魔物と共にこの過酷な世界を生きる。

やまたのおろち

文字の大きさ
36 / 61
2章

拠点建築

しおりを挟む
新しくシーサーペントのサルヴァントを仲間にしたことだし、ここに用はもうない。カリヨネッタに帰ろう。
いつもキジクジャクやヴァイに乗ってばっかだったし、たまにはマティスに乗って帰るか。

「グォ!」

マティスにカリヨネッタまで帰るよう頼んだ。てかなんかさっきから湖の方がチピチピチャパチャパうるさいな。何があったのかな?ちょっと見てみよう。

「うわー…」

キラーピラニアが仲間割れしてる…怖すぎるだろ。仲間にしようと思ったけど…これはちょっとやめておくか。


道中でヘルハウンドやワーウルフなどに絡まれたが難なくカリヨネッタに帰ってこれた。

「まあラミアと出くわしたときはちょっとやばかったけどな…」

ラミアは誘惑スキルを持つ魔物である。一度術中にかかれば完全に彼女の虜となってしまうのだ。まあ…

「女性陣でゴリ押したけどな」

「ッ」 「ゴシャー!」

ヒロイン(カメ)とヒロイン(ヘビ)がなんとかしてくれた。擬人化?なんですかね、それ。ははは。

「で、本題に入ろう」

しばらくアガスたちは帰ってこれないだろう。チハイザメ元出現区域の調査はかなり時間かかるだろうし。なんてったって…そこそこ前に討伐したクロツバサの方すらまだ調査は終わっていないのだ。

「まあ…あれはクロツバサの出現区域が広すぎるからってのはあるけど」

どちらにしろ、仲間たちが帰ってくるまで最低1週間はかかるだろう。

「じゃあ1週間春休みっていうのもあれだし…前から考えてたマイホームの制作でもやるか」

そう、拠点を作ろうではないか。一生宿の中で寝泊まりしてたまるかってんだ!


「他にもいい加減装備の新調とかしたいよなぁ。なぁ、オリオン」

「モヒィ」

ミスリル装備もだいぶボロボロになってきたからいい加減変えたいんだよね。アダマンタイト製の装備とか買いたいけどどこで売ってるんだろうか。

「とりあえずまずは拠点作りから始めよう」

最初にやるべきことは…


「この国の敷地に自分の拠点を作りたい?構いませんよ、そのくらいは」

みんなこの人のこと覚えてるだろうか。そう、カリヨネッタの宰相である。

「宰相殿の気遣いに感謝致します」

「いえいえ、そんな頭なんか下げなくても。それに、ミナト様が拠点を作っていただいた方がこちらとしてもいいので」

「?」

「あなたは【剣聖】ファルコ、【魔人】ケイカと並ぶ強者として最近有名なんですよ。立派な拠点を作ってくださればその分近隣諸国に威圧をかけれるので」

もしかしてこの宰相、どっかの国と戦争になったら俺を大将として担ぎ込む気じゃないだろうな?????
てか俺が強者なんじゃなくて仲間が強いだけなんよ。多分俺とファルコさんでタイマンしたら一瞬でひき肉になっちゃうよ?

ま…まあ何はともあれ。拠点を作る許可もあっさり取れた!みんなで協力して自分だけの拠点作っちゃうぞー!!!


「なあ、立地どこがいいと思う?」
「ヒョロロー!」
「ガァ!」
「ニャ!」
「「「シャー」」」

すげぇ、見事に意見が分かれた。どーしよ…


「クェ!クェクェ!」
「キュー!キューーッ!」

「わかったわかった!ほらそこ、喧嘩するな!」


「これでいいかな?」
「ゴシャー?」
「!」
「ツクツ」

アオ、マレム、キジクジャクの3人天使すぎるだろ。他の奴らも見習え。


「ッ!!!」
「ゴァー!!!」
「アァ!」

問題児3人組…………

翌朝。
「うおおおおおやっと決まったああああ!!!」

あかん、場所取りだけで1日使ってしまった。サルヴァントすら余裕で入れそうなくらいデカい汽水湖も近くにあるし、サヴァルト村からもそんな遠くないし、何より景色もいいし。最高だね、ここは。全く関係ないが、サルヴァントとサヴァルト村って名前似すぎじゃないか?あとファルコとファルドも。俺のネーミングセンス?よ………まあそれはともかくだ!

「それでは各自、キビキビ働いてくれ!」

「「「シャー!!」」」
「ゴァー!」
「ファーwww」

おい。誰か今俺のこと煽ったか?


「べヒャァ!」
おお、これがベヒモスの鳴き声か。この三匹のベヒモスたちは俺の魔物ではなく、国から借りたものだ。いわば、派遣社員。

「ベヒモスは土木作業がめっぽう得意らしいからな。存分に働いておくれよ」

ベヒモスはアオの指示を聞き、せっせと働いている。ちなみに、アオの役割は監督だ。最初は俺がやろうとしたんだがアオがどうしてもと言ってたから。

ファルドの5本の首が意外な器用さを見せつけながら丁寧に家を作っている。首同士の連携プレーいいね!…いやまあファルドは前にも説明した通り真ん中の頭にしか自我はないんだけどな。他の頭は目とかがついた手みたいなもんなんだって。

バサやアルタイルたちが資材の輸送を担当してるんだ。へぇ…組み立てはメアリやオリオン、マレムとかがやってるんだな。

「ゴシャー!」

なんかアオが言ってる。なになに…あとは自分たちでやっておく、完成したら呼ぶからそれまではどっかで遊んでて欲しい、だって?

「ハードルめっちゃ上げてきたな!そこまで言うなら期待しちゃうよ!?」


拠点の完成がめちゃくちゃ楽しみになってきた。とりあえず拠点完成まで街の方にでも行ってぶらぶらしようかな。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~

テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。 しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。 ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。 「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」 彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ―― 目が覚めると未知の洞窟にいた。 貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。 その中から現れたモノは…… 「えっ? 女の子???」 これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる

家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。 召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。 多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。 しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。 何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。

処理中です...