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08 - 二学年 一学期 春 -
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2年になって早いもので1ヶ月が経った。
あれからずっと、井上には鬱陶しいくらいに絡まれ続けてる。無碍に出来ないと思ってたんだけど、もうそろそろいい加減疲れてきたから、本気で「話しかけないでくれ」って言ったのに、そんなのどこ吹く風の如く、あれこれと話しかけてくる。
本当に、めんどくさい。
それから、大倉の方はと言うと…。
あの告白…確か椎名 アリスとか言う子の告白から、椎名さんは本気で大倉を落とそうとしてる。
休みの度に大倉の教室に来てるらしい。
真琴曰く、椎名さんは大倉にずっと「私の方が絶対にいいです!」と言い続けて、最終的には「彼女さんに会わせてください!私の方がいいって言いますから!」とか「大倉先輩は彼女さんに付き纏われてるんです!私が別れさせてあげますから!」とか言ってるらしい。しかも大声で。すごすぎる。
そんな俺たちは、変わらずで。
朝は大倉と真琴と登校してて、帰りは大倉と帰ってる。
お互いに委員会も部活も入るのはよそうと言い、相変わらずの帰宅部。
たまにデートもしたりしてる。この前は大倉と2人で学校終わりに映画観に行った。その時、映画観ながらずっと手をぎゅってされてて、正直映画どころではなかったけど。
そして今日は、大倉がもう色々と疲れたとかで、屋上の俺のお気に入りスポットに避難してる。
「おつかれ、大倉」
「うん…。航」
「ん?」
「ぎゅってして」
「ふはっ。はいはい」
椎名さんのおかげで、すっごい疲れた顔してる大倉がなんか哀れで。
いくら断ってもしつこくて、あそこまでしつこくされると本気で疲れるらしい。分かる。俺も今そうだから。
「航は、大丈夫?」
「んあ?何が?」
「井上の事」
「あー…どうだろ?」
「分からへんの?」
「んー…。俺の方はただしつこく話しかけられてるだけだからなぁ…」
大倉の方が絶対に大変だと思う。
毎日何回も同じ子に告白されて、それを断って。
俺の場合は、告白とかは一切されないけど、ただしつこく話しかけてくるだけだから。それはあれ、無視すればどうとでもなるし。めんどくさいけど。
「お互いに大変だなぁ…」
「ほんまにね…。あー…航、好きやで」
「、うん。俺も好きだよ」
「ふふ」
最近、照れずに好きだと言えるようになった。
椎名さんとか井上のおかげかも知れないけど、ちゃんと伝えないとだなって。お互いに気持ちを確かめ合えば、どんな事があっても、大丈夫だと思ってる。
「…今日、家来る?」
「行ってええの?」
「うん。大倉なら大歓迎」
「んじゃ、行く」
「うん」
色々あるけど、なんだかんだあるけど、俺と大倉は大丈夫。
どんな事があっても、絶対に離れないから。
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