魔力を持つ人間は30歳までに結婚しないといけないらしい

ここりす

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82 選択 ③ 守る左手

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「ごめんなさい」

「結婚・・・・・・やめるって・・・」

両手は2人に繋がれたまま項垂れていると、息を飲みながら震える声が聞こえる。

「先輩・・・結婚、やめるの?」

「本当に・・・結婚しないの?」

アルノーが確かめるように視線を合わせようとするが、ミハイルの方を見たまま必死に涙を堪えていた。

(ミハイル・・・ごめんなさい)

目を閉じている彼の顔は、とても美しかった。

綺麗な首筋から見える強い噛み跡も、形のいい切れた唇も、涙を流して赤くなった輝く目元も全て。

どれも本当に美しくて、ずっと目が離せない。

(貴方を、こんなに傷付けてごめんなさい)

ーーーミハイル、これが最後だからね

握り返したくなる左手を眺めていると、右手はついに抱きかかえられてしまう。
さらにぴたりとくっつかれ、視線を合わせようとする息が顔にかかる。

「先輩・・・どうして、こっちを向いてくれないの?」

あまりにも距離が近い。
私の太ももの上には彼の太ももがあり、食い込むように私を包み込んでいる。

彼から注がれる体温で、右手も温かくなっていた。

「先輩」

(もう私には・・・魔力も、ペンダントもない・・・)

「ねえ、先輩」

(それでも、それでも・・・)

「先輩ってば、ねえ」

「やめッーーー!!」

ーーー・・・・・・め、ない

左手から言葉が、彼の想いが届く。
ハッと綺麗な顔に目を奪われていた。

「ミハ・・・イル・・・貴方・・・」

視界に入る黒髪を避けながら、左手の指輪を握り締めるしなやかな指を見つめる。

(震えてる・・・それなのに、ずっと、ずっと貴方は)

「私を・・・」

ーーー守ろうとしている

(私も貴方を守りたい、早くここから出してあげたい)

その想いを込めるように指輪を見ながら口を開いた。

「結婚をやめる」

ーーー・・・・・・め、ない

(ミハイル・・・もう少し待ってて)

「先輩・・・」

「もう、答えは出した。あなたを回復もした。早くここから解放して」

「俺の目を見て、もう1回言って」

「もう、いい加減にして!!ミハイルをッーーー」

「じゃあ・・・ちゃんと俺を見て」

妬みの籠った低い声に、視線を逸らしていると追いかけられる。目を合わせるのは危険だと指輪からも伝わっていた。

「俺から逃げないで」

「・・・・・・ッ・・・」

「先輩。こっち・・・向いてよ」

「やめてよ!!触らなッ・・・・・・!!」

いつまでも温もりを避けるように彼を見ないでいたら、ペンダントに人差し指が触れた。

ヒヤリとした感覚に顔をしかめているとグッと胸元に押し込まれてしまう。

「イッ・・・やめ、てッ・・・!!」

噛み跡がペンダント越しに触れ、肌に冷たい痛みを感じた。

「うっ・・・ッッ・・・!!」

ペンダントを押し込む指先からギッと睨みあげると、そこには欲で煮えたぎったアルノーがいた。

(目を・・・合わせて・・・しまった・・・)

「ふっ・・・やっと俺を見た」

「次、目を逸らしたら・・・」

一瞬、私の奥を見る。

アルノーから目を離さず慌てて首を振った。

「私は・・・あなたを・・・見てる、から。お願い・・・します」

「ずっと、そうしてください」

「はい・・・」

「これ、あげるって言われた時は嬉しかったな」

ペンダントのチェーンに指が移動し上に伝ってくる。

「全部、全部・・・俺に欲しい」

ゆっくりとチェーンを何度も往復して噛み跡の上をなぞられると、肌がぞわりとする痛みに堪えていた声が漏れてしまう。

「・・・ァっ・・・ィや・・・ンン゙」

チェーンを指に引っ掛け、グイッと引き寄せられると、より近くなったアルノーに飲み込まれてしまいそうになる。

「先輩、もっと・・・もっと俺を見て」

彼の端正な顔立ちが、嫉妬の色に満たされている。

独占欲のようなものを、剥き出しにした真っ黒な視線。それに見つめられると、瞳の奥から突き刺されそうなくらい、強い魔力を感じた。

「ほら、俺にもう一度、貴女の選択を教えてよ」

瞬きもせず私の答えを待っている。

(怖い・・・コワイ・・・苦しい・・・逃げられない・・・)

