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08 - 二学年 一学期 春 -
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「あら、大倉くんいらっしゃい!」
「お邪魔します」
「母さん、なんか食べたい」
「はいはい。ケーキあるから、手洗ってらっしゃい」
「んー」
大倉と共に我が家へ来た。
もう母さんとも父さんとも仲良しな大倉は、2人のお気に入りだったりする。しかも、息子の俺より優しくしてる。何故だ。
「航、イチゴあげる」
「え、いいの?」
「うん。はい、あーん」
「はっ?!」
「ほら、早く」
「ま、待って!」
ちょっと大倉?!すぐそこに母さん居るんですけど?!!って、母さん普通に笑ってるし!
笑いながら「仲良いのねぇ、うふふ」とか言わないで良いから!
めちゃくちゃ渋ってる間も、大倉はイチゴを刺したフォークを俺の口元に持ってきてる。
くそっ。恥ずかしいけど、これ食べないとずっとこのままだ!
「あ、あー…ん」
「んふ。美味しいな?」
「ぅ、うん…」
めちゃくちゃ恥ずかしい!よりにもよって母さんの目の前で!
一応、まだ言ってないんだからな?!俺たちが付き合ってる事!こんな事したら、バレるじゃんか!いや、別に良いんだけど…多分父さんも母さんもそう言った偏見ない人たちだし…でもさ、心の準備ってのがあるじゃん?
「あ、そうだわ航ちゃん」
「へ?何?」
「あなた、来週どうするの?」
「…来週?」
「22日。誕生日じゃない」
「……ああ!そうだった。忘れてた」
「…誕生日?」
「え?うん」
そうだった…来週の22日、俺誕生日だ。すっかり忘れてたわ。
しかもちょうど土曜日じゃん?えー、大倉に会えないのかぁ…残念。
「いつも通りでいいよ」
「良くないでしょう。あなた誕生日よ?」
「んー…でも別に、もう祝ってもらう歳でもないし…」
「幾つになっても祝うものなのよ」
「そうかなぁ」
来週で俺も17になるんだよ?別に良いよ。
これと言って欲しいものも特にないし。
ケーキだって、今こうやって食べれてるし。
「…航」
「ん?」
「…その日、俺にくれへん?」
「え?」
「一緒にどっか行こう?」
「…へ?」
ずっと黙ってた大倉に、突然言われた言葉に反応が鈍る。
…誕生日、大倉と会えるの?まじで?
「え、会ってくれんの…?」
「え、あかんの?」
「あ、あかんくない!」
「んはっ。じゃあ会おう。どっか行こう」
「行くっ!」
こうして、俺の誕生日の予定が組まれた。
やばい。すげー嬉しい。大倉と会えるんだ。しかも誕生日の日に。
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