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08 - 二学年 一学期 春 -
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始業式から1週間。
あれからずっと、井上に声かけられ続けてる。
本当にめんどくさくて、しつこくて、お願いだからあまり声かけないでって言ってるのにめげずに声かけられてる。
ほんと、もう…疲れる。
だから1年の時よりも、屋上のお気に入りスポットに行く事が増えた。
「はぁ…、」
今日も今日とて、屋上のお気に入りスポットに居る。
大倉は、やっぱり1年に呼び出される事が多くて、真琴は生徒会が忙しくて、学校の中ではなかなか会えてない。
それでも、毎日大倉も真琴も連絡くれるし、朝は2人と登校してる。
一応、井上の事も2人に言ってはいるけど、正直俺への好意を伝えられたりしてるわけじゃないから、断るとかもないし、無碍にも出来ないからもどかしい。
「どうしたもんかなぁ…」
地面に寝そべってスッキリしてる空を眺める。
俺の気持ちと裏腹に、空は綺麗な青空だ。
それなのに俺の心は疲弊して、黒くなりつつある。
なんで俺なんだ?
俺、なんかしたのか?
ただ普通に1年を過ごしただけなのに。なんで俺なんだ?
図書委員したのが悪かったのか?
多分、誰しもに問いかけたとしても俺のせいじゃないとは言ってくれるだろうけど、あんなにしつこくされると俺のせいなのか?なんて考えてしまう。
かと言って、別に好きだとか言われてないから余計になんか、つらい。言われたら速攻で断れるのに。
言われてないから、ただのクラスメイトでしかなくて、だから無碍にも出来なくて余計につらいんだ。
今日何回目か分からないため息を吐いた時、屋上の扉が開く音がして覗いたら、大倉が居た。
すぐに、告白だと分かったけど、今更移動なんか出来ないから、仕方なく息を殺して静かにしてた。
「あのっ、大倉先輩!」
「…なに?」
「あのっ、私!椎名 アリスって言います!」
「…はぁ」
「その、好きなんです!」
「………」
「付き合ってください!」
「付き合ってる人居るので、ごめんなさい」
「っ…、」
久しぶりに大倉の告白場面に遭遇したけど、そっか。今は『付き合ってる人が居る』って言って断ってるのか。
なんか…なんか、こそばゆい。そして嬉しい。ふふ。
あー…嫌な気持ちがちょっと吹き飛んだ。いや、告白されてるの見るのはまだ嫌な気持ちがあるけど、それ以上にさっきの言葉が嬉しくて、それどころじゃなくなった。
「…それでも!私は諦めません!」
「は?」
「彼女さんより絶対に私の方がいいと思います!」
「はぁ?」
…え、なんかすごい。
どんだけ自分に自信があるんだろうか。
俺なら絶対にむり。と言うか、告白だって恥ずかしくて出来ない。
今の子ってすごいな。若さなのかな。…いやいや、俺も若いけど!
どんな子なのかちょっと興味が湧いて。そーっと覗いたら、これまたびっくり。お人形さんみたいな女の子だった。名前からして、多分海外の血が入ってるのかな?そんな感じ。
はぁー、あんな子居たんだなぁ、なんて感心してたらその子がすごい事を言い出した。
「絶対に大倉先輩の事振り向かせみせますから!」
「は…?」
「私と大倉先輩は運命なんです!」
「何言って、」
「出会うべくして出会ったんです!絶対に私の方がいいに決まってます!」
「………」
…やばくない?え、やばくない?!
今までに居ないタイプの子だよ、この子。
てか、それってある意味俺への宣戦布告みたいなものじゃない?
『運命』とか『出会うべくして出会った』とか、やばくない?
ほら、大倉めちゃくちゃ引いてるよ。
『こいつ何言ってんの?』って顔してるよ!
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