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02 - 一学年 二学期 秋 -
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あれから1ヶ月。
昨日から学園祭が始まった。
1日目は、学生だけのお祭りで、2日目は一般向けに開放される。
1日目の、我がクラスの売り上げは、中間発表だけど学年1位だった。それは勿論、大倉のおかげ。
大倉目当ての女子がわんさかやって来た。
1年だけでなく、2年、3年の女子生徒も来たから、長蛇の列となり、俺たちだけじゃ捌けなくて先生たちが手伝ってくれた。
そして2日目の今日。
今日も今日とて、大繁盛中。
1日目に来てくれた人も、また来てくれてて、すごいのなんの。
恐るべし、大倉の顔面。真琴はニッコリしてる。
「しかしすごいな、まじで」
「今年のMVPは大倉くんだね」
「だな」
「あ、航ちゃん休憩いいよ?」
「んあ?あー、いいよ」
「いいの?」
「うん。1人で周るのとか流石に泣く」
「あはっ。確かに」
俺は裏方やってて、注文受けた品物を出したり、ゴミ捨てに行ったり、足りない分を買いに行ったりと忙しなく動いてて、担当は交代制を取ってるけど流石に1人で学校周るのは嫌だ。
だって、どこ見たって人だらけ。
しかも誰かしら誰かと一緒にいて、そんな中この学校の制服着てる奴が1人で買い食いしてたら流石に寂しくね?
だったら、裏方で動き回ってる方がいい。
「あ、大倉くんお疲れー」
「お疲れ様」
「大倉くん、休憩して来て良いよ」
「うん」
大倉やっと休憩かー。ほんと、大変だなー。
俺も大倉に負けないくらい頑張らないと。
多分、これから大倉休憩だから、少しは混み具合も落ち着くだろうし、今のうちに午後の分用意しとかないとな。
「相澤」
「んあ?」
「休憩ちゃうの?」
「あー、うん」
「…休憩取らんの?」
「うん。1人で周るの流石につらい」
「…俺と周らん?」
「え?」
「俺これから休憩やし」
「うん?」
「俺、1人で周ることになるんやけど?」
「…うん?」
大倉は何を言っているんだろうか?と言うか、何が言いたいんだ?
「やから、相澤の言うことを俺に当てはめてみたら、俺は1人寂しく周ることになるんやけど?」
「……ああ!なるほど!」
「やから、一緒に周らん?」
「んー」
そう言うことか!
確かに、確かにな!確かに大倉1人寂しく周ることになるな。
ん?でも俺と周るの?
「いいじゃん。航ちゃん、大倉くんと周ってきなよ」
「え?」
「ほらほら、行って来て行って来て!」
「え、ちょっ、真琴?!」
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