5 / 17
五話
しおりを挟む
「痛いのは我慢しろ」
「いるし……」
後ろには当たり前というような顔をしながら突っ立っているツバサがいた。
突然、地面がなくなったら普通驚くのが妥当ではないのか。
「ここは、記憶のセカイ。記憶のカケラより巻き込まれると厄介だ。最悪の場合、助けられない」
「記憶のセカイ……この鳥籠に入っている光がそうなの?」
視線を目立っている光へと向けた。中に入っている光は、青や紫、赤、黄色、などといろんな色がある。
「そうだ。あまりむやみに触らぬほうがいい、簡単に巻き込まれる。カケラの場合声とかで来るからわかりやすいんだが、記憶の場合はいつの間にか巻き込まれているんだ」
「あ~、だから、カケラの場合は惑わされる、で記憶の場合は巻き込まれる、なのか」
カケラは声とかで惑わしてくるから、惑わすで。記憶はいつの間にか巻き込まれるから、巻き込まれる、なのだ。
「まぁ簡単な事だ。カケラの時は声が聞こえたらすぐ逃げればいいし、記憶の場合は何かしら絶対違和感が生まれる。それに気づいた時、自分がいる近くにヒビが入っているはずだ。そこを殴れ」
「物理的だね……」
「まぁそうだな。正当法はこのカギを使うのだが、渡すのが駄目だし、そもそもカギを使うのが面倒くさい」
どこからか、上の方にハートの形をした宝石が埋め込まれているカギを取り出した。それも雫の形をしたカギと同じだ。
「正当法なんてあるの!??」
「は?あるだろ」
当たり前だと言われているような返答だが、ツバサは当たり前なんて飛び越えていると思う。
だから、驚いたのだがそれを普通だと勘違いしているツバサがすごい。
「さて、どうする?何の記憶から見るか?不が多い記憶からか幸が多い記憶。不が多い記憶は辛いだろうが………」
「不が多い記憶から見てみたいかな……」
「そうか、珍しいな。大体が幸が多い記憶から見る。まぁいいだろう、青と紫その系統の色をこの中から選ぶがいい」
浮かんでいる鳥籠に入った光、記憶へと指を指した。
最初に不の記憶から終わらせたほうが早いと思ったからだ。精神的にも楽というのもある。
辺りを見回すと、記憶がいっぱいあるがその中でもなぜか印象的なモノに指を指した。
印象的、というかなんというか生きてるような感覚がしたのだ。
「これ……」
「それは………運が悪いのか、良いのかわからんな」
一瞬目を見開いたがすぐさま元の表情へと戻った。はぁと深いため息をついている。
「え?なんか駄目だった?」
「駄目ではない。ただ、それは…いらない記憶なんだ」
「へ?」
思わず腰を抜かしてしまった様な声を出してしまった。
いらない記憶、いろんな情報が脳に流れ込んできて理解が追いつかない。
「記憶には稀にいらない記憶というものが生まれる。人間は夢を見て起きたら忘れてるだろ?それは脳がいらないと判断してるからだ。それと同様、脳がいらないと判断したものはいらない記憶へと分担される」
「いやでも、ここは忘れられた記憶が集まる場所なんだよね。忘れられた、といらない、って何が違うの?」
「簡単だ。いらない記憶は本当にいらないもので、忘れ去られた記憶はいるものなのだ。そして、いらない記憶は色が一応つくが関係ない。だから、わかりにくいのだ……というか、お前馬鹿か?」
同い年くらいに馬鹿と言われ、少しだけ腹が立ってしまった。
確かに、いらないと忘れたがわからない馬鹿だが、年齢的にもしょうがないだろう。
「こっちはまだーーあれ、自分って何歳だっけ……」
「ほらな、ここに居すぎると記憶を失くす。というか、一番最初の方は精神年齢的にも幼く見えたが、今のお前は大きく見えるな」
「一言無駄だよ」
そういえばそうだ、自分は何歳なのだろうか。生まれてから、記憶があまりない。
これも、ここにいるせいなのかもわからなかった。
「そろそろ、見に行くか。いらない記憶だし少しだけお前が耐えられるか実験をしよう」
「行く?どうやって」
「僕の服を掴め」
言われたとおりに、ツバサの服を掴んだ。裾の端っこで少しだけ掴んでいる。
ツバサは僕が掴んだのを確認すると、そのいらない記憶へと手を伸ばした。
「行くぞ」
「いるし……」
後ろには当たり前というような顔をしながら突っ立っているツバサがいた。
突然、地面がなくなったら普通驚くのが妥当ではないのか。
「ここは、記憶のセカイ。記憶のカケラより巻き込まれると厄介だ。最悪の場合、助けられない」
「記憶のセカイ……この鳥籠に入っている光がそうなの?」
視線を目立っている光へと向けた。中に入っている光は、青や紫、赤、黄色、などといろんな色がある。
「そうだ。あまりむやみに触らぬほうがいい、簡単に巻き込まれる。カケラの場合声とかで来るからわかりやすいんだが、記憶の場合はいつの間にか巻き込まれているんだ」
「あ~、だから、カケラの場合は惑わされる、で記憶の場合は巻き込まれる、なのか」
カケラは声とかで惑わしてくるから、惑わすで。記憶はいつの間にか巻き込まれるから、巻き込まれる、なのだ。
「まぁ簡単な事だ。カケラの時は声が聞こえたらすぐ逃げればいいし、記憶の場合は何かしら絶対違和感が生まれる。それに気づいた時、自分がいる近くにヒビが入っているはずだ。そこを殴れ」
