旅して作ろう! 百合娘による女の子ハーレム ~異世界巡って、ご当地女の子集め~

白井よもぎ

文字の大きさ
15 / 63
第二章

15話 営業

しおりを挟む
 次に訪れた企業の社長室。
 ルイス達と対面するそこの企業の社長だが、強引にアポを取ったせいか、機嫌が悪そうな顔をしていた。

「用件は手短に頼むよ」
「は、はい」

 その態度だけで、契約の見込みが極めて薄いと、ルイスはこれまでの営業経験から察してしまう。
 だが、凛の指示がある為、最善は尽くさなければならない。

(ええっと、相手が興味のあることを……)

 丁度、場所が社長室だった為、ルイスは何か話題に繋がる物がないかと、周りを見回す。
 すると、壁に”兎人族保護協会”と書かれたエンブレムが飾ってあるのを見つけた。

「兎人族保護、ですか」

 ルイスがポツリと呟くと、社長がピクリと反応する。

「君はもしや、兎人族が好きなのかね?」
「ええ、まぁ。可愛らしいですよね」

 社長の問いかけに、ルイスは話を合わせる為にそう答えた。
 すると、社長は身を乗り出して喋り始める。

「おぉ! 兎人族の魅力が分かるとは、なかなか見る目のあるお方のようだ。兎人族、特に若い女子はとてもキュートで愛らしい。この世界の宝と言っても、過言ではない存在でしょう。しかし、それ故に奴隷狩りや性犯罪の被害は多く、全く嘆かわしい限りです。か弱き彼女達に手を出すことなど言語道断。優しく愛でることが正しい接し方でしょう。貴方も、そうは思いませんか?」
「そ、そうですね。私も全面的に同意します」
「やはり貴方は話が分かる方だ」

 ルイスの返事を聞いた社長は、満面の笑みとなり、兎人族についてペラペラと語り始めた。

――――

 それからも社長のお喋りは止まることなく、時間が過ぎて行き、ルイスの隣に座っていた凛とフラムは暇そうに足をぶらぶらとさせていた。
 ちなみに、子連れで営業するのは常識外れな行動とも思えるが、ここの国では十二歳から、大人と同じように働くことが多い為、不興を買うようなことはない。

 社長が饒舌に話を続けていると、脇に控えていた秘書が口を開く。

「社長、そろそろ次の予定のお時間が」
「もうこんな時間か。そういえば、ルイスさんの用件は何でしたかな?」

 社長は思い出したようにして訊ねて来た。

「あ、はい、我が社が開発した空気清浄機を、是非ご購入いただきたいと紹介を」
「分かった。購入しよう」
「え」

 話の詳細も聞かず、購入を決められ、ルイスは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をする。
 そんなルイスに目もくれず、社長は秘書に指示を出す。

「適当に必要な台数決めて、購入手続きしておいてくれ」

 秘書に購入手続きを任せ、社長は席を立つ。

「では、予定が押しているので、これで失礼する。続きはまた今度、飲みながらでも」

 社長はいい笑顔を見せて、上機嫌の様子で部屋から出て行った。



 売買契約を無事結び、ルイス達はその企業の建物から出てくる。
 だが、ルイスは釈然としない様子だった。

「全然、商品の説明をしてないのに何故……」
「ルイスさんを気に入ってくれたからよ。気に入った相手の頼みは聞きたくなるものじゃない。逆に不快にしてきた相手が勧めてきたものは、どんなに良い商品でも買いたくないものよ」

 失敗する可能性が高いと思われた商談は、まずは話を聞くという凛のアドバイスが功を成し、逆転成功したのだった。

「そんなことで購入を決めていいんですかね。ちゃんと商品の良し悪しで決めるべきと思うのですが……」
「人間そんなもんよ。商品の良さは使って行くうちに分かるはずだから、今後ちゃんと評価されると思うわ」

 凛の目論見通りに成功したが、職人気質だったルイスは、どうも腑に落ちない様子だった。



 それからも凛の教え通りに商談を行い、続々と契約が取れて行った。

 相手の話を聞くことから、どうしても商談時間が長くなる為、商談はルイス一人に任せ、凛とフラムはその間、商談先の建物の近くで、飲み物片手に時間を潰していた。

「本当に凄いや。こんなに契約取れたの初めて」

 フラムは尊敬の眼差しを凛に向けている。

「哲学の授業で習ったことを応用しただけよ。良好な人間関係を築く為の心得だから、営業にも使えると思ってね」

 謙遜する凛だが、その顔は非常に嬉しそうだった。

「凛さんって、もしかして凄いエリートなんです?」
「そう見える? 自慢になっちゃうけど、結構いいところ通ってたのよ」
「すげー! あたしも凛さんみたいにないたい。あっ、なりたいです」
「タメ口でいいわよ。歳は殆ど同じくらいでしょ」

 慣れない感じで敬語を使っていたので、凛はタメ口で話すよう言った。
 フラムはドワーフ族故に少し小柄であったが、年齢は凛の一、二歳ほど下なだけだった。

「そ、そう? じゃあ、そうさせてもらうよ。敬語って、喋り辛くて喋り辛くて」

 フラムは肩の力が抜けたように気を楽にして喋り始める。

「けど、乱暴な喋り方でごめんな。父ちゃんや会社のみんなこうだったから、これが普通になっちゃって。凛みたいに女の子らしい人が羨ましいよ」
「フラムちゃんはフラムちゃんの魅力があるから、そんな羨むことないわ。そのままでも十分可愛いと思うわよ」
「嘘だぁ。学校行ってた時は、男女ってよく言われてたぐらいなのに。休み時間の時だって、男子と混ざって外で遊んでたんだぞ」
「活発で男っぽいのはマイナスなんかじゃないわ。ボーイッシュって言って、かなり人気のあるジャンルなのよ。可愛い女の子なのに活発でガサツ、そのギャップがいいの。フラムちゃんなんて、もうボーイッシュのド直球だから、めっちゃめちゃ可愛いわ」

 凛はこれでもかと本音で褒めちぎる。

「ちょ、ちょっと止めろよっ。あたしなんて全然可愛くなんてないからっ」

 言われ慣れていないせいか、フラムは顔を赤くしながら否定する。
 しかし、その顔は満更でもない様子だった。

 そうしていると、商談を終わらせたルイスが建物から出てくる。

「あ、父ちゃん。どうだった?」

 フラムが尋ねると、ルイスは手で丸を作って笑顔を見せた。

 契約は十分取れたとのことで、三人は工場へと帰り、今度は納品する商品の製造に移ることとなった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

処理中です...