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二章 魔族地方
五十八話 魔王城
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「…ん…あれ寝てました…?」
乾燥した目を擦りながらゆっくりとソファから起き上がる。掛けられていた上着が床に落ち、それを拾い上げながら裸足を床に付けて立ち上がった。
「えと、今何時でしょうか…時計…時計…」
視界が霞んで奥にあるはずの時計の針が見えない。どれくらい寝たのかはわからないけど、外が暗いってことは少なくとも3時間は寝たことになるよね。
ふらつく足で側の椅子に座っているツバキの前へと向かい、肩を叩く。
「ツバキさんー、寝てるんですか? そろそろ起きないとーーーお腹も空いてます」
「…ああ、起きたか…」
ツバキは目を開けてすぐに立ち上がり、手首を伸ばしてからこちらを向く。ーーーこうしてツバキさんの顔をちゃんと見るのは数日しかたっていないけどとても懐かしく感じる。寝る前に感じていた疲労感と眠気、寂しさはすっかり収まっていた。
「…ほんとに、良かったです」
【五十八話】
窓の外はもう暗い。等間隔に並べられた照明に照らされた廊下をメグリと俺は少し早歩きで進んでいく。俺は寝るつもりも無かったのだが…どこかで疲れていたのかもしれない。とにかくさっさと魔王の部屋に行って報告して…そうだクルト達は今どこだ?俺達の家も知らないはずだし…。
「ツバキだ、入るぞ」
「遅いわよ…とにかく入って」
木製の大きめの扉を開き中に入る。クルトとリンは手前のテーブルに座っていた。こちらに気付くと席を立ち、向かってくる。
「この2人の用は済んだから帰っていいわよ、メグリさん家へ案内してくれる?」
「は、はいっ」
3人が扉を閉めると、俺は大理石で出来た机の前まで行き、魔王から書類を受け取る。それを側のテーブルに置き、ペンを取った。
「大雑把でいいからね、大体は2人から聞いた。カムリと戦ったんでしょ?」
「そうだな、あんな激しい運動は初めてだ」
「とにかく無事で何より。メグリさんにも謝っときなさいよ? あの子4日間ずっと寝ないであんたの事探してたんだから」
「…ん、わかってる」
みればわかる。目の下にはクマが出来ていたし、足元も不安定でろくに休んでいないのが分かった。
「あの子、ほんとにあんたの事好きよね」
「そうだな」
「何が良くて懐いてるんだか…」
「…貶してんのか?」
「こうして会話してても分かるわよ、とても冷たい。感情を表に出さないだけかと思ってたけど、そもそも感情の動きが少ないのかもね」
「そうかもな。自分でもどういう感情なのかよく分からない時がある。実際…」
「ん?」
「今日メグリの顔を見た時、少しほっとした。頭の中では行動に呆れていたりしてたんだが…変なもんだな」
「…意外と不器用なのね。自分の事はあんまり得意じゃないのかな」
「何がだ?」
「色々とね、ほら早く書かないと」
時計の針は十一時を過ぎ、窓の外から見える休憩所と酒場の明かりは既に消えていて、聞こえるのは葉のこすれる音のみ。何時になっても車の音や人の声がする前の世界とは大違いだ。
乾燥した目を擦りながらゆっくりとソファから起き上がる。掛けられていた上着が床に落ち、それを拾い上げながら裸足を床に付けて立ち上がった。
「えと、今何時でしょうか…時計…時計…」
視界が霞んで奥にあるはずの時計の針が見えない。どれくらい寝たのかはわからないけど、外が暗いってことは少なくとも3時間は寝たことになるよね。
ふらつく足で側の椅子に座っているツバキの前へと向かい、肩を叩く。
「ツバキさんー、寝てるんですか? そろそろ起きないとーーーお腹も空いてます」
「…ああ、起きたか…」
ツバキは目を開けてすぐに立ち上がり、手首を伸ばしてからこちらを向く。ーーーこうしてツバキさんの顔をちゃんと見るのは数日しかたっていないけどとても懐かしく感じる。寝る前に感じていた疲労感と眠気、寂しさはすっかり収まっていた。
「…ほんとに、良かったです」
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窓の外はもう暗い。等間隔に並べられた照明に照らされた廊下をメグリと俺は少し早歩きで進んでいく。俺は寝るつもりも無かったのだが…どこかで疲れていたのかもしれない。とにかくさっさと魔王の部屋に行って報告して…そうだクルト達は今どこだ?俺達の家も知らないはずだし…。
「ツバキだ、入るぞ」
「遅いわよ…とにかく入って」
木製の大きめの扉を開き中に入る。クルトとリンは手前のテーブルに座っていた。こちらに気付くと席を立ち、向かってくる。
「この2人の用は済んだから帰っていいわよ、メグリさん家へ案内してくれる?」
「は、はいっ」
3人が扉を閉めると、俺は大理石で出来た机の前まで行き、魔王から書類を受け取る。それを側のテーブルに置き、ペンを取った。
「大雑把でいいからね、大体は2人から聞いた。カムリと戦ったんでしょ?」
「そうだな、あんな激しい運動は初めてだ」
「とにかく無事で何より。メグリさんにも謝っときなさいよ? あの子4日間ずっと寝ないであんたの事探してたんだから」
「…ん、わかってる」
みればわかる。目の下にはクマが出来ていたし、足元も不安定でろくに休んでいないのが分かった。
「あの子、ほんとにあんたの事好きよね」
「そうだな」
「何が良くて懐いてるんだか…」
「…貶してんのか?」
「こうして会話してても分かるわよ、とても冷たい。感情を表に出さないだけかと思ってたけど、そもそも感情の動きが少ないのかもね」
「そうかもな。自分でもどういう感情なのかよく分からない時がある。実際…」
「ん?」
「今日メグリの顔を見た時、少しほっとした。頭の中では行動に呆れていたりしてたんだが…変なもんだな」
「…意外と不器用なのね。自分の事はあんまり得意じゃないのかな」
「何がだ?」
「色々とね、ほら早く書かないと」
時計の針は十一時を過ぎ、窓の外から見える休憩所と酒場の明かりは既に消えていて、聞こえるのは葉のこすれる音のみ。何時になっても車の音や人の声がする前の世界とは大違いだ。
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