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1 作戦会議
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しおりを挟む「鵤さんがっ!? 」
ヨウちゃんの話をきいて、あたしは、自分の腕を自分で抱いた。
さっきまで心地よかったエアコンの風が、今はやけに寒い。
「それに……ヒメやチチまで……。いないのは、ただ遊びに行ってるだけじゃなかったの……?」
あたしたちは書斎のゆかに、顔を合わせて座っている。あたしの向かいにはヨウちゃん。右には誠。
「ハグは、鵤さんのかわりに、綾をさしだせと言ってる。けど、それが真の目的なのかどうかはナゾだ。あいつが妖精を閉じ込めている理由も、まだわからない」
「……ねぇ、あたし……行こうか?」
あたしは、ヨウちゃんをあおいだ。
「あたしが行けば、ハグは鵤さんを返してくれるんでしょ? それに、あたしなら、羽のりんぷんをつかって、ヤドリギの檻を外側から開けられる。妖精のりんぷんは、たしかフェアリー・ドクターの薬を無効化できるんだったよね?」
「……おまえは、そういうと思ったよ」
ヨウちゃんは、重たい息をはいた。
「だから本当は、綾を呼びたくなかった。体が弱ってんのに、そんな過酷なことさせたくない。けど……誠が呼び出せって、うるさくて……」
「葉児ぃ、人のせいにすんなよ! だって、オレたちこないだ浅山で約束したじゃん。ハグと戦わなきゃならないときは、和泉もいっしょに行くってさ。それに、冥界のリンゴが手に入ったおかげで、オレも儀式中に、浅山に入れるようになったんだぞっ! 和泉、まかせて! たよりない葉児にかわって、オレがばっちり、和泉を守ってあげるからっ!! 」
「たよりないって、なんだよ」
「……ほぇ?『浅山に入れるようになった』ってどういうこと?」
「以前のよみがえりの儀式のときと同様、今回も儀式中は、妖精と関係のある者以外は、浅山に入れなくなる。って、話をしたら、誠はリンゴを食べて、鏡の世界に入った……」
「だってさ。鏡の世界って、あの世とこの世のはざまみたいなとこだろ? だから、いちおう冥界の一種じゃん。それなら、鏡の世界にいればさ。オレも、人間とはちがう、葉児たち側の存在になれるってことだよっ!」
「そっかぁ。誠って、かしこいっ!」
だけど、ヨウちゃんは片ひざの上でほおづえをついて、むっつりしてる。
「誠。あんま、軽く考えんなよ。そんなあやうい世界に、遊び半分で出たり入ったりして。もし、もどれなくなったりでもしたら、どうする気だ?」
「ホンット、葉児って、片っ苦しいって言うか、くそマジメって言うか、おかんみたいだよね。和泉さ、つかれない?」
「う……。……たまに」
「やっぱっ!? 」
「おまえらふたりが、考えなさすぎなんだよっ!」
「まぁまぁ、葉児。オレと和泉の息がぴったりだからって、妬くなって。
――えっと、とにかく決まりだね。ちょっとあぶないけど、和泉、ハグを呼び出すおとりになってよ。オレと葉児が全力で守るからさ。で、鵤さんを返してもらって。ついでにハグはティル・ナ・ノーグに落としちゃう。あとは妖精たちを助け出すこと」
「どうにか、ハグからチコリのビンを取り返そう。チコリのビンをつかって、ヤドリギの檻を開けるんだ。綾、これ以上、りんぷんをつかうな」
「うん。わかった」
あたしがニコッと笑ったら、やっと、琥珀色の目がやわらかくなった。
「決行日時を決めないとな……」
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