異世界生活の送り方を間違えている気がする?

香奈恵

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二章 魔族地方

四十七話 カムリと死屍累々

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【四十七話】

魔王軍に任せるわけにはいかない。こんな奴、無駄な犠牲を大量に生むだけだ。
俺も死ぬつもりは無いが、1人でやれる所まではやってやる。

「全っ然止まらねえ…!」

立ち止まって考えている暇等ない。
なぜなら、俺の走った跡に次々と矢が刺さってゆくからだ。

ガキは俺と並行に走り、男から奪った矢筒を抱えている。矢を空中にばらまいたかと思うと、勢いよく発射される。

それを全速力で走って避けながら、必死の判断を下して攻撃をする。

俺の剣は毎回受け止められ、意味を成さない。

どうする…? このまま平原にいても走り回るだけ。体力が尽きるのは時間の問題だ。

「だとしたら…」

さっきの森へと向かう。木が盾の代わりになってくれるといいのだが、周りの空気までも引き込む速度の矢を木一本で受けきれるのだろうか。

森に入り、木を避けながら奥へ向かう。

「はあっ、はぁ、はぁっ…キッツ…」

一瞬もスピードを緩められない。
矢を受けた木は前後に大きく揺れ、葉を落とす。

どうしたら倒せる?
何が弱点で何が効くのか…それを知らないと話にならない。

今は逃げ切る。一度体制を立て直さないと。

木を避けるのも辛くなってきた。かなりまずい。このままだとやられる…。

こんな時に役立ちそうな魔法なんて使えない。
剣も単純攻撃では受け止められる。
肉弾戦では勝てない。

こんな奴、魔王軍の幹部でも倒せないんじゃないのか? 魔王が持っていた剣の力があってもコレだ。
一体アイツは何物なんだよ!

目前に崖が見える。
かなり深く、下の緑は薄くなっている。

…でも今は!

思い切って飛び出す。体は風を受けながら下へと落ちていく。

崖の上にガキが見える。
弓を構えた。

やばっ…!

放たれた弓が左脚をかすった。
もう一発は岩に跳ね返り、もう一杯は顔の横を掠める。

くそっ、空中じゃ不利だ!

矢が顔へと迫る。
一か八か、固定魔法をかけてみた。

すると矢は空中で止まる。
成功した…!

次に来た矢も同様に止め、そして地面が近づく。
体を捻って足を着地させ、そしてすかさず前転する。

着地地点に無数の矢が降り注いだ。どれだけ矢あるんだ!? もしかして増殖とかさせてるんじゃ…。

前を向いて走ると、洞窟が見えてきた。幸いまだガキは地面へと着地していない。

今の内に隠れないと。

走って洞窟の暗がりへと向かい、岩陰に身を潜める。奥へ進んで少しした頃、後ろで大岩が降ってきた様な音がした。
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