155 / 385
パーマストンノース編
命の約束
しおりを挟む
憑き物が落ちたような、拍子抜けに呆気にとられた表情で、ロリババアは言葉を失った。
「……ちょっと待って。馬鹿なガウィちゃんには解らない。いまの提案は、どういう意味なのかな?」
なぜだか震える声で、ロリババアはそう、なんとか言葉を絞り出した。
「そうか。馬鹿なきみには言い方があったね。……今後はぼくが、WBOのために身を粉にして働く、ということだ。『異本鑑定士』だろうが、『異本』回収に向かう『執行官』だろうが、『世界樹』の『司書』だろうが、きみたちが望むようにぼくを使うといい。自分で言うのもなんだが、WBOの活動に関してなら、ぼくはひとりで百人分の働きを提供できるだろう」
「わけが解らないんだけど。あなたの周りの、すべてを差し出して自分のことを守ろうとしていたあなたが、どうして急にそんな、とち狂ったことを言い出してんの?」
天を仰がず、若者を見下ろしたままに、彼女は頭を抱えた。表情もやや痙攣している。それほどの、理解不能な言葉だったようだ。
「何度も何度も、繰り返し言うようだが、きみにぼくの思想をなじられる覚えはないんだよ。ぼくは至極真面目に提案をしているし、そのために自分をあくせくと、売り込んでいるだけだよ」
「あなたという人間が理解できない。いったいどうなっているの、あなたの頭は」
「人と人が解り合えるわけがないだろう。ぼくだってきみのことなど知らないし、解りたくもない」
気障に両手を広げ、若者は言う。その表情は、声音は、微塵も気負ったところが見て取れない。
「それで、どうする? ぼくの心底の、腹底から望むこの願いは、聞き入れてもらえるのかな?」
頭を抱えるロリババアに、若者は畳みかけるように、問うた。
「……ちょっと待って。ワタクシには判断できない。……一度、本部に確認を――」
「駄目だね。きみが決めるんだ、ガウィ。ぼくの要求には、ぼく以外の、この場でのことを忘れる――つまり、WBO本部に連絡しない、ということも含まれる。だからきみが決めろ。ぼく以外のすべてを許すか、ぼくだけを見逃すか、あるいは、……当初の予定通りにすべてを、きみたちのエゴのままに蹂躙するのか」
「ううぅ……」
ロリババアは頭を抱えたまま膝をつき、若者と同じ視線の高さまで、降りてきた。
*
追い打ちを、かける。人間であれば誰もが扱える、もっとも鋭い凶器でもって、若者は、彼女の首元へ、突き付ける。
「ぼくは40億とひとり側だよ。きみも、誰もね。
そういう想定を思うとき、人間は誰しも、40億とひとり側だ。はたして自分が生き残るには、なにをすべきか。世界がどうなれば幸福か。誰が死ねば、ぼくは生き残れる?
自身が生き残る事象こそが正義だ。そのために39億人が死んでも、80億人が死んでもだ。それは必要な犠牲だった。だから、誰のために死のうとも、ぼくは、誰かのためになれたということだ。それはとても、幸せなことじゃないか。
かくして命は、すべて平等に均される。ぼくにとっては、ぼくが一番可愛いけれど、ぼくじゃない誰かにとっては、それはあまりに微小な、その他大勢の犠牲のひとつだ。それでも、誰かが死ぬことには、誰かの幸福が含まれる。
解るかい? ぼくにとっては、どちらでも同じことなんだよ。ぼくが死のうが、ぼく以外のすべてが死のうが。生き残った場合の、そのぼくの幸せに影響がない限り、全員死んで構わない。
だから、きみに選択肢を提示し、委ねてあげているんだ。親切だろう? きみは選んでいい。きみの思うままに決定していい。ぼくを殺そうが、ぼく以外を殺そうが、この世のすべてを殺そうが。あるいは、きみひとりだけが死のうが、ね。どれも同じだ。そこに差異など微塵もない。
……話が逸れたか? いや、煙に巻こうってわけじゃない。もう一度、具体的に提示しよう。
きみは、選ぶことができる。
ひとつ。『稲雷塵のみをWBOに連れ帰り、彼に、WBOへの絶対の服従を誓わせる。その代わり、この場での、それ以外のことについては目を瞑る』。
ふたつ。『この場における、稲雷塵以外のすべての事象につき、好きにする。その場合、この件については全面的に、稲雷塵の加勢を得られるものとする』。
