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第一章
8話 vs九尾の狐
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九尾の狐と対峙する凛。
蹴り飛ばされていた九尾の狐は、既に起き上がっており、鋭い目つきで凛を睨みつけていた。
凛が攻撃を仕掛けようと僅かに動いた瞬間、九尾の狐が飛び掛かって来た。
即座に地面の土で盾を生成し、ギリギリのところで、その爪を防ぐ。
「だから、動きが早過ぎるのよっ」
盾で押して突き飛ばし、地面から尖った岩柱を飛び出させる。
鋭い岩柱が、九尾の狐の身体に突き刺さるが、九尾の狐は素早くそこから飛び退く。
その離れ際に、凛に向かって咆哮を上げると、直後、凛の身体が発火した。
一瞬で、凛の全身が炎で包まれるが、すぐにその頭上から水が現れ、炎を鎮火させた。
「熱っー。予め知ってなかったら、ヤバかったわ」
凛は九尾の狐が仕掛けてくる攻撃手段をある程度知っていたので、いつでも水魔法が発動できるよう事前に備えていた。
即座に対処された九尾の狐は、驚いたような顔をする。
「ふふ、私みたいなのと戦うのは初めて?」
凛が前に手を翳すと、地面から土が盛り上がり、ハンマーの形を成す。
柄を握った凛は、その自分の身長ほどの大きさのあるハンマーを、軽々と持ち上げて構えた。
「じゃあ、行くわよ」
凛はハンマーを振り上げ、九尾の狐へと飛び掛かった。
大きなハンマーを重さを感じさせない勢いで振る。
九尾の狐は避けきれずに打撃を受けるが、即座に爪で反撃をしてきた。
しかし、そこで地面から盾が飛び出し、その攻撃を防ぐ。
そのようにして激しい戦いが始まった。
九尾の狐の動きは速く、攻撃も強力だが、凛も強力なハンマーを片手に、様々な土魔法も組み合わせて、負けずに戦っている。
その戦いを、クレアは木の影から眺めていた。
「凄い……」
アーティファクト・土の刻印と、練度の高い身体能力強化を駆使して戦う凛の動きは、人間離れしており、この世界の人間でも、できない芸当であった。
凄まじい猛攻に、九尾の狐は凛の攻撃を防ぎきれず、徐々に押されて行く。
直撃を受けずとも、ハンマーによる打撃は強力で、目に見えてダメージを負っていた。
ふらつきはじめた九尾の狐だが、その時、宙に跳び上がり、口を大きく上げて咆哮を上げる。
直後、爆発したかのような勢いで、九尾の狐を中心に炎が広がった。
「きゃっ、何っ?」
炎の突風を受け、凛は咄嗟に前をガードする。
その一瞬の突風が終わった時には、辺り一面が火の海となっていた。
雑木林が燃え盛り、一面が真っ赤に染まる山。
「クレアちゃん!?」
凛は慌てて安否確認をする。
すると、すぐに声が返って来た。
「私は大丈夫ですー!」
クレアは燃え盛る木の影から顔を出す。
辺りは火の海だが、前方にあった木に隠れていたおかげで、炎の突風を免れていた。
クレアの無事が確認でき、凛は胸を撫で下ろす。
「のんびり戦ってると、クレアちゃんが危ないわ。早いとこ始末しなきゃ」
そう言いながら、天に向かって魔法陣を描く。
すると、空から大雨が降り始めた。
魔法による雨が、燃え盛る木々を鎮火させて行く。
宙に浮いていた九尾の狐は、恨めし気な顔を見せ、再び凛へと飛び掛かった。
舞台を空中へと変え、戦闘が再開する。
宙を走るように駆け回る九尾の狐だが、凛もまた土の盾を踏み台にして縦横無尽に戦っていた。
九尾の狐は焦っているのか、その攻撃は先程よりも激しく、噛みつきと引っ掻きに加え、様々な炎攻撃まで織り交ぜて猛攻してくる。
だが、凛も本気を出し、仕留めにかかっていた。
九尾の狐が放つ火炎弾を、凛は石礫で打ち消す。
そして踏み台にした土の盾を加速させて、瞬時に九尾の狐の眼前へと迫り、ハンマーを振り下ろした。
不意を突かれた九尾の狐はハンマーの直撃を受け、地上へと叩きつけられる。
そのチャンスを凛は逃さなかった。
「一気に決める!」
ハンマーを振り上げると、その大きさが一回り二回りと増して行く。
そして、あっという間に巨大なハンマーへと変貌した。
「食らいなさい。グラビトンハンマー!!」
地面に伏せていた九尾の狐に向けて、その巨大ハンマーを振り下ろした。
九尾の狐は迫ってくる巨大ハンマーを目にするが、ふらついた身体では即座に反応することが出来ず、呆気なく押し潰された。
衝撃で大きな地響きが鳴り渡る。
巨大ハンマーは地面にめり込むくらい強く押し付けられており、いくら強力なボスとはいえど、生存は絶望的であった。
「よっしゃー! 仕留めたわ」
強敵を倒し、凛はガッツポーズをした。
「でも、こんなに強かったっけ? ゲームで戦った時より、ずっと強かった気がしたけど」
凛はゲーム内で戦った九尾の狐を思い返す。
こちらではゲームと違い、生き物であるので、決まった攻撃パターンはないが、それを差し引いても、明らかに強くなっていた。
それは他のボスモンスターと比較しても明白である。
「ま、勝てたからいっか」
