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60 離れられない告白 ②
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いつの間にか眠っていたみたいだった。部屋には夕日が差し込んでいたので慌てて起き上がる。
(お菓子作ってない!!)
部屋を飛び出すと、甘い香りが漂う。急いで1階に降りると、ミハイルが焼きたてのスコーンを取り出していた。
「ああ、起きたのか」
「どうして・・・」
「食べたかったのだろう?」
メモを控えた時にキッチンに本を置いたままにしていたことを忘れ、自分の失態を悔やむ。
「食材まで完璧に揃っていたから、作っておいた。よっぽど食べたかったんだな」
「あー、うん・・・ありがとう」
「そんなに嬉しそうではないな。まあいい、紅茶を入れるからソファーでゆっくりしていろ」
「あ!紅茶なら私に入れさせて!」
ミハイルが驚いたように私を見る。
「僕に入れてくれるのか・・・?」
「うん、美味しくないけど」
「ふっ味見してみないと分からない」
顔を綻ばせて笑うミハイルはとても嬉しそうだった。
隣でスコーンをお皿に乗せると、私が紅茶の準備をしている姿をじっと見てくるので、ミハイルの顔を見上げる。
「なんだ」
「ニヤけ過ぎだよ。そんなに期待されても困るってば」
「初めてマールの紅茶を飲めるのが嬉しい」
その言葉に手が止まる。取り繕うように彼の背中を押し、ソファーで座って待ってるように伝えた。
(ミハイルは、初めて飲むんだもんね・・・)
彼に何度も入れた紅茶を飲む姿を思い出し、胸が痛む。
丁寧に準備し終えると、盛り付けられたスコーンと一緒に紅茶を運ぼうとしたらミハイルがいつの間にか後ろにいた。
「重いから僕が運ぼう」
「座って待ってて、って言ったのに」
「楽しみでついな」
「はいはい、ありがとう」
席に着くと、紅茶を渡す。
彼が一口飲むと、甘く蕩けるように笑った。
「ああ、美味しい」
「そ、そう。良かった」
つられて照れながら、紅茶を飲む。やはりミハイルと同じ風味にならない紅茶の味に、首を傾げた。
(同じ茶葉使ってるのにな)
「ほら、スコーンも食べろ」
まだ温かいスコーンを割ると、彼が添えてくれたクリームを付ける。口に運ぶとさっくりとした香ばしい味とクリームの甘さが広がり、その味わいに微笑んでいた。
「美味しい・・・」
「そうか」
満足そうに微笑むとミハイルもスコーンを食べている。彼のお皿にはクリームは乗っていないので、わざわざ私に準備してくれたのだと分かる。
スコーンと紅茶がよく合うのか、ミハイルはすぐに紅茶を飲み干すと注いでいた。
「私の紅茶より、ミハイルの紅茶の方が美味しいよ」
注いでいた手が止まる。
「僕はまだ、君に一度も紅茶を入れたことがない」
「あ・・・ごめん、なさい」
向かいに座る彼を見ることが出来なくて、俯いたまま無言の時間が流れる。
ミハイルは小さくため息をつくと、私のスコーンが乗ったお皿を自分の方へ持っていき、クリームをつけて私の口元へ差し出す。
「ほら、食べたかったんだろう」
「う、うん」
ミハイルの手からスコーンを食べると、満足そうに微笑む。口の横についたクリームを指で拭うと彼はその指を舐め取った。
「甘いな」
真っ赤になり固まったまま見つめていると、ミハイルはお皿を持って立ち上がり、隣に座るとまたスコーンを手に取り口に持ってくる。私は彼の近さに困惑していると、頬を撫でられた。
「君の笑顔が見たいんだ」
甘い視線から逃れるように、スコーンを食べる。口の周りにクリームが付く度に指で拭われ、それを舐めとるミハイルを直視することが出来ず、早く食べ終わることだけに集中していた。
食べ終わると、まだここにいろと言われ、片付けてくれたミハイルが紅茶を入れてくれる。
隣に密着するように座り、一緒に紅茶を飲む。
(同じ、味だ・・・)
私の驚く顔に満足するように微笑み、その表情を逃さないよう髪を耳にかけられる。
「僕がミハイル・エンリーだからな」
彼の言葉に驚くが、隣で目を合わせる勇気はなく、目の前の紅茶を見つめながら飲み干すしかなかった。
紅茶を飲み終わってからも食卓から動けず、私の顔を見ながら髪を撫でている。
飽きることなく何度も髪に触れる手は優しいのに、ここから立ち去ることを許さないようにも思えた。
「まだ、悲しいか?」
きっと、ミハイルのことを言っているんだと分かった。その言葉に隣にいる彼に視線を移すと、紫の瞳は真剣に私を見つめている。
「僕達は29年も幼なじみだったのに、こうして君と話すのはここ最近だな。
君と関わって来なかったことを後悔している」
「だが君と結婚して、これから先の人生、君と一生を過ごせる。それが嬉しいんだ、心から」
「マール、君が好きだ。僕と結婚して欲しい」
私の愛する顔がどんどんぼやけていく。
ミハイルから欲しかった言葉を彼に言われて、頭が真っ白になった。
彼を見て動けない私を抱きしめる力は優しいのに、息が止まりそうなくらい胸が苦しい。
愛おしいミハイルの香りと温もりに包み込まれ、私の気持ちは激しく揺さぶられる。
「僕の顔も体も声も匂いも全部愛しているんだろう?
