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コルカタ編 本章
原初の沼
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遥か――遥かなる昔に、その天体は地球に大接近した。その距離、実に、地球から約五十万キロメートルの至近にまで。途方もない距離とも思えるが、地球から月までの距離が約三十八万キロメートルだということを踏まえれば、それは『至近』と言って差し支えない距離感だろう。
紀元二世紀の末に我々の頬をかすめたその天体が、地球に特段の被害を及ぼすことはなかった。しかし、ひとつの置き土産くらいは残して行ったようである。
それが、かの天体に芽吹き始めていた、種子。地球人類よりもよほど新参な、その天体の住人は、知性こそ持つものの、その肉体をいまだ獲得する以前の――原始の、存在だった。
意識。それが電気信号であると、身も蓋もないことを言ってしまうのなら、かの天体に存在する知的生命体は、まさしくその、意識そのものの姿であった。
大きさに比して、あまりに軽い――低密度のその天体は、ところどころで摩擦による静電気が発生し、まるで縦横無尽に雷が降り注ぐ、地球人類にとってみれば地獄のような様相であるという。それゆえに、そこの住人達は物質的な肉体を持つことができず、意識――雷――電気としての存在を保っていたのだ。
それは、まさしく雷のように、刹那に生まれ、消えていく。そういう存在だった。あまりに儚い――一瞬の、地球人類の思考のような、絶え間なく生まれては消える、存在。だがそこには意識があり、意思があり、目的があった。そして、意識があるなら、当然、葛藤も、迷いもある。
はたして、この意識は、意思は、本当に自らから生まれたものだろうか? この身、まさしくそのものが電気であり、一筋の意識でしかない存在は、存在しているのだろうか? 肉体を持たずに揺蕩う意識は、その天体の――宇宙の――あるいはこの世界全域の、ただの一部分でしかないのではないか?
Cogito, ergo sum.方法的懐疑により到達する有名なこの格言は、我々の意識が肉体の檻に囲われているからこその結論だ。自分であるかもしれないこの肉体を否定し、そのうちにあるかもしれない意識を思うから、視覚的に現認できない後者を、さも存在するように定立し得る。しかし、もとより意識でしかない彼らが自らを省みるとき、地球人類よりもよほど確実に、本来的に、己が意識の存在を理解せざるを得ない。そんな環境で、その存在・不存在をそもそも、論じられるだろうか?
我々は、個人であり、また、世界の一部である。『個』としての意識は、なるほど、いまこの瞬間、確かに、自らのものだ。しかしそれはかつて、他の誰かが抱いたものでもあるし、後に、また誰かに抱かれる思いであろう。電気信号という、極めて単純な意識である彼らだからこそ、その天体に蠢く生命は、そう、到達した。
その瞬間に、極めて強くいなないた轟雷は、地球との大接近の折、天体同士を繋ぐ稲光と、化した。
薄く繋がれた極小の糸――意図は、かの天体から地球に流れ込み、そこにある泥沼から、肉体を得る。こうして、パララの一族は、地球人類としての始まりを迎えた。――はてさて。で、あるならばこの存在は、はたして地球人と呼ばれるものだろうか? それとも――?