喉の震わせながら、奥から声を絞り出す。
しっかりとアルノーと目を合わせて。

「結婚、やめる」

「これから、私は・・・ 1人で生きていく」

「もう、私は、結婚しない」

「だけ、ど・・・アルノーの気持ちには応えられない」

「結婚しないんですね」

「そうだって言ってるでしょ・・・もう、わかって・・・」

「ミハイル・エンリーとの結婚をやめるんですね」

「そうだってば・・・ッーーーイヤッ!!」

「先輩」

「ングッ離れてッよッ!あなたの先輩も今日で最後!!」

ミハイルと結婚しないと伝えた瞬間、包み込んでいた力が強くなる。

逃げようとしても、逃げようとしても、あまりに強すぎて離れない。

「やめてっ、・・・ッてば!!!」

彼の胸の中で抵抗する私を嬉しそうに目尻を下げて眺めている。
その微笑みを浮かべる顔を睨みつけ、右手を振り払うように抵抗し続けていた。

ーーーギュウウウウッッ

「グッ、ぐる、じ・・・い・・・」

(つぶ、れ・・・る・・・)

それでも体を動かし、何度もアルノーを押し返していた。
私の動きを受け止めながら、一緒に揺れている彼はとても嬉しそうだ。

うっとりと溶けた眼差しで腕の中にいる私の瞳を覗き込む。

その黒さに背筋が凍った。

「俺が・・・ずっと、夢に見てた言葉だ・・・」

「諦めなくてよかった・・・本当に、本当に良かった」

「俺の恋は、叶わないって」

「俺は・・・ずっと報われないって」

「そう、思ってたのに・・・結末を変えるんだね、先輩」

「今度こそ・・・俺は貴女を手に入れる」

「無理!!!!あなたの気持ちには応えられないって言ったでしょっ!!!!」

「ごめんね、先輩」

ーーーキィイイイイイイインン

黒い魔力がアルノーの体を纏う。

シュルシュルシュルシュルーーー

大量の魔力が糸のように私に伸びていく。

「イッ・・・イヤアアアアアアアア!!!!」

ーーーググググググッ!!!

無数の糸が体を締め付け、全てを掴まれているような拘束魔法に、もう震えることも許されない。

「・・・っ・・・ふ・・・・・・」

(息、が・・・・・・心臓、が・・・・・・)

重すぎる黒い魔力に、耐えきれず壊れてしまいそうだ。

「・・・アっ・・・ル・・・ノ」

「俺が怖い?」

顔が動かせない。

視線も動かせない。

全部彼に囚われてしまった。

「じゃあ、声だけ聞いてて」

優しい指が髪をかけると耳に唇が触れている。

ーーー貴女が欲しい

温かい息がかかり、ぞわりとするがどこも動かせない。

「今から貴女は俺のもの」

「貴女の人生は俺が貰う」

「もう・・・誰にも渡さない・・・」

「俺だけのマール・ダレロワ」

ーーーちゅ、っ

ゆっくりと耳から甘い唇が離れ、口以外動かせない私は、アルノーと見つめ合っていた。

「ふふっ、これからはずっと一緒です。先輩」

(どうして・・・こうなるの・・・全部、私は、間違えたの・・・)

私はまた、捕まってしまう。

「ッはっ、はッ・・・人形に、するの・・・」

「どうせ、俺には心をくれない」

「でもその瞳に俺だけが映るのなら」

「人形でも、なんでも、全部欲しい」

ーーーギギギギギッ

魔力の糸の締め付けが強くなり、アルノーの大きな右手と絡むように握り合っている。

「あ"あ"あ"あ"ッ!!!」

「幸せにします」

甘い吐息を零しながら、魔力で縛り付けられている私を眺めている。

「かわいい・・・早く連れて帰りたい・・・」

「ふふっ、俺のマール」

「怖いのもすぐ終わるから、そうしたらたくさん甘やかしてあげる」

「ごめんね、よしよし」

甘く見つめるアルノーと視線を絡ませ、かわいいと言われながら頭を撫でられている。

「あ、後ろは見ない方がいいっすよ。今」

「先輩、もっと怖がっちゃうから」

「まあー・・・今、貴女は俺しか見れないんですけどね」

「怖いよね、ごめんなさい。でもそんな顔もかわいい・・・」

「じゃあ、始めますね」

恐怖でもう、涙も出なかった。

撫で終えた手がアルノーの元へ戻ると腰から黒い服を持ち上げている。

そこから色白い肌が覗き、腹筋が見えると更に服を捲りあげていく。

「マール、見てて」

ついに彼の胸板まで露になった。

「俺のものにするから」

捲りあげる服を口で咥えると、指が心臓の位置を撫でていた。

その爪が、黒に染まっている。

指先に目を奪われていると、心臓から真紅の光が溢れ出している。

そこから黒い紋様がブワリと肌に現れた。

(なに・・・これ・・・こんなの・・・)

とてつもない危険を感じ、手を動かそうとしたら・・・私の爪も黒に染まっていた。

「イヤ・・・嫌だ・・・嫌だ嫌だイヤダッ!!!!」

(あああああああ・・・・・)

私に紋様を見せながら、その手が両手に包み込まれてしまう。

お互いの爪は真っ黒だった。

「やめて・・・もう、やめてよ・・・お願い・・・だからあ・・・」

「ふふっ」

そこから黒い紋様が動き出すと、両腕から私の手に向かってきている。

(ダメだ、ダメだ、ダメだーーーーー)

手の甲がジリリと熱くなる感覚に目を閉じた。

(もう、だめだ・・・)

ーーー・・・・・・め、ない

(ミハイル、ダメ、起きちゃダメ!!!!)