みっつ。『問答無用にすべてをきみの思う通り――WBOの意向のままに実行する』。
……さあ、きみが選べる選択肢を、ぼくは差し出した。もちろんこれ以外の方法も大いにあるだろう。もしきみが思い付くなら、第四、第五の選択肢も選ぶといい。きみは自由だ。ぼくが自由であるのと同じように。きみは好きにすればいい。もちろんぼくも、好きにする」
「あなたを――」
若者の口上の終わりに、ロリババアは小さく、言葉を発した。
泣きじゃくるようにか細く、悲痛な声で。
「稲雷くん……あなたを、連れて行く。他のことは見逃す。それで、あなたは無抵抗について来る。それでいい、ん、……だよね?」
おそるおそる、叱り飛ばす親に確認するように、ロリババアは言った。
「ああ、それでいい。約束したよ、ガウィ?」
「ええ。ワタクシの名において約束しましょう。……あなたは、怖い。WBOにとって、一番首輪をつけておくべきはあなただと、ワタクシは判断する。そのためなら『虎天使』も、『ムオネルナ異本』も、いったんは置いておく。……でもね、稲雷くん。今回ワタクシが見逃そうと、WBOはすぐに見つけるよ。WBO全体の動きまでは、ワタクシごときには止められないし、積極的に止めようともしない。それが条件だよ」
「もちろんだ。そこまで高望みはしない。あの子にはちゃんとした両親がついている。今日を、この先、わずかな時間さえ稼げれば、もう、大丈夫だ」
そう言って、ようやっと感情が動いたように、若者は優しく笑った。満足気に。すべてをやり遂げた、ように。
「じゃあ、『グリモワール・キャレ』を解除するけれど……あ、そうだ。あの子たち――急に現れたあの三人。もし襲ってきたら止めてよね」
濃緑色に正方形なその『異本』を持ち上げて、ロリババアは思い出したように念を押した。
「ああ、もう、伝えてある」
若者は言って、小さな鏡のようなものを掲げた。その意味を、ロリババアは理解しきっていないが、若者が許諾したことは解った。だから、曖昧に納得する。
この若者は、どこか軽薄そうに見えるけれど、言葉で嘘はつかない。少なくとも約束は守る。そのように、信頼できたから。
「……それじゃあ、解除するね」
むしろ腑に落ちないのは、やはり、彼の自己犠牲の方だった。本人には悪いが、先に提案した内容であれば、嫌悪感はあれど彼らしい、とも思える。だが、この結末は本当に、彼の思惑通りなのか? WBOに忠誠を誓って、そのために行動して、それで彼にどんな未来がある?
そのことにもう少し早く思い至り、熟考できたなら、ロリババアもまた違った決断をしたかもしれない。だが、そうなるように仕向けたのもまた、若者にとっては事実だった。
これはただの自己犠牲ではない。極めて現実的で、論理的な一手。
――『グリモワール・キャレ』が、解除された。視界が、開ける。
*
もう、夕日も低く、太陽はこれから死にゆくように、血まみれに染まっていた。
「……本当に話はついてるのね。解除後すぐに襲われるのも覚悟していたけど」
そんなことはなかった。が、彼らも姿は見せない。その点に不穏は残るが、まあ、それもまた、話がついているのだろう。と、ロリババアは納得する。
つまり、もう彼が戻らないことを。このままWBOに同行することを。とすれば、隠れているというよりはもう、この場を離れたのかもしれない。
そう思って、ロリババアも帰還の準備を始めた。地面に突き刺したままの宝斧、『グランギニョルの錬斧』を持ち上げる。
今日はもう、三度振るっている。だから、だいぶ体にガタがきていた。どうやら持ち上げるのが精いっぱいである。
だから、反応が遅れた。
「さあ、逝こうか」
若者が言った。
その声にロリババアは彼を見遣る。その、瞳に映るは――。
夕日と同化するように、左胸から血を噴き出しながら、最後の力を振り絞ったのだろう、片足で無理矢理に立ち上がり、それでも気障に両手を広げ佇む、若者の背中だった。
「……ちょっと待って。馬鹿なガウィちゃんには解らない。いまの提案は、どういう意味なのかな?」
なぜだか震える声で、ロリババアはそう、なんとか言葉を絞り出した。
