異世界生活の送り方を間違えている気がする?

香奈恵

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二章 魔族地方

四十八話 カムリと死屍累々

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【四十八話】

大きな音がしてから数秒後、木が一斉に吹っ飛ばされた様な音がした。
地面の砂や石が舞い上がって洞窟の入り口に降り注ぎ、雨のような音を洞窟内に響かせる、

岩影の横を見ると、人工物のような狭い通路があった。

…ここも魔王軍が作ったのか?

静かにそこへ入り、奥へと進むと大きな地下通路に出た。明かりはないが周りは見える。

暫く使われていないのか汚れていて、水の雫が垂れる音がこだまする。

狭い通路を近くにあったガレキで塞ぎ、大きな通路を全力で走る。
足音を立てないように靴を脱いで走った。

くねくねした通路は道が分かれていて、とりあえず前にすすめる道を選択して走る。

「本当にここ出口あるんだよな?」

変な所に出たらどうしようか、と思うが今は逃げる事に集中。

走っていると、後ろで岩が砕けて破片が壁に当たって散る音が聞こえ、ビクッとする。

まだ遠くだが、ここが見つかったとなると多分俺がいる事も分かっている。

「くそっ、くそっ! どうなってんだよ!」

異世界に来て第一に強力な剣を手に入れ、その先の人生は苦のない、楽でそして活躍出来るものだと思っていた。

魔王なんて弱いと思っていた。
戦ってはいないし、そもそも戦闘自体少なかったが。

よく見るラノベのチートストーリーだと思っていたのに…、こうして今、魔王でもない奴からなす術もなく逃げている。

ほんと、どうなってんだよ…!
聞いてないぞこんな戦闘があるなんて!

天井の壁が崩落している音が聞こえる。
通った後がそうなってるということは、周りを破壊しながら進んでいるのだろう。

天井を見上げる。

壊せそうか…?

剣を投げると、壁の岩の一枚が落ちてきた。

これならいけるかもっ。

走りながら天上の壁にどんどん剣を投げつけていく。壁はガラガラと落ち、通路はみるみる塞がってゆく。

少しの時間稼ぎにはなるだろう。

通路に響く大きな音で足音や息遣いは掻き消される。

向こうに小さな光が見えた。出口だろうか、人工の光ではない。

剣を天井へ投げるのを止め、痛んできた足を前へ前へと突き出してその光へ走る。

光が大きくなるにつれて反響音も小さくなり、出る頃にはほぼ聞こえなくなっていた。

入口をまた崩し、周りを見渡しながらも足を止めない。木が並び、奥には湖、そしてその脇には白い城壁。

「まずい、人間地方だ…!」

こんな所で引き返せない。
ええい巻き込まれた奴は運が悪い! 俺を恨むなよ!!
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