ミハイルを守りたい一心で、左手を握った。

ーーーマール

『諦めない』

ーーーパキィイイイイイイインン

ミハイルの想いと共に拘束魔法が解かれる。

グッと強く引かれ、後ろから守るように抱きかかえられた。

指輪と隙間なく握られると、一緒に左手をアルノーの心臓に向けてかざす。

ーーーーパァアアアン!!!!

アルノーが吹き飛び、激しく壁にぶつかる。

その激しい反動で私達も後ろへ倒れ込んだ。

ーーードサッッ!!

向こうもズルズルと床に座り込み、結界の壁には激しい血の跡ができていた。

「そ、んな・・・そんな・・・そんなあッ・・・」

指輪と絡めていた手の力が抜け、そこからすぐに起き上がる。

「ミハイルっ!!!」

倒れてしまったミハイルとアルノーを交互に眺めた。

白い息が・・・見えない・・・

2人とも、もう息がほとんどない。

「アルノー・・・!!」

指輪を握られ彼の心臓に向かって放った左手の感触が忘れられない。

「なんてことを・・・」

ガタガタと震わせながら指輪していた手を見つめる。

後ろで倒れているミハイルを見つめて、向こうで項垂れているアルノーを眺めた。

(どうして・・・どうしてなの・・・!!!)

ミハイルもアルノーも私が関わるから、ここまで身を削りあっている。
もう罪悪感に耐えられなくなり、倒れる2人を交互に見ながら、私は叫んだ。

「許さない」

「どうしてこうなるの」

「なんでここまで、するの」

「だから私はこの結末を選ばないんだよ」

「ねえ、なんで分かってくれないの?」

「もう私のことで傷付けあって欲しくないの!!」

「私の居場所も、日常も、守っていらない。支えて貰わなくていい」

「ただ、生きて欲しい」

「貴方達に・・・生きていて欲しいの」


私の両手は自由になっていた。

左手を目線まで持ってくると薬指を見つめる。

(綺麗な・・・指輪・・・貴方と同じだね)

『絶対に外すな』

『外さないでくれ』

『この指輪は、最後に君を守るものなんだ』

ミハイルに言われた言葉を、あの時の怒った彼の表情を、思い返しながら指輪をそっと外した。

「ごめんね、ミハイル」

「ずっと外さないでって言われてたのにね。もう、怒らないでね」

彼が元々着けていた小指にはめる。

「約束、破ちゃった」

冷えているその手をぎゅっと握って私は2人に聞こえるように話す。

「もう何も貰わない、欲しくない、全部いらない」

「だけど、こんなところで・・・こんな形で・・・」

「終わらせない」

「こんな結末にはしない」

「全部、全部・・・変えてやる」

「何度でも、私が変えてやるッ!!!!」

私も魔力が尽きているので、誰も助けることが出来ない。

体力も、もう底を尽きていた。

(それでも私が、なんとかするんだ)

指輪をはめた手を、ミハイルの体の上に置こうとするとグッと引っ張られる。

「ーーーーんッッ」

ミハイルと唇を重ねていた。

その唇は、とても甘くて、優しくて

触れているだけの口付けが、胸が張り裂けそうになるほどの痛みを感じた。

『マール』

愛情を注ぐように、唇から彼の魔法を受け取る。

私の体はぽかぽかと体温を取り戻し、溢れるように体力は回復していた。

とても優しい唇がちゅっと離れると、ミハイルはだらりと力が抜けてしまった。

きっと残りの魔力を使い切ったのだ。

「ミハイル!!!!!!」

ミハイルの瞳は開かない

話すこともできない

この声が届いているのか分からない

強力な魔法がかけられている。

「ミハイルっ、ミハイルッ!!」

しがみつくようにミハイルの心臓の音を確かめていると、彼の腕に包み込まれる。

触れる手は私の存在を確認しているようだった。

「ミハイル、大丈夫だからね!私が貴方を必ず助けるから!!」

ミハイルはそこから私を起き上がらせると、優しい手がトンと押すように離れる。

ーーー逃げてくれ

「そんな、、、そんなッ・・・!」

家の方へ向かうように、ミハイルは私を押していた。

そこから顔を上げ家が視界に入ってくると、向こうでこちらを見て、くたりとしているアルノーと目が合う。

「私は・・・私は・・・」

家の方から振り返り、2人の白い息を確かめるように視線を何度も往復させていた。

(どうする・・・どうする、どうする、どうする!!)

ーーーまた、私は選択しなければならない
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