魔物と共にこの過酷な世界を生きる。

やまたのおろち

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2章

純白

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俺は拠点が完成するまでカリヨネッタ首都でもふらつくことにした。道中セイバータイガーとかの魔物が襲いかかってきたが、血吸いアリゲーターのリゲルを護衛に引き連れてたのでなんとかなった。

「すげぇな、めちゃくちゃ賑わっとる」
「ザァー」

魔物使い差別の文化も消滅したし、三怪物討伐の実績を残しまくってるからな。今現在カリヨネッタは世界の注目の的なのだ。

「ザァザァ」
「ああ、ごめんごめん」

つい歩くのを止めてしまった。ちなみにアカタキと同じくカリヨネッタは街の道端に魔物を出してもとくにお咎めはない。やっぱ魔物と共存してる国だからな。そのまま適当な店にでも入ろうと…


「すみません!サインください!」

おっと?

「前々からファンだったんです!」
「キャー!本物ー!?」

はい、俺の時代。まあ、これが正当な評価だよな。だって僕、カリヨネッタ最強だもん。最高峰の魔物使いだよ?今までがさ、おかしかったんだよね

「そんな焦らないで焦らないで!ほら、順番に整列整ぐふぁ!?」

俺のこと脇目も振らずに向こう行ったんだが。はぁ?

「まさか魔導国が誇る大賢者のケイカさんに出会えるなんて!」

「ケイカさんの魔法、見てみたいです!」

「えー、そうだねぇ。こんな街中じゃアレだし、ちょっとした手品でもいい?」

いや誰だよケイカって………あー!!宰相が言ってた人だ!確か魔法大国マドロの最高戦力とかなんとか。
本来なら声かけするべきなんだろうが、さっきのアレが恥ずかしすぎてそんなやる気は出ない。聞かなかったことにしよ……

俺は面白そうなものを取り扱ってる店を見つけたのでそこに入ってみた。

「へいらっしゃい!」

ちょっと太ってるおじさんがいた。まあそれはともかく。

「この店ってブラッドタイガーのサドル扱ってますか?」

「おう、もちろん扱っとるよ!こいつだ。結構高品質なはずだぜ?」

そう、この店はなんと魔物のサドルを売ってるのだ。ブライガーに乗ってると今までお尻痛かったし、ブラッドタイガーのサドルでも買ってみることにした。

「そうだな…血吸いアリゲーターのサドルとかもください」

「あいよ!」

というわけで、ブライガーとリゲル用のサドルを買ってきた。我ながら、有意義な時間を過ごしたと思う。他にも装備品や食材など買っておこうか。


「(ゴシャー)」

あ、とうとう拠点ができたみたい。なんかベヒモス3体がめちゃくちゃ仕事してたらしいわ。やはり雇って正解だった。

「拠点ができたみたいだし、もう帰ろうか」
「ザァ」

かなりの自信作らしいし、これは期待してしまうわ。もしかしたら大豪邸でも建ててるんじゃないか?彼らならそのくらいやってくれそう。村の名前どうしよう。エデンシティとかそんなのがいいよな。やっぱさ、一国が誇る最高戦力なんだからかっこよくしないとな。ああ、妄想が止まらん。


「ゴシャ!」

なんということでしょう。あのだだっ広かった草原が…

「なんだこれ」

たくさんの豆腐みたいな形や色の家が並んでいる。これぞまさしく真の豆腐建築ってわけか!

「」
「ゴシャ!」
「モヒィ!」

すごい。めっちゃ満足気な顔してる。やっぱ人間の感性と魔物の感性って違うんだな。

でも、彼らが一生懸命作ってくれた村だ。褒めておこう。

「よくやった!感動した!」

本当はアマディアスとかみたいな名前をこの村につけようと思ったのに豆腐村になってしまった。もういいよ、この村の名前豆腐村にする。

別に俺が住むだけなら村じゃなくてもよかったんだけどアガスたちにも家をプレゼントしたいなと思って作ってたら自然と村になっていた。まあ、めっちゃ小規模な村だけど。

「でもなんかプレゼントしたら引かれそうな気がしてきた」

まあ…彼ら優しいし、大丈夫だろ。
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