旅して作ろう! 百合娘による女の子ハーレム ~異世界巡って、ご当地女の子集め~

白井よもぎ

文字の大きさ
49 / 63
第四章

49話 行方不明

しおりを挟む
 それから凛とクーネの二人は、浮浪児の拠点に通うようになった。

「仲間以外の人であっても、相手の嫌がることはしない。相手の為になること、喜んでくれることをしてあげましょう」

 浮浪児の拠点にて、凛は浮浪児達を集めて、道徳の授業を行っている。

 勉強を教えるとのことで、浮浪児達は嫌がっていたが、食料を提供することを条件に、半強制的に受けさせていた。
 無理矢理やらせていることだが、浮浪児達にとって食べ物は何よりも価値のあるものだったので、凛が思っていた以上に真面目に授業を受けてくれている。

 授業をしていると、浮浪児の一人が手を上げて質問する。

「何で、仲間じゃない人に、そんなことしないといけないのー?」
「それはね、自分の為になるからよ。一見メリットがないように思えるかもしれないけど、相手に優しくすることで、不要な争いや恨みを買ったりするのを未然に防ぐことができるの。例えば、恨みを買った相手が偉い人だったら、ここに兵士達が一気に攻め込んでくることもあり得るわ。そんなことになったら嫌でしょ? 逆に恩を売っておけば、もしかしたらその人も食べ物とかを持ってきてくれるようになるかもしれない。だから、相手に優しくしてあげた方が得なの。まぁ、見返りを期待してやると、何もなかった時ショックだから、お返しがあったらラッキーぐらいの気持ちでいるといいわ」

 質問した子は納得した表情をする。
 浮浪児達は即物的な傾向にあったので、メリットデメリットに重点を置いて説明することで、より良く理解させることができていた。

「凛姉ちゃんが食べ物持ってきてくれるのは、何か欲しいからなの?」
「んー、そうね。私が優しくしてるのは、仲間が欲しいから、かしら? 私、まだ知り合い少ないから、仲良くなって、みんなの仲間になれたらなーって思って」
「凛姉ちゃんはもう仲間だよ」
「あら、嬉しいこと言ってくれるわね」

 食料提供のおかげか、凛はもう浮浪児達に受け入れられていた。


 授業を終えると、浮浪児の子達はそれぞれ自由行動を取り始める。
 講義を終えて一段落つけた凛は隅の段差に座り、遊んだりしている女の子達を眺めていた。

(女の子だけを連れて行くのは難しいわよねぇ。みんなまとめてなら行けそうだけど、野郎はいらないのよね……)

 大分懐いてくれたので、凛は旅に同行させることを考えるが、女子だけを連れて行くとなると色々問題が出てくる為、できそうになかった。

 せめてここにいる間だけでも楽しもうと、鑑賞を続けていると、クーネが話しかけてくる。

「凛さんの授業って、なかなか独特ですよね。考えもしなかったことが多いので、私も勉強になります」

 クーネは授業の間、講義の手伝いしつつも授業に耳を傾けていた。

「いやぁ、あれは浮浪児の子に合わせた授業だから、あんまり参考にしないで」
「そうなんですか?」
「育ちがいい子には、毒になり兼ねないことだから。クーネちゃんは変わらず清らかなままでいて」

 物事を利益だけで考えるのは、あまり良くないことである。
 あからさまな詐欺に騙されるくらい純粋なクーネが、そんな考えになっては、色々と台無しだった。

 二人が話していると、浮浪児の少女が凛に絡んでくる。

「凛姉ちゃん遊ぼー」
「あ、ミアちゃん。いいわよ。何して遊ぶ?」

 その少女・ミアは、浮浪児の拠点に来るきっかけとなった子だった。
 浮浪児の中では年長の部類で、群れではボスに次ぐ発言権を持っている。
 食料提供をしてくれる凛達を連れてきたことで、みんなから褒められたからか、凛に非常に懐いており、群れの中では一番友好的な子であった。

「鬼ごっこしよー。クーネも一緒に」
「はい」

 クーネや他の子達も加え、凛達はみんなで楽しく遊んだ。



 夕方。
 凛とクーネは夕食の用意をしていた。

「クーネちゃん、時間大丈夫?」
「はい、今日はもうちょっとだけ長く居られます」

 自由気ままな旅人の凛と違って、クーネには地元での暮らしがあるので、四六時中入り浸るようなことはできない。

「ご飯まだ?」

 二人が調理していると、浮浪児の子が催促してくる。
 調理台前には浮浪児の子達がずらりと並んでおり、夕食を今か今かと待っていた。

「待ってて。今から切り分けるから」

 丁度、いい具合に焼けていたので、凛は配膳を始める。
 だがそこで、浮浪児の子の一人が声を上げた。

「ねぇ、ミア姉ちゃんいないよー」

 凛が集まっていた浮浪児の子達の顔ぶれを確認すると、確かにミアの姿はなかった。

「あれ? おかしいわね。これまで、ご飯の時間までには必ず帰って来てたのに」

 浮浪児は拠点内に留まっている訳ではなく、生活で使える品を探したりする為に街中を出歩いていた。

 ミアは昼間、凛達と遊んでいたが、その後、資源収集へと出かけていた。
 それから、戻った姿を見ていないので、それっきりである。

 すると、リーダー格の少年が言う。

「しくじったのかもな。戻って来ない時は、大抵死んでる」
「えっ、死んでるって……嘘でしょ?」
「よくあることだぞ。盗み失敗して殺されたり、兵士やマフィアの奴らに殴られて、当たりどころ悪かったりで」
「そんな……」
「それよりご飯早くしてくれよ」

 リーダー格の少年は、ミアのことなど全く気にしていない様子で、夕食を催促する。
 浮浪児にとって、仲間が命を落とすことなど日常茶飯事だったので、非常にドライであった。

 他の浮浪児の子も心配する様子はないが、凛とクーネは気が気ではない。

「ごめん。私、探しに行ってくるわ。ご飯は勝手に分けて食べてて」
「私も行きます」

 凛はクーネと共に浮浪児の拠点を飛び出した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

処理中です...