「そうか。馬鹿なきみには言い方があったね。……今後はぼくが、WBOのために身を粉にして働く、ということだ。『異本鑑定士』だろうが、『異本』回収に向かう『執行官』だろうが、『世界樹』の『司書』だろうが、きみたちが望むようにぼくを使うといい。自分で言うのもなんだが、WBOの活動に関してなら、ぼくはひとりで百人分の働きを提供できるだろう」
「わけが解らないんだけど。あなたの周りの、すべてを差し出して自分のことを守ろうとしていたあなたが、どうして急にそんな、とち狂ったことを言い出してんの?」
天を仰がず、若者を見下ろしたままに、彼女は頭を抱えた。表情もやや痙攣している。それほどの、理解不能な言葉だったようだ。
「何度も何度も、繰り返し言うようだが、きみにぼくの思想をなじられる覚えはないんだよ。ぼくは至極真面目に提案をしているし、そのために自分をあくせくと、売り込んでいるだけだよ」
「あなたという人間が理解できない。いったいどうなっているの、あなたの頭は」
「人と人が解り合えるわけがないだろう。ぼくだってきみのことなど知らないし、解りたくもない」
気障に両手を広げ、若者は言う。その表情は、声音は、微塵も気負ったところが見て取れない。
「それで、どうする? ぼくの心底の、腹底から望むこの願いは、聞き入れてもらえるのかな?」
頭を抱えるロリババアに、若者は畳みかけるように、問うた。
「……ちょっと待って。ワタクシには判断できない。……一度、本部に確認を――」
「駄目だね。きみが決めるんだ、ガウィ。ぼくの要求には、ぼく以外の、この場でのことを忘れる――つまり、WBO本部に連絡しない、ということも含まれる。だからきみが決めろ。ぼく以外のすべてを許すか、ぼくだけを見逃すか、あるいは、……当初の予定通りにすべてを、きみたちのエゴのままに蹂躙するのか」
「ううぅ……」
ロリババアは頭を抱えたまま膝をつき、若者と同じ視線の高さまで、降りてきた。
*
追い打ちを、かける。人間であれば誰もが扱える、もっとも鋭い凶器でもって、若者は、彼女の首元へ、突き付ける。
「ぼくは40億とひとり側だよ。きみも、誰もね。
そういう想定を思うとき、人間は誰しも、40億とひとり側だ。はたして自分が生き残るには、なにをすべきか。世界がどうなれば幸福か。誰が死ねば、ぼくは生き残れる?
自身が生き残る事象こそが正義だ。そのために39億人が死んでも、80億人が死んでもだ。それは必要な犠牲だった。だから、誰のために死のうとも、ぼくは、誰かのためになれたということだ。それはとても、幸せなことじゃないか。
かくして命は、すべて平等に均される。ぼくにとっては、ぼくが一番可愛いけれど、ぼくじゃない誰かにとっては、それはあまりに微小な、その他大勢の犠牲のひとつだ。それでも、誰かが死ぬことには、誰かの幸福が含まれる。
解るかい? ぼくにとっては、どちらでも同じことなんだよ。ぼくが死のうが、ぼく以外のすべてが死のうが。生き残った場合の、そのぼくの幸せに影響がない限り、全員死んで構わない。
だから、きみに選択肢を提示し、委ねてあげているんだ。親切だろう? きみは選んでいい。きみの思うままに決定していい。ぼくを殺そうが、ぼく以外を殺そうが、この世のすべてを殺そうが。あるいは、きみひとりだけが死のうが、ね。どれも同じだ。そこに差異など微塵もない。
……話が逸れたか? いや、煙に巻こうってわけじゃない。もう一度、具体的に提示しよう。
きみは、選ぶことができる。
ひとつ。『稲雷塵のみをWBOに連れ帰り、彼に、WBOへの絶対の服従を誓わせる。その代わり、この場での、それ以外のことについては目を瞑る』。
ふたつ。『この場における、稲雷塵以外のすべての事象につき、好きにする。その場合、この件については全面的に、稲雷塵の加勢を得られるものとする』。
みっつ。『問答無用にすべてをきみの思う通り――WBOの意向のままに実行する』。
……さあ、きみが選べる選択肢を、ぼくは差し出した。もちろんこれ以外の方法も大いにあるだろう。もしきみが思い付くなら、第四、第五の選択肢も選ぶといい。きみは自由だ。ぼくが自由であるのと同じように。きみは好きにすればいい。もちろんぼくも、好きにする」
「あなたを――」
若者の口上の終わりに、ロリババアは小さく、言葉を発した。