僕の心を受け入れてくれないか?
魔法じゃない、本物の心だ」
あたたかい腕の中でミハイルの言葉を震える体で受け止めていた。
夕食が出来たら呼ぶと言われて、部屋へ戻る。
幼なじみの彼から好意も愛情も感じていたのに、ミハイルの姿をした彼を受け入れている自分がいた。
ベットに腰掛け、ピアスの箱を握りしめる。
(私は・・・ミハイルのことを・・・)
『僕のことは嫌いになって、忘れて』
私のプロポーズを受け取ってくれなかった彼の言葉を思い出す。
そのままベットに倒れ、目を閉じる。
(本物の心、か・・・)
魔法にかかったミハイルは、本物の心じゃなかったんだろうか。
彼の仕草や優しさにはたくさんの愛が詰まっているのに、それを信じているのに、もう聞くことが出来ない距離に、箱を持つ手に力が入る。
部屋の外から呼ばれると、いつも通り箱を仕舞って部屋を出る。もうミハイルの顔は見れない。
「悲しそうだな」
涙は出ていない。でも胸が痛んで苦しい。
「僕の気持ちを伝えてしまってすまない」
ミハイルの声は酷く悲しく暗かった。
「だけどもう、マールから離れられないんだ」
それは彼が恋に落ちたから。私もミハイルから離れられない。
「ほら、冷めないうちに食べよう」
また私は優しい鎖に掴まる。
(お菓子作ってない!!)
部屋を飛び出すと、甘い香りが漂う。急いで1階に降りると、ミハイルが焼きたてのスコーンを取り出していた。
「ああ、起きたのか」
「どうして・・・」
「食べたかったのだろう?」
メモを控えた時にキッチンに本を置いたままにしていたことを忘れ、自分の失態を悔やむ。
「食材まで完璧に揃っていたから、作っておいた。よっぽど食べたかったんだな」
「あー、うん・・・ありがとう」
「そんなに嬉しそうではないな。まあいい、紅茶を入れるからソファーでゆっくりしていろ」
「あ!紅茶なら私に入れさせて!」
ミハイルが驚いたように私を見る。
「僕に入れてくれるのか・・・?」
「うん、美味しくないけど」
「ふっ味見してみないと分からない」
顔を綻ばせて笑うミハイルはとても嬉しそうだった。
隣でスコーンをお皿に乗せると、私が紅茶の準備をしている姿をじっと見てくるので、ミハイルの顔を見上げる。
「なんだ」
「ニヤけ過ぎだよ。そんなに期待されても困るってば」
「初めてマールの紅茶を飲めるのが嬉しい」
その言葉に手が止まる。取り繕うように彼の背中を押し、ソファーで座って待ってるように伝えた。
(ミハイルは、初めて飲むんだもんね・・・)
彼に何度も入れた紅茶を飲む姿を思い出し、胸が痛む。
丁寧に準備し終えると、盛り付けられたスコーンと一緒に紅茶を運ぼうとしたらミハイルがいつの間にか後ろにいた。
「重いから僕が運ぼう」
「座って待ってて、って言ったのに」
「楽しみでついな」
「はいはい、ありがとう」
席に着くと、紅茶を渡す。
彼が一口飲むと、甘く蕩けるように笑った。
「ああ、美味しい」
「そ、そう。良かった」
つられて照れながら、紅茶を飲む。やはりミハイルと同じ風味にならない紅茶の味に、首を傾げた。
(同じ茶葉使ってるのにな)
「ほら、スコーンも食べろ」
まだ温かいスコーンを割ると、彼が添えてくれたクリームを付ける。口に運ぶとさっくりとした香ばしい味とクリームの甘さが広がり、その味わいに微笑んでいた。
「美味しい・・・」
「そうか」
満足そうに微笑むとミハイルもスコーンを食べている。彼のお皿にはクリームは乗っていないので、わざわざ私に準備してくれたのだと分かる。
スコーンと紅茶がよく合うのか、ミハイルはすぐに紅茶を飲み干すと注いでいた。
「私の紅茶より、ミハイルの紅茶の方が美味しいよ」
注いでいた手が止まる。
「僕はまだ、君に一度も紅茶を入れたことがない」
