種族がすむファンタジー世界…異世界に転生?してしまい、春夏秋冬虚ひととせそらという死神に命を助けられ、第二の人生を歩むことになった。

私の記憶の中にうっすら残る、にそっくりなこの男に…

虚は、その世界では有名な貴族の血を引く死神だった。兄を守るための壁として生まれ、嫌われ者として生きてきたと言う。

虚には、自身の血で治癒する能力と、他人の思考を読み、他人の精神を乗っとるという不思議な力を持っている。虚自身は、その力を気味悪がって嫌がっている。

そんな死神が、ただの人間を拾ってくれた

「…虚、行ってくるね」

「…いってらっしゃい」

虚が、私の頭をそっと撫でる。虚は、疲れた顔をしている

「大丈夫…?」

「あ、あぁ…激務なだけだ。全然見つからなくてな…」

「気をつけてね…」

虚は、優しい。そこらに倒れていた私を救い、私に生活を与えてくれた。
だが、気になる点がある。虚は、過保護で過激なメンヘラに近い何かを持っている気がする。とても嫉妬深く、私が、誰か男と話すたびに、殺意を剥き出しにしている。最近まで、少し外に出るだけでも、よほどの事がないとついていき、私を監視していた。

虚は、過保護すぎるのか、他人に対する愛情が強すぎるのか、少し異常に感じる

そして、何より気になったのが、私たちは初対面なはずなのに、虚は、私以上に私のことを知っている。

「あっ、やば。遅れちゃう」

私の名前は、双葉未来。この不思議な異世界に転生?した人間







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