私の婚約者をとった妹は婚約者に絶望する

さくらもち

文字の大きさ
74 / 99
第四章 終わらない

七十話(メフィスト視点)

しおりを挟む
「さて、あの子を絶望させるためにどうしますか………」

 今、リリアナは元のところに帰りたがっている。ということは、帰りたくないと思わせればいいのだ。

 あのリリアナが一番気にかけていたテクディアが死んだ姿を見せたらどうだろう。
 そしたら、リリアナはきっと元のところに帰りたいなんて思わなくなる。

「おや、どうしたの?」

「アイテール………かくかくしかじかで……」

「へぇ……そうなんだ」

「通じたんですか?」

「僕は神だからね」

 この世にかくかくしかじかで通じるのはボケとして受け取ってほし感があった。
 アイテール、あまりよく覚えてはいないが、天空神だった気がする。

「んで?リリアナが構ってくれないからどーすればいいの?って事でしょ?」

「まぁ、そうですね」

「縛らなくて良くない?あの子の好きにさせれば??」

「そしたら……」

「お前の元伴侶みたいに死ぬかもって?過保護すぎるのは良くないよ」

「過保護ではありませんよ」

「過保護。あの子の能力は、使うだけ自身に呪いがかかる。そして、あの能力の別名「神殺しの能力」そんなんもあの子に明かさないの?」

 やれやれというように言葉を繋げていく。神殺しの能力と言われたときも確かにあった。
 彼女もそう言われ、他の神からも嫌われていた。

「神殺しの能力なんて……可哀想すぎますよ。リリアナだってやる気があるわけではありません」

「けど、本当でしょ?あの子の能力は神よりも上に行く。きっとこの世界での最高傑作。神だってあの子は殺せるはず」

「ですが……!なぜ、呪いがあるからと神を超える力があるだけで、生贄とされるんですか……!?」

 思わず大きな声で言ってしまった。
 そんなただそれだけの理由で、ほしいと願った力でもないのに差別されてしまう。

「この世は神が一番だという理があるから、ただ、それだけのことさ」

「………そうですね」

「ま、どーするかは自分で決めなよ。僕はあの子にかけるけどね。世界の全てを」

「………僕は、かけませんよ。あの子を鳥籠に閉じ込めるのは僕です」

「ふふ…っ……なら、ちゃんと鍵をかけなよ?羽ももぎ取って、もう二度と羽ばたかせないのように。逃げないように、ね」

 きみの悪い声でそう微笑んでいた。少しだけ、というかたまにこういうスイッチが入る。

「わかってます」



 神殺しの能力、そう言われたのはもう一つの理由がありました。

 その呪いは、世界の理を捻じ曲げるほど強く、神にすら解けぬ呪い。
 永遠ノ壊れた呪いとも呼ばれているそうです。

 さて、なら神は誰が作ったのでしょうね。

 ふふ…っ…呪いは永遠に。

 王子様のキスでも目覚めません。

 全ては物語の幕を閉じたあとのお話。


しおりを挟む
感想 237

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。

〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····

藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」 ……これは一体、どういう事でしょう? いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。 ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した…… 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全6話で完結になります。

義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜

有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。 「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」 本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。 けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。 おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。 貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。 「ふふ、気づいた時には遅いのよ」 優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。 ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇! 勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

その支払い、どこから出ていると思ってまして?

ばぅ
恋愛
「真実の愛を見つけた!婚約破棄だ!」と騒ぐ王太子。 でもその真実の愛の相手に贈ったドレスも宝石も、出所は全部うちの金なんですけど!? 国の財政の半分を支える公爵家の娘であるセレスティアに見限られた途端、 王家に課せられた融資は 即時全額返済へと切り替わる。 「愛で国は救えませんわ。 救えるのは――責任と実務能力です。」 金の力で国を支える公爵令嬢の、 爽快ザマァ逆転ストーリー! ⚫︎カクヨム、なろうにも投稿中

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

婚約破棄で見限られたもの

志位斗 茂家波
恋愛
‥‥‥ミアス・フォン・レーラ侯爵令嬢は、パスタリアン王国の王子から婚約破棄を言い渡され、ありもしない冤罪を言われ、彼女は国外へ追放されてしまう。 すでにその国を見限っていた彼女は、これ幸いとばかりに別の国でやりたかったことを始めるのだが‥‥‥ よくある婚約破棄ざまぁもの?思い付きと勢いだけでなぜか出来上がってしまった。

処理中です...