――――――――
およそ九十もの子孫を経て、かの一族は現代に、こうして、いた。
「『成神』」
女傑は呟き、空間を走る。
肉体を解く。その身を、幾重もの糸で編んだ織物と思うと、彼女にとってイメージしやすかった。それを、ほぐして、ほどいて、世界の一部へと、還していく。それが、女傑にとっての、雷への変身――いや、回帰だ。
自身の肉体に流れる、電気信号を制御。感覚神経を地球人類の限界まで――あるいは、それを超えるまでに引き上げ、駆動。かように人体を超えた力も、速度も発揮し得るが、彼女の究極の形態はむしろ、雷に――一筋の電気に自らを変える、この姿だった。
彼女個人としては知る由もない、原初の記憶。地球外のあの天体にいた、遠い祖先の――ある、意識。雷として空間を走る際、それを、女傑は感覚的に、受容した。それは全身が世界に抱かれる心地良いものであると同時に、己が自我を薄れさせる恐怖をも孕む。雷になり続ければ、いつか、抗いようもない巨大な世界に取り込まれ、自分を失う。その認識があったから、そう連続しては使えない。それでも、あえて女傑は、大男に対してそれを、乱発した。
出自がどうあれ――己が身が、あまりに地球人類と乖離しているとはいえ、自分はもう、人間だ。だからこそ、その、醜悪な戦闘本能に従い、大男の――地球人類最強の肉体の、限界に挑みたい。それを引き出すためなら、こちらも出し惜しみは、なしだ。そういう、意識で。
「『降繋 神式』」
完全に大男の動体視力から逃げ、その背後をとり、雷に受肉する。ついでに、その電力を、電位を、指先に込めて、差し向けた。銃口を向けるような、手の形で。
大男の目から逃れる過程で、そこかしこに、電位の『塊』を置いてきた。それは、電子線……のようなもの――ありていに言ってしまえば、ビームを放出する、『的』となる。『的』に向けて、指先に電位を込める。そうしてできた電圧により、二点間に、強大な電気を、流す。
刹那。大男は女傑を、振り向いた。
*
理屈は、解らない。しかし、大男は理解した。
相手は電気だ。大気中を電気が流れるように移動し、身体機能を電気信号で強化。であるなら、電気を放出することもできるのだろう。この体にも、電気は、まあ、効く。無意識的ではあるが、肉体の電気信号すら強靭な大男だ。それを外部的電気で狂わされることはそうそうない。ましてや、単純な電熱程度であれば火傷程度のものだ。少なくとも、日常生活で起こり得る電気的被害において、大男はそうそう、身体的に欠損することはない。
だが、相手は未知の種族。そう、理解する。一般的な常識の中に生きていれば、それは、そう簡単に受け入れられる現実ではなかっただろう。そして、意外と常識人な大男に関しても、本来であればそうだった。
しかし、大男は天性の戦闘種族だ。いくら争いを好まない平和主義人でも、己が血統に翻弄されるのは避けられない。なんの努力もせずとも、強靭すぎる肉体。そして、戦闘における、特異なまでの勘。それが、薄弱な根拠のままに、無意識に、女傑の存在を理解した。
そのうえ、その存在は、いくら自分でもそれだけでは打倒し得ないほどの、強力な存在であると。ただの人体では太刀打ちできない、異形であると。それはそれで容認しがたい事実を、現実と、把握する。
「『白鬼夜行 黒手之書』」
だから、咄嗟の戦闘勘で、即座に、対応した。
敵が電気なら、むしろ好相性だ。『磁力』を操る、この『異本』ならば。そう、大男は思う。
「ゆくぞ。歯を食いしばれ」
磁力を身に纏い、女傑の電子線を受け流す。けたたましい電力は、振り向いた大男の背で轟音を弾いて、破裂する。それを背負って、思い切りに振り上げた巨木のような腕を、女傑に振り降ろした。
――――――――
『黒手』。人家の便所に住み着くという、妖怪。
それは、便所で用を足していると出てくるという、毛むくじゃらの手だという。それはただ、便所に現れ、尻を撫でるなどという粗相を犯すのみの妖怪だが、その手を切り落とせば、後に、奇怪な報復を受ける。
己が手を切り落とされた妖怪は、三人の僧に化け、切り落とした者を訪ねる。いくらかの問答の末、その僧たちは、男から自らの手を奪還し逃げるのだが、そののち、彼が道を歩いているときを見定め、ふと頭上から衾を被せ包み込み、そのまま持ち上げ、宙から落とした。そうしている隙に、その者から、自らの腕を切った刀を奪い、さらに逃走するという、なんとも不思議な復讐を行う、妖怪であった。