「あ・・・ごめん、なさい」
向かいに座る彼を見ることが出来なくて、俯いたまま無言の時間が流れる。
ミハイルは小さくため息をつくと、私のスコーンが乗ったお皿を自分の方へ持っていき、クリームをつけて私の口元へ差し出す。
「ほら、食べたかったんだろう」
「う、うん」
ミハイルの手からスコーンを食べると、満足そうに微笑む。口の横についたクリームを指で拭うと彼はその指を舐め取った。
「甘いな」
真っ赤になり固まったまま見つめていると、ミハイルはお皿を持って立ち上がり、隣に座るとまたスコーンを手に取り口に持ってくる。私は彼の近さに困惑していると、頬を撫でられた。
「君の笑顔が見たいんだ」
甘い視線から逃れるように、スコーンを食べる。口の周りにクリームが付く度に指で拭われ、それを舐めとるミハイルを直視することが出来ず、早く食べ終わることだけに集中していた。
食べ終わると、まだここにいろと言われ、片付けてくれたミハイルが紅茶を入れてくれる。
隣に密着するように座り、一緒に紅茶を飲む。
(同じ、味だ・・・)
私の驚く顔に満足するように微笑み、その表情を逃さないよう髪を耳にかけられる。
「僕がミハイル・エンリーだからな」
彼の言葉に驚くが、隣で目を合わせる勇気はなく、目の前の紅茶を見つめながら飲み干すしかなかった。
紅茶を飲み終わってからも食卓から動けず、私の顔を見ながら髪を撫でている。
飽きることなく何度も髪に触れる手は優しいのに、ここから立ち去ることを許さないようにも思えた。
「まだ、悲しいか?」
きっと、ミハイルのことを言っているんだと分かった。その言葉に隣にいる彼に視線を移すと、紫の瞳は真剣に私を見つめている。
「僕達は29年も幼なじみだったのに、こうして君と話すのはここ最近だな。
君と関わって来なかったことを後悔している」
「だが君と結婚して、これから先の人生、君と一生を過ごせる。それが嬉しいんだ、心から」
「マール、君が好きだ。僕と結婚して欲しい」
私の愛する顔がどんどんぼやけていく。
ミハイルから欲しかった言葉を彼に言われて、頭が真っ白になった。
彼を見て動けない私を抱きしめる力は優しいのに、息が止まりそうなくらい胸が苦しい。
愛おしいミハイルの香りと温もりに包み込まれ、私の気持ちは激しく揺さぶられる。
「僕の顔も体も声も匂いも全部愛しているんだろう?
僕の心を受け入れてくれないか?
魔法じゃない、本物の心だ」
あたたかい腕の中でミハイルの言葉を震える体で受け止めていた。
夕食が出来たら呼ぶと言われて、部屋へ戻る。
幼なじみの彼から好意も愛情も感じていたのに、ミハイルの姿をした彼を受け入れている自分がいた。
ベットに腰掛け、ピアスの箱を握りしめる。
(私は・・・ミハイルのことを・・・)
『僕のことは嫌いになって、忘れて』
私のプロポーズを受け取ってくれなかった彼の言葉を思い出す。
そのままベットに倒れ、目を閉じる。
(本物の心、か・・・)
魔法にかかったミハイルは、本物の心じゃなかったんだろうか。
彼の仕草や優しさにはたくさんの愛が詰まっているのに、それを信じているのに、もう聞くことが出来ない距離に、箱を持つ手に力が入る。
部屋の外から呼ばれると、いつも通り箱を仕舞って部屋を出る。もうミハイルの顔は見れない。
「悲しそうだな」
涙は出ていない。でも胸が痛んで苦しい。
「僕の気持ちを伝えてしまってすまない」
ミハイルの声は酷く悲しく暗かった。
「だけどもう、マールから離れられないんだ」
それは彼が恋に落ちたから。私もミハイルから離れられない。
「ほら、冷めないうちに食べよう」
また私は優しい鎖に掴まる。
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