考えても理由が分かる訳ではないので、凛は気にしないことにして、巨大ハンマーを消した。
蹴り飛ばされていた九尾の狐は、既に起き上がっており、鋭い目つきで凛を睨みつけていた。
凛が攻撃を仕掛けようと僅かに動いた瞬間、九尾の狐が飛び掛かって来た。
即座に地面の土で盾を生成し、ギリギリのところで、その爪を防ぐ。
「だから、動きが早過ぎるのよっ」
盾で押して突き飛ばし、地面から尖った岩柱を飛び出させる。
鋭い岩柱が、九尾の狐の身体に突き刺さるが、九尾の狐は素早くそこから飛び退く。
その離れ際に、凛に向かって咆哮を上げると、直後、凛の身体が発火した。
一瞬で、凛の全身が炎で包まれるが、すぐにその頭上から水が現れ、炎を鎮火させた。
「熱っー。予め知ってなかったら、ヤバかったわ」
凛は九尾の狐が仕掛けてくる攻撃手段をある程度知っていたので、いつでも水魔法が発動できるよう事前に備えていた。
即座に対処された九尾の狐は、驚いたような顔をする。
「ふふ、私みたいなのと戦うのは初めて?」
凛が前に手を翳すと、地面から土が盛り上がり、ハンマーの形を成す。
柄を握った凛は、その自分の身長ほどの大きさのあるハンマーを、軽々と持ち上げて構えた。
「じゃあ、行くわよ」
凛はハンマーを振り上げ、九尾の狐へと飛び掛かった。
大きなハンマーを重さを感じさせない勢いで振る。
九尾の狐は避けきれずに打撃を受けるが、即座に爪で反撃をしてきた。
しかし、そこで地面から盾が飛び出し、その攻撃を防ぐ。
そのようにして激しい戦いが始まった。
九尾の狐の動きは速く、攻撃も強力だが、凛も強力なハンマーを片手に、様々な土魔法も組み合わせて、負けずに戦っている。
その戦いを、クレアは木の影から眺めていた。
「凄い……」
アーティファクト・土の刻印と、練度の高い身体能力強化を駆使して戦う凛の動きは、人間離れしており、この世界の人間でも、できない芸当であった。
凄まじい猛攻に、九尾の狐は凛の攻撃を防ぎきれず、徐々に押されて行く。
直撃を受けずとも、ハンマーによる打撃は強力で、目に見えてダメージを負っていた。
ふらつきはじめた九尾の狐だが、その時、宙に跳び上がり、口を大きく上げて咆哮を上げる。
直後、爆発したかのような勢いで、九尾の狐を中心に炎が広がった。
「きゃっ、何っ?」
炎の突風を受け、凛は咄嗟に前をガードする。
その一瞬の突風が終わった時には、辺り一面が火の海となっていた。
雑木林が燃え盛り、一面が真っ赤に染まる山。
「クレアちゃん!?」
凛は慌てて安否確認をする。
すると、すぐに声が返って来た。
「私は大丈夫ですー!」
クレアは燃え盛る木の影から顔を出す。
辺りは火の海だが、前方にあった木に隠れていたおかげで、炎の突風を免れていた。
クレアの無事が確認でき、凛は胸を撫で下ろす。
「のんびり戦ってると、クレアちゃんが危ないわ。早いとこ始末しなきゃ」
そう言いながら、天に向かって魔法陣を描く。
すると、空から大雨が降り始めた。
魔法による雨が、燃え盛る木々を鎮火させて行く。
宙に浮いていた九尾の狐は、恨めし気な顔を見せ、再び凛へと飛び掛かった。
舞台を空中へと変え、戦闘が再開する。
宙を走るように駆け回る九尾の狐だが、凛もまた土の盾を踏み台にして縦横無尽に戦っていた。
九尾の狐は焦っているのか、その攻撃は先程よりも激しく、噛みつきと引っ掻きに加え、様々な炎攻撃まで織り交ぜて猛攻してくる。
だが、凛も本気を出し、仕留めにかかっていた。
九尾の狐が放つ火炎弾を、凛は石礫で打ち消す。
そして踏み台にした土の盾を加速させて、瞬時に九尾の狐の眼前へと迫り、ハンマーを振り下ろした。
不意を突かれた九尾の狐はハンマーの直撃を受け、地上へと叩きつけられる。
そのチャンスを凛は逃さなかった。
「一気に決める!」
ハンマーを振り上げると、その大きさが一回り二回りと増して行く。
そして、あっという間に巨大なハンマーへと変貌した。
「食らいなさい。グラビトンハンマー!!」
地面に伏せていた九尾の狐に向けて、その巨大ハンマーを振り下ろした。
九尾の狐は迫ってくる巨大ハンマーを目にするが、ふらついた身体では即座に反応することが出来ず、呆気なく押し潰された。
衝撃で大きな地響きが鳴り渡る。
巨大ハンマーは地面にめり込むくらい強く押し付けられており、いくら強力なボスとはいえど、生存は絶望的であった。
「よっしゃー! 仕留めたわ」
強敵を倒し、凛はガッツポーズをした。
「でも、こんなに強かったっけ? ゲームで戦った時より、ずっと強かった気がしたけど」
凛はゲーム内で戦った九尾の狐を思い返す。
こちらではゲームと違い、生き物であるので、決まった攻撃パターンはないが、それを差し引いても、明らかに強くなっていた。
それは他のボスモンスターと比較しても明白である。
「ま、勝てたからいっか」
考えても理由が分かる訳ではないので、凛は気にしないことにして、巨大ハンマーを消した。
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