この妖怪についての物語が綴られるこの『異本』は、妖怪の仕返しのひとつである、『衾に包み持ち上げる』という、受け手にとっては唐突な、空へ引っ張り上げられるという点に焦点を当てているのか、そういう、引力をも発生させる『磁力』をコントロールする性能を有する。
そして、電力と磁力は、とてもよく似て、また、強く関連する性質を持っている。電気が流れれば磁力を生じるし、その逆もしかりだ。つまり、大雑把に、乱暴に言ってしまうなら、電力は磁力を操れるし、磁力は電力を操れる。
つまり、電力を操れる女傑と、磁力を操れる大男とでは、その力は相殺され、こうして結局は純粋に、肉体同士での戦闘に、均されていったのである。
――――――――
「――――っ!!」
大男の、大上段からの一撃を、女傑は、なんとか受け止め、瞬間、歯を食いしばり、耐えた。
「『霊操 〝柔〟』」
が、それもつかの間――というより、つかの間しかさすがに、もたずに――。大男の力を受け流し、地面へ叩き付ける。女傑の肉体は、実のところ地球人類とはやや、異なっている。たとえば関節ならば、全方位、三百六十度に、そもそも曲がる。であれば、骨格や筋肉の形状やつき方も当然と、だいぶ異なるのだ。
その、地球人類的には柔軟すぎる肉体を、適切に駆動。そうして大男の強大すぎる一撃を、受け、そして、いなした。そしてそういう、受け流されるという対処をされるのも、大男としては、滅多にない経験だと、言えた。
「……もっと、本気でこいや。カイラギぃ……」
受け流した。受け流せた。だが、それでもダメージが残る。その反動に耐えながら、それでも気丈に、女傑は言った。
「……まるで、老龍のようだ」
いつか、数少ない、己が本気の一撃をいなした、友のことを思い出す。天寿を全うし、笑って死んでいった、老輩のことを。
思い出して、目を細め、大男は、笑った。
「よかろう。殺さぬ程度に、少しずつ力を上げよう。……簡単に倒れてくれるなよ? 童」
どうしても消えてくれない戦闘本能を滾らせて、あろうことか、急いで駆け付けねばいけない、守るべき者たちのことを、瞬間、忘れて――。
大男は、闘志を、纏った。
紀元二世紀の末に我々の頬をかすめたその天体が、地球に特段の被害を及ぼすことはなかった。しかし、ひとつの置き土産くらいは残して行ったようである。
それが、かの天体に芽吹き始めていた、種子。地球人類よりもよほど新参な、その天体の住人は、知性こそ持つものの、その肉体をいまだ獲得する以前の――原始の、存在だった。
意識。それが電気信号であると、身も蓋もないことを言ってしまうのなら、かの天体に存在する知的生命体は、まさしくその、意識そのものの姿であった。
大きさに比して、あまりに軽い――低密度のその天体は、ところどころで摩擦による静電気が発生し、まるで縦横無尽に雷が降り注ぐ、地球人類にとってみれば地獄のような様相であるという。それゆえに、そこの住人達は物質的な肉体を持つことができず、意識――雷――電気としての存在を保っていたのだ。
それは、まさしく雷のように、刹那に生まれ、消えていく。そういう存在だった。あまりに儚い――一瞬の、地球人類の思考のような、絶え間なく生まれては消える、存在。だがそこには意識があり、意思があり、目的があった。そして、意識があるなら、当然、葛藤も、迷いもある。
はたして、この意識は、意思は、本当に自らから生まれたものだろうか? この身、まさしくそのものが電気であり、一筋の意識でしかない存在は、存在しているのだろうか? 肉体を持たずに揺蕩う意識は、その天体の――宇宙の――あるいはこの世界全域の、ただの一部分でしかないのではないか?
Cogito, ergo sum.方法的懐疑により到達する有名なこの格言は、我々の意識が肉体の檻に囲われているからこその結論だ。自分であるかもしれないこの肉体を否定し、そのうちにあるかもしれない意識を思うから、視覚的に現認できない後者を、さも存在するように定立し得る。しかし、もとより意識でしかない彼らが自らを省みるとき、地球人類よりもよほど確実に、本来的に、己が意識の存在を理解せざるを得ない。そんな環境で、その存在・不存在をそもそも、論じられるだろうか?
我々は、個人であり、また、世界の一部である。『個』としての意識は、なるほど、いまこの瞬間、確かに、自らのものだ。しかしそれはかつて、他の誰かが抱いたものでもあるし、後に、また誰かに抱かれる思いであろう。電気信号という、極めて単純な意識である彼らだからこそ、その天体に蠢く生命は、そう、到達した。
その瞬間に、極めて強くいなないた轟雷は、地球との大接近の折、天体同士を繋ぐ稲光と、化した。
薄く繋がれた極小の糸――意図は、かの天体から地球に流れ込み、そこにある泥沼から、肉体を得る。こうして、パララの一族は、地球人類としての始まりを迎えた。――はてさて。で、あるならばこの存在は、はたして地球人と呼ばれるものだろうか? それとも――?
――――――――
およそ九十もの子孫を経て、かの一族は現代に、こうして、いた。
「『成神』」
女傑は呟き、空間を走る。
肉体を解く。その身を、幾重もの糸で編んだ織物と思うと、彼女にとってイメージしやすかった。それを、ほぐして、ほどいて、世界の一部へと、還していく。それが、女傑にとっての、雷への変身――いや、回帰だ。
自身の肉体に流れる、電気信号を制御。感覚神経を地球人類の限界まで――あるいは、それを超えるまでに引き上げ、駆動。かように人体を超えた力も、速度も発揮し得るが、彼女の究極の形態はむしろ、雷に――一筋の電気に自らを変える、この姿だった。
彼女個人としては知る由もない、原初の記憶。地球外のあの天体にいた、遠い祖先の――ある、意識。雷として空間を走る際、それを、女傑は感覚的に、受容した。それは全身が世界に抱かれる心地良いものであると同時に、己が自我を薄れさせる恐怖をも孕む。雷になり続ければ、いつか、抗いようもない巨大な世界に取り込まれ、自分を失う。その認識があったから、そう連続しては使えない。それでも、あえて女傑は、大男に対してそれを、乱発した。
出自がどうあれ――己が身が、あまりに地球人類と乖離しているとはいえ、自分はもう、人間だ。だからこそ、その、醜悪な戦闘本能に従い、大男の――地球人類最強の肉体の、限界に挑みたい。それを引き出すためなら、こちらも出し惜しみは、なしだ。そういう、意識で。
「『降繋 神式』」
完全に大男の動体視力から逃げ、その背後をとり、雷に受肉する。ついでに、その電力を、電位を、指先に込めて、差し向けた。銃口を向けるような、手の形で。
大男の目から逃れる過程で、そこかしこに、電位の『塊』を置いてきた。それは、電子線……のようなもの――ありていに言ってしまえば、ビームを放出する、『的』となる。『的』に向けて、指先に電位を込める。そうしてできた電圧により、二点間に、強大な電気を、流す。
刹那。大男は女傑を、振り向いた。
*
理屈は、解らない。しかし、大男は理解した。
相手は電気だ。大気中を電気が流れるように移動し、身体機能を電気信号で強化。であるなら、電気を放出することもできるのだろう。この体にも、電気は、まあ、効く。無意識的ではあるが、肉体の電気信号すら強靭な大男だ。それを外部的電気で狂わされることはそうそうない。ましてや、単純な電熱程度であれば火傷程度のものだ。少なくとも、日常生活で起こり得る電気的被害において、大男はそうそう、身体的に欠損することはない。
だが、相手は未知の種族。そう、理解する。一般的な常識の中に生きていれば、それは、そう簡単に受け入れられる現実ではなかっただろう。そして、意外と常識人な大男に関しても、本来であればそうだった。
しかし、大男は天性の戦闘種族だ。いくら争いを好まない平和主義人でも、己が血統に翻弄されるのは避けられない。なんの努力もせずとも、強靭すぎる肉体。そして、戦闘における、特異なまでの勘。それが、薄弱な根拠のままに、無意識に、女傑の存在を理解した。
そのうえ、その存在は、いくら自分でもそれだけでは打倒し得ないほどの、強力な存在であると。ただの人体では太刀打ちできない、異形であると。それはそれで容認しがたい事実を、現実と、把握する。
「『白鬼夜行 黒手之書』」
だから、咄嗟の戦闘勘で、即座に、対応した。
敵が電気なら、むしろ好相性だ。『磁力』を操る、この『異本』ならば。そう、大男は思う。
「ゆくぞ。歯を食いしばれ」
磁力を身に纏い、女傑の電子線を受け流す。けたたましい電力は、振り向いた大男の背で轟音を弾いて、破裂する。それを背負って、思い切りに振り上げた巨木のような腕を、女傑に振り降ろした。
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『黒手』。人家の便所に住み着くという、妖怪。
それは、便所で用を足していると出てくるという、毛むくじゃらの手だという。それはただ、便所に現れ、尻を撫でるなどという粗相を犯すのみの妖怪だが、その手を切り落とせば、後に、奇怪な報復を受ける。
己が手を切り落とされた妖怪は、三人の僧に化け、切り落とした者を訪ねる。いくらかの問答の末、その僧たちは、男から自らの手を奪還し逃げるのだが、そののち、彼が道を歩いているときを見定め、ふと頭上から衾を被せ包み込み、そのまま持ち上げ、宙から落とした。そうしている隙に、その者から、自らの腕を切った刀を奪い、さらに逃走するという、なんとも不思議な復讐を行う、妖怪であった。
この妖怪についての物語が綴られるこの『異本』は、妖怪の仕返しのひとつである、『衾に包み持ち上げる』という、受け手にとっては唐突な、空へ引っ張り上げられるという点に焦点を当てているのか、そういう、引力をも発生させる『磁力』をコントロールする性能を有する。
そして、電力と磁力は、とてもよく似て、また、強く関連する性質を持っている。電気が流れれば磁力を生じるし、その逆もしかりだ。つまり、大雑把に、乱暴に言ってしまうなら、電力は磁力を操れるし、磁力は電力を操れる。
つまり、電力を操れる女傑と、磁力を操れる大男とでは、その力は相殺され、こうして結局は純粋に、肉体同士での戦闘に、均されていったのである。
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「――――っ!!」
大男の、大上段からの一撃を、女傑は、なんとか受け止め、瞬間、歯を食いしばり、耐えた。
「『霊操 〝柔〟』」
が、それもつかの間――というより、つかの間しかさすがに、もたずに――。大男の力を受け流し、地面へ叩き付ける。女傑の肉体は、実のところ地球人類とはやや、異なっている。たとえば関節ならば、全方位、三百六十度に、そもそも曲がる。であれば、骨格や筋肉の形状やつき方も当然と、だいぶ異なるのだ。
その、地球人類的には柔軟すぎる肉体を、適切に駆動。そうして大男の強大すぎる一撃を、受け、そして、いなした。そしてそういう、受け流されるという対処をされるのも、大男としては、滅多にない経験だと、言えた。
「……もっと、本気でこいや。カイラギぃ……」
受け流した。受け流せた。だが、それでもダメージが残る。その反動に耐えながら、それでも気丈に、女傑は言った。
「……まるで、老龍のようだ」
いつか、数少ない、己が本気の一撃をいなした、友のことを思い出す。天寿を全うし、笑って死んでいった、老輩のことを。
思い出して、目を細め、大男は、笑った。
「よかろう。殺さぬ程度に、少しずつ力を上げよう。……簡単に倒れてくれるなよ? 童」
どうしても消えてくれない戦闘本能を滾らせて、あろうことか、急いで駆け付けねばいけない、守るべき者たちのことを、瞬間、忘れて――。
大男は、闘志を、纏った。
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