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04 - 一学年 二学期 冬 クリスマス篇 -
04
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次の日、昨日大倉の前で泣いてしまって、少し恥ずかしいような気まずさがありながら、何故か今近くのショッピングモールに来てる。
大倉に、「気分転換しよ」って言われて連れ出された。
「…クリスマス一色だな」
「そりゃなぁ」
何処もかしこもクリスマス。
通路の真ん中にはでっかいクリスマスツリーがあって、その周りにはカップルや家族連れがいっぱい居る。
そんな中に、俺と大倉が居るのが、なんか不思議な感じ。
「なんか買う?」
「買うって言っても…クリスマス商品だらけじゃん」
「仕方ないやろ、クリスマスやし」
「そうだけど…」
何が悲しくて、男2人でクリスマスに賑わってるここに来てるんだ。いや、俺は嬉しいけどな!おっ、大倉と一緒にいれる、し!
「なんか、この犬大倉に似てる…」
「はぁ?」
「あはっ。そっくりじゃん!」
「どこがやねん」
サンタ帽子を被せた大きな犬のぬいぐるみが店先に飾ってあって、どう見ても大倉に似てた。
大倉ってどこか犬みたいなんだよなぁ。
髪型のせいかな?それとも見た目のせい?雰囲気がそうなのかな?とにかく犬みたい。
「相澤は、猫やな」
「はぁ?」
「懐いてくれたと思ったら、すーってどっか行ってまうところとか」
「そうか?」
「うん」
そんな事初めて言われた。
犬と猫って、相性悪くね?
特に買うこともなく、大倉とのウィンドウショッピングは楽しかった。
あーでもない、こーでもないって言いながら笑って、楽しかった。
「相澤?」
「え?」
この時、こいつに会うまでは。
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