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04 - 一学年 二学期 冬 クリスマス篇 -
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その後、本当に大倉の分も用意した母さん。
大倉に、「用事あったりするんじゃないか」って聞いたら、「何もない」って言われた。
ここで新事実を大倉に暴露されたんだけど、大倉の家は両親共に共働きで、イブとか関係なく働いてるから、家帰っても一人なんだとか。
何だったら、年末年始も1人らしい。まじか。
兄弟は、お兄さんが居るけど、大学生で、大阪で独り暮らししてるから帰って来ないらしい。
「大倉くんはイケメンだなぁ」
「そんな事ないですよ」
「………」
父さんも帰って来て、何故か俺たち相澤家にプラス大倉でご飯食べてる。
そして、父さんがなんか嬉しそうに大倉と話してる。俺はそれを眺めながらチキン食べてる。
何、この状況。頭が追いつかない。
「あ、相澤」
「え?」
「骨、気ぃつけや」
「あ、うん」
時刻は、20時を指そうとしている。
外は、雪が降るかも知れないくらいに寒くなってて、窓には外と家の中との温度差で霜が出来てる。
リビングでは、クリスマス特番の番組がテレビから流れてて、父さんも母さんも楽しそうにご飯を食べたりお酒飲んだり。
俺と大倉は、ケーキ食べたりちょっと話したり。
そして、何故かそのまま大倉は、我が家に泊まる事になった。
だから、何で!!
「なんか、ごめんな?」
「え?何が?」
「いや、母さんと父さんがなんか…」
「…優しいご両親やね」
「そうか?」
「うん」
「俺ん家、基本家に親おらんから」って、切なげに言った大倉は、顔からも声からも、寂しいって感情が伝わって来た。
「相澤はさ」
「うん?」
「地元の奴らと、会ったりしないん?」
「……うん」
「…なんでって、聞いてもええ?」
「………」
ご飯も食べてケーキも食べて、お風呂も入ってあとは寝るだけとなって、俺の部屋に布団敷いて、眠くなるまで話そうかってなった。
そうだよな…気になるよな、会わないって。
大倉みたいに引っ越して来たなら、会わないってのは分かるけど、ここは俺の地元。
生まれも育ちもずっとここだったから、普通会ったりするもんな。
「…俺さ、」
「うん」
「……中学の時、いじめみたいな事されてて」
「っ、そう、なんや」
「うん…」
話したくはなかったけど、話すなら今しかないとは思った。
中1の時、同じクラスだった奴がいじめに遭ってたんだ。
最初は、自分も標的にされるのが嫌で、見て見ぬ振りしてた。
でも、そのいじめがだんだんエスカレートしていって。
気付いたら、そいつの事庇ってた。
そしたら、今度は俺が標的になった。
いじめられてた奴ほどのいじめはされなかった。
せいぜい、無視されたり、陰口言われたりするだけ。
多分、その頃には周りもいじめするのに飽きてたんだと思う。
でも、それから人の目が少し怖くなって、人の声が怖くなって、こっち見てる奴はみんな、俺の悪口言ってるんだろうな、なんて疑心暗鬼になって。
それから学校に行けなくなった。
頑張って行こうと思ったけど、制服着たら吐き気がして、行こうとしても足が震えて動けなくて。
そんな時に、真琴だけが俺の事を見捨てなかった。
真琴は、中学からの友達だったけど、俺のそばに常に居てくれた。
だから、真琴には足を向けて寝られないんだ。
真琴のためにも、高校はちゃんと行かないとって思った。
俺のせいで真琴の行ける範囲の高校に行かせてあげられなかったから。
俺の弱さのせいで、真琴には迷惑かけっぱなしだから。
「…頑張ったんやね」
「っ、そう、かな」
「そうやよ」
「…真琴の、おかげだよ」
「それでも、高校は頑張って来てるやん」
「っ、うん」
「偉いな」
「っ…、」
大倉の大きな手が、俺の頭を優しく撫でてくれた。
それが本当に優しくて、泣きたくないのに涙が止まらなかった。
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