泣きじゃくるようにか細く、悲痛な声で。
「稲雷くん……あなたを、連れて行く。他のことは見逃す。それで、あなたは無抵抗について来る。それでいい、ん、……だよね?」
おそるおそる、叱り飛ばす親に確認するように、ロリババアは言った。
「ああ、それでいい。約束したよ、ガウィ?」
「ええ。ワタクシの名において約束しましょう。……あなたは、怖い。WBOにとって、一番首輪をつけておくべきはあなただと、ワタクシは判断する。そのためなら『虎天使』も、『ムオネルナ異本』も、いったんは置いておく。……でもね、稲雷くん。今回ワタクシが見逃そうと、WBOはすぐに見つけるよ。WBO全体の動きまでは、ワタクシごときには止められないし、積極的に止めようともしない。それが条件だよ」
「もちろんだ。そこまで高望みはしない。あの子にはちゃんとした両親がついている。今日を、この先、わずかな時間さえ稼げれば、もう、大丈夫だ」
そう言って、ようやっと感情が動いたように、若者は優しく笑った。満足気に。すべてをやり遂げた、ように。
「じゃあ、『グリモワール・キャレ』を解除するけれど……あ、そうだ。あの子たち――急に現れたあの三人。もし襲ってきたら止めてよね」
濃緑色に正方形なその『異本』を持ち上げて、ロリババアは思い出したように念を押した。
「ああ、もう、伝えてある」
若者は言って、小さな鏡のようなものを掲げた。その意味を、ロリババアは理解しきっていないが、若者が許諾したことは解った。だから、曖昧に納得する。
この若者は、どこか軽薄そうに見えるけれど、言葉で嘘はつかない。少なくとも約束は守る。そのように、信頼できたから。
「……それじゃあ、解除するね」
むしろ腑に落ちないのは、やはり、彼の自己犠牲の方だった。本人には悪いが、先に提案した内容であれば、嫌悪感はあれど彼らしい、とも思える。だが、この結末は本当に、彼の思惑通りなのか? WBOに忠誠を誓って、そのために行動して、それで彼にどんな未来がある?
そのことにもう少し早く思い至り、熟考できたなら、ロリババアもまた違った決断をしたかもしれない。だが、そうなるように仕向けたのもまた、若者にとっては事実だった。
これはただの自己犠牲ではない。極めて現実的で、論理的な一手。
――『グリモワール・キャレ』が、解除された。視界が、開ける。
*
もう、夕日も低く、太陽はこれから死にゆくように、血まみれに染まっていた。
「……本当に話はついてるのね。解除後すぐに襲われるのも覚悟していたけど」
そんなことはなかった。が、彼らも姿は見せない。その点に不穏は残るが、まあ、それもまた、話がついているのだろう。と、ロリババアは納得する。
つまり、もう彼が戻らないことを。このままWBOに同行することを。とすれば、隠れているというよりはもう、この場を離れたのかもしれない。
そう思って、ロリババアも帰還の準備を始めた。地面に突き刺したままの宝斧、『グランギニョルの錬斧』を持ち上げる。
今日はもう、三度振るっている。だから、だいぶ体にガタがきていた。どうやら持ち上げるのが精いっぱいである。
だから、反応が遅れた。
「さあ、逝こうか」
若者が言った。
その声にロリババアは彼を見遣る。その、瞳に映るは――。
夕日と同化するように、左胸から血を噴き出しながら、最後の力を振り絞ったのだろう、片足で無理矢理に立ち上がり、それでも気障に両手を広げ佇む、若者の背中だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
Re:コード・ブレイカー ~落ちこぼれと嘲られた少年、世界最強の異能で全てをねじ伏せる~
たまごころ
ファンタジー
高校生・篠宮レンは、異能が当然の時代に“無能”として蔑まれていた。
だがある日、封印された最古の力【再構築(Rewrite)】が覚醒。
世界の理(コード)を上書きする力を手に入れた彼は、かつて自分を見下した者たちに逆襲し、隠された古代組織と激突していく。
「最弱」から「神域」へ――現代異能バトル成り上がり譚が幕を開ける。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる