こっち向いて、運命。-半神騎士と猪突猛進男子が幸せになるまでのお話-

だいきち

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 キシリと音を立てて体重をかけたサディンの体が、押さえつけるようにミハエルの体に覆い被さる。合わせた唇の隙間からは、くちくちとはしたない音が溢れる。飲みきれなかった唾液がミハエルの小さな口からこぼれると、無骨な親指がそっとそれを拭うかのようにして、その柔らかな唇を撫でた。
 
「っ、ぁ、ぁさ…で、すよ…ッ、」
「本当は、昨日こういう事がしたかったのに、ミハエルが寝こけたりするから。」
「そ、それは…ご、ごめんなさい…」
「いいよ。今埋め合わせしてくれるなら。」
「ひゃ…っ、」
 
 はむ、と細い首筋を唇で挟むようにして甘噛みをする。素直な体はびくりと小さく身を跳ねさせると、かすかに反った細い腰を大きな掌で支えるようにして、サディンが下肢に押しつける。
 熱い猛りは、ミハエルの小ぶりな性器を布越しに潰すようにして当てられる。その存在感につい息を止めてしまうと、嗜められるようにサディンの唇が降ってくる。
 
「挿れない。触るだけ。それとも、怖いから嫌だ?」
「ゃ…や、じゃな…い…」
 
 ミハエルの微かに震えた声が、その声色に情欲を乗せて言葉を紡ぐ。サディンによって何かをされてしまう、ということに対しての期待が、その若い体を素直にさせるのだ。
 ああ、この子は本当に、なんて綺麗なのだろう。サディンの中の獣の部分が、お許しに反応してそっと顔を覗かせる。そして、その瞳に映るのは、先を期待し、物欲しげな目を向けているミハエル自身であった。
 気がつけばサディンによって前をはだけさせられ、ふくりと立ち上がった二つの胸の頂に触れられる。親指の腹で潰し、片方は熱い舌でねぶられる。朝から人様の家で、僕は一体なんてことをしているのだろう。現実逃避をしたくても、サディンの大きな手によって、持ち上げられるように胸を逸らされると、ああ、僕の体の主導権は、自分のものではないのだなあと理解して、そうして今度はそれに喜んでしまう自分がいるのだから、始末におえない。
 赤い舌が、ミハエルの胸の突起と銀糸で繋がる。光が差して、きらりと輝いた。陽光に反射して、少しだけ髪の色味を変えたサディンが、その野生的な目で見つめ返す。
 
「震えてる、寒い?」
「ちが…、ど、きどき…して…」
「…、本当だ。これ、俺のせいなんだな。」

 サディンの耳が、そっとミハエルの胸元に当てられた。まるで忙しないメトロノームかと思うくらい、トクトクと心音を跳ねさせる姿が可愛くて、サディンは目元を緩めた。
 
「腰あげて、脱がすから。」
「は、い…」
「いいこ。下着も、脱がすけどかまわないか。」
「ベット、汚れちゃう…」
「清潔魔法かけておくから、お前はただ大人しく感じていなさい。」

 そう言って、ずるいサディンは小さい子に言い聞かせるように、ミハエルに言う。こんな不意打ちは嫌だ、でも、お前と言われるとキュンとしてしまう僕は、マゾなのだろうか。そんなことを考えていたら、集中、と言われて布団を被された。
 
「ぅあ、…あ、ぬ、脱が…っ、」
「下着汚したいなら別だけど。」
「ぬが、して…くださ…」
 
 サディンの手が自身の下着を手に掛けると、思わずミハエルはぴくんと尻をはねさせた。意地悪な指摘に、ミハエルの言葉が尻すぼみになる。その反応に満足したらしい。いいこ。と端的に言ったサディンが、ベッドの下にぽいっとミハエルの下着を落として、その細い足をベットの中で抱え上げた。
 もしかして、僕に気を遣って布団で隠してくれたのかな。熱に浮かされたままの思考で、サディンを見る。
 
「ひぁ…っ!」 
「ん、…しー…。」
「ふ、ぅ、ぅ…ッ…!」
 
ー違う、これは、何してるか、見えないから余計に…!

 心の中の声は、如実に体に反映される。ミハエルの大きな瞳が見開かれ、一気に顔を染め上げた様子に満足そうな顔で微笑むと、サディンは暗がりの寝具の中、その細い腰を引き寄せて、ミハエルの尻の間に己の猛った性器を挟む。抱えられた両足で腰を挟むような体勢を取らされると、サディンは長い髪でミハエルを閉じ込めるかのようにして見下ろした。
 
「いいこは、声、我慢できるだろう…、ミハエル。」
「っ…ん、んぅ…、」
 
 甘美な吐息を漏らしながら、サディンはそう言った。こんな、麻薬のような声色で言われると、ミハエルは全て差し出したくなってしまう。ベットの上、涙目で酔いしれるかのように自身を見上げる綺麗ないきものに、サディンの喉奥がグルリと鳴る。覆いかぶさって、華奢な体を抱き込みながら、その体を揺さぶるようにして、性器で尻の間を摩擦するように腰を打ち付けた。
 
「ぁ、ぁ、ぁ…っ、ゃ、んぅ…っ…!」
「ん…、声、もっと聞かせて。ほら、俺の耳元で囁くみたいにさ。」
「ふぁ…っ…サ、ディン…」
「なあに、ミハエル。」
 
 サディンの性器が、ミハエルの蕾を何度も擦り上げてくる。そのせいで、一度サディンによって雄を教え込まれた体はゆっくりと綻び、一度しか繋がりを持たなかったミハエルの慎ましやかなそこが、律動に合わせてひくん、ひくん、と収縮する。

ーいやだ、恥ずかしい。はしたない体だなんて、思われてしまったらどうしよう。
 
 ミハエルは性感に飲まれるままに、まるで子猫のような鳴き声を漏らす。恥ずかしくて恥ずかしくて、思わず縋るようにサディンの首に腕を絡ませて抱きついた。
 
「んとに、お前は…、」
 
 小さく呟いたサディンが、涙をたくさん溜めて、今にもこぼれてしまいそうな蕩けた瞳のミハエルの額に、己の額をそっと重ねた。
 どちらともなく唇を重ね、鼻先を擦り合わせ、角度を変えて数度啄んだのちに、深く舌を絡める。縮こまったミハエルの舌が、サディンによって翻弄される。薄い腹を叩いていた小ぶりな性器から、ピュクンと精液を吹き上げれば、ミハエルはサディンの腕の中でビクビクと身を震わした。
 
「ひゃ、んく…っ、ぁ、ぁ、あー…!」
「っ、ミハエル…」
 
 ビクビクと腰を逸らして、あまりに強い性感から逃げようとしたミハエルの体を、サディンはやや乱暴に裏返す。背面を向けたような形で、くたりとした体の尻を上げさせれば、サディンはその柔い尻を両手で割り開いた。
 
「サディン…、っ…い、挿れない、って…」
「ああ、言った。」
「な、何を…」
 
 ぐい、と腰を引き寄せる。割り開いた尻の奥、ミハエルの蕾をグリグリと親指で押すようにして触れてやれば、ヘナヘナと分かりやすく体勢を崩す。まるで、伸びをする猫のように尻だけを突き出した体勢に、ミハエルは全身の神経が研ぎ澄まされたかのように感じた。
 
「きゃう…っ!」
「ん、子犬みてえな声でたな…。」
「や、ぁ、ぁっや、やぇ…へ、っ…!」
「ヤァだ。」
 
 ぐっと親指を押し込まれたかと思えば、次いで感じたのは、サディンの熱い舌である。大きな手によって腰を掴まれているからまだいいが、これで手を離されてしまったら、ミハエルはいよいよ膝立ちの体勢は取れなくなってしまう。
 そのくらい、腰が抜けそうなくらい、気持ちがいい。滑る舌が内壁を蹂躙するたびに、フルフルと内股を震わし、サディンの背を預けていた枕に唾液を染み込ませる。
 
「も、なめ、ぅ…の…、やぁ…ら、っ…」
「んー?」
「ひん…っ、や、やぁ、…!」
 
 細い指で妨害するかのように、ミハエルはねぶられているそこに指を這わした。指先に舌が当たる。サディンはそれに小さく笑うと、ゆっくりとそこから唇を離した。
 
 
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