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01 - 一学年 二学期 夏 -
03
しおりを挟む台車押しながら、本棚に本を戻していく。
返却された時点で、五十音順に並べながら管理してるから、あ行からやれるのは助かるんだけど、どこに仕舞うかまでは自分たちで探してやらないとだから本当に大変。
本の背の部分に数字がついてて、それで管理はしてるけど、またその数字通りに片さないとだからさらに大変。
「………」
「………」
「……ぁ」
お互いに喋らず、黙々と作業中。
片付けてる時に、手にした一冊。
その本は、俺の好きな作家の本だった。
俺、これでも読書してるんだぞ!すぐ眠くなるけど!
と、そんな事は置いといて。
この作家、新しい本出してたんだ。
これ読んだ事ないや。いつ出たやつだ?
あれ?2年前?うそ?俺読んでなかったんだ、これ。
この作家は、色んなジャンルの本を書いてる人で、時にはファンタジーモノだったり、時には冒険譚や、恋愛モノまで書いてる作家だ。
全部読み切れてる訳ではないけど、それなりに読んではいる。
因みに今手にしてる本は恋愛モノだ。
「…どしたん?」
「え?」
「それ」
「あぁ。これ、俺の好きな作家の本なんだよね」
「へぇ」
「読んでなかったやつみたいで」
「ふーん。相澤って本読むんやね」
「意外だろ?」
「うん」
「…間髪入れずに頷かれるとなんか切なくなる」
「ふはっ」
くそぅ…。確かに、俺が本読んでるとか想像つかないだろうけど、そんなすぐに頷かれるとまじで切なくなる。
俺だって読むんだぞ!
「…おすすめは?」
「え?」
「その作家の、おすすめの本は?」
「おすすめかぁ…なんだろ」
「………」
「うーん…この作家色んなジャンルの本出しててさ」
「うん」
「だから、どれがおすすめかって言われると迷うんだよね」
「そうなんや」
「うん。でも、取り敢えずファンタジーモノかなぁ」
「そうなん?」
「うん。代表作がファンタジーモノだから」
「そっか」
デビュー作がファンタジーモノで、それが爆発的に大ヒットして、売れっ子作家になった。
それが今から三年前。
当時中学生だった俺は、真琴にその本をすすめられて読んだのがきっかけで、その作家にハマった。
中学生の俺でも読みやすい本で、読むたびに次はどうなる、とずっとワクワクしてた。
その後は、それなりにヒットする作品もあって、最近では恋愛モノの本がまた大ヒットしてた。
「大倉は、読書とかしないの?」
「…するよ」
「へぇ!どんなの読むの?」
「…色々」
「色々かぁ。じゃあ、俺と一緒だな!」
「そうやね」
そういや大倉、俺がここに無理やり連れてこられた時、本読んでたな。
あの時眼鏡してたけど、本読む時だけ眼鏡なのかな?
「…相澤」
「うん?」
「…今度、俺のおすすめ教えたるよ」
「…まじ?」
「うん。今度ね」
「え、今じゃないの?」
「うん。今度」
「えー。んーでも、楽しみにしとくわ」
「うん」
大倉のおすすめかぁ。どんなのだろ?ちょっと楽しみ…いや、かなり楽しみだ。
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