「物理的だね……」
「まぁそうだな。正当法はこのカギを使うのだが、渡すのが駄目だし、そもそもカギを使うのが面倒くさい」
どこからか、上の方にハートの形をした宝石が埋め込まれているカギを取り出した。それも雫の形をしたカギと同じだ。
「正当法なんてあるの!??」
「は?あるだろ」
当たり前だと言われているような返答だが、ツバサは当たり前なんて飛び越えていると思う。
だから、驚いたのだがそれを普通だと勘違いしているツバサがすごい。
「さて、どうする?何の記憶から見るか?不が多い記憶からか幸が多い記憶。不が多い記憶は辛いだろうが………」
「不が多い記憶から見てみたいかな……」
「そうか、珍しいな。大体が幸が多い記憶から見る。まぁいいだろう、青と紫その系統の色をこの中から選ぶがいい」
浮かんでいる鳥籠に入った光、記憶へと指を指した。
最初に不の記憶から終わらせたほうが早いと思ったからだ。精神的にも楽というのもある。
辺りを見回すと、記憶がいっぱいあるがその中でもなぜか印象的なモノに指を指した。
印象的、というかなんというか生きてるような感覚がしたのだ。
「これ……」
「それは………運が悪いのか、良いのかわからんな」
一瞬目を見開いたがすぐさま元の表情へと戻った。はぁと深いため息をついている。
「え?なんか駄目だった?」
「駄目ではない。ただ、それは…いらない記憶なんだ」
「へ?」
思わず腰を抜かしてしまった様な声を出してしまった。
いらない記憶、いろんな情報が脳に流れ込んできて理解が追いつかない。
「記憶には稀にいらない記憶というものが生まれる。人間は夢を見て起きたら忘れてるだろ?それは脳がいらないと判断してるからだ。それと同様、脳がいらないと判断したものはいらない記憶へと分担される」
「いやでも、ここは忘れられた記憶が集まる場所なんだよね。忘れられた、といらない、って何が違うの?」
「簡単だ。いらない記憶は本当にいらないもので、忘れ去られた記憶はいるものなのだ。そして、いらない記憶は色が一応つくが関係ない。だから、わかりにくいのだ……というか、お前馬鹿か?」
同い年くらいに馬鹿と言われ、少しだけ腹が立ってしまった。
確かに、いらないと忘れたがわからない馬鹿だが、年齢的にもしょうがないだろう。
「こっちはまだーーあれ、自分って何歳だっけ……」
「ほらな、ここに居すぎると記憶を失くす。というか、一番最初の方は精神年齢的にも幼く見えたが、今のお前は大きく見えるな」
「一言無駄だよ」
そういえばそうだ、自分は何歳なのだろうか。生まれてから、記憶があまりない。
これも、ここにいるせいなのかもわからなかった。
「そろそろ、見に行くか。いらない記憶だし少しだけお前が耐えられるか実験をしよう」
「行く?どうやって」
「僕の服を掴め」
言われたとおりに、ツバサの服を掴んだ。裾の端っこで少しだけ掴んでいる。
ツバサは僕が掴んだのを確認すると、そのいらない記憶へと手を伸ばした。
「行くぞ」
0
あなたにおすすめの小説
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
緑色の友達
石河 翠
児童書・童話
むかしむかしあるところに、大きな森に囲まれた小さな村がありました。そこに住む女の子ララは、祭りの前日に不思議な男の子に出会います。ところが男の子にはある秘密があったのです……。
こちらは小説家になろうにも投稿しております。
表紙は、貴様 二太郎様に描いて頂きました。
そうして、女の子は人形へ戻ってしまいました。
桗梛葉 (たなは)
児童書・童話
神様がある日人形を作りました。
それは女の子の人形で、あまりに上手にできていたので神様はその人形に命を与える事にしました。
でも笑わないその子はやっぱりお人形だと言われました。
そこで神様は心に1つの袋をあげたのです。
お姫様の願い事
月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。
悪女の死んだ国
神々廻
児童書・童話
ある日、民から恨まれていた悪女が死んだ。しかし、悪女がいなくなってからすぐに国は植民地になってしまった。実は悪女は民を1番に考えていた。
悪女は何を思い生きたのか。悪女は後世に何を残したのか.........
2話完結 1/14に2話の内容を増やしました
かつて聖女は悪女と呼ばれていた
朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
「別に計算していたわけではないのよ」
この聖女、悪女よりもタチが悪い!?
悪魔の力で聖女に成り代わった悪女は、思い知ることになる。聖女がいかに優秀であったのかを――!!
聖女が華麗にざまぁします♪
※ エブリスタさんの妄コン『変身』にて、大賞をいただきました……!!✨
※ 悪女視点と聖女視点があります。
※ 表紙絵は親友の朝美智晴さまに描いていただきました♪
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる