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俊君の手腕
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「きいち!」
「ほいほい!おまたせ!」
パタパタと人混みを避けるようにして駆け足で目的のクラスに到着すると、俊君が手を上げて合図してくれた。
なんというか、俊君が言っていたことは真実だったようで、ナース服を来た吉崎はそれはもうぶち切れていた。誰だこいつを深窓のお姫様とか例えたやつ。
「誰が!!勝手に!!俺をエントリーさせた!!」
「あ、なるほど把握したわ。」
ナース服を身に纏い、化粧を施された吉崎はそれはもう色っぽくて美人である。ただし眉間にしわ寄せたままクラス委員のメガネ君の胸ぐらさえ掴んでいなければの話だけども。
胸元につけられた吉崎の下の名前である学が、平仮名で可愛らしく書かれている時点で作為的なものを感じなかったのか。
どうやら食券につられたのと、吉崎のコスプレがみたいクラスメイトによってだまし討にあったらしい、
「あ゛?」
「声の治安悪すぎて怖い。」
俊君がギャップに思わず笑うと、怪訝そうな顔をして吉崎が俊君に気づいた。
「誰だこれ。お前どこのクラス?」
「お、おっおほほほほなにいってんの吉崎くん彼は僕と同じクラスだようんそうだきっとまちがいない」
俊くんの存在感はバッチリ周りの方々にも伝わったようですね、本当に勘弁してください。
部外者なはずなのに、堂々としすぎてて気まぐれに登校してきた在校生みたいになっている。凄くね?みんなもっと疑いをもって生きて!この顔に騙されてはいけない。
僕の心の声や悲鳴が届いたのか、それとも必死な目線に何かを察してくれたのか、俊君は吉崎の質問には答えないままじっとしてくれた。
吉崎は唯一疑いを持った目で見つめてくる。これが正しい目線の投げ方ですよみなさん。だがバレたらやばいのであまりまじまじと見ないでほしい!
「吉崎?だっけ?いいじゃんめっちゃエロい」
「はぁ!?」
俊君に微笑まれた吉崎はというと、突然の賛辞にぶわりと顔を赤くする。急にナース服のワンピースの裾を掴むと、これ以上伸びるはずないのに晒された足を隠そうと前屈みになる。
おい何だその女の子みたいな反応!お前さっきまでゴリラばりに暴れていたこと僕は知ってんだからな!!
「何隠してんの?これから吉崎はミスコンにでて聴衆の面前で見てもらうんだろ?」
「だ、だから俺は知らなかったんだって!コスプレお化け屋敷とか言うからしぶしぶ着ただけだし、」
俊君はキレているスタンスを崩さぬまま照れるという離れ業をしている器用な吉崎のもとへと長い足で距離を詰めると、羽織っていた(僕の!!!)ジャージで裾の短いナース服の下半身に巻きつけた。
「なら、みんなに見てもらえよ?吉崎のエロかわいい姿。」
「か、かわいい!?」
「そう、せっかくのミスコンなんだ、どうせなら楽しもうぜ?」
腰に巻きつけたときの、至近距離のまま吉崎の腰に手を添えて見つめる。
何この身長差!少女漫画かよ!吉崎も頬を染めるんじゃない!
周りの空気は茶々をいれるなんて、許さないと言われてるように静かに二人のやり取りを見守っていた。
吉崎は顔を赤らめながら物凄く小さい声で「でる。」と呟いた。素直か。
僕は俊君が吉崎のメススイッチを押した瞬間に立ち会ったのである。僕の親友の手練感すごくない?並大抵の手腕じゃなくない?
僕が知らないうちになんでそんな色男にメタモルフォーゼした?
「な、名前は?」
「俺の?」
「あんたの名前くらい聞いてもいいだろ?」
吉崎ーー!!
僕は完全に堕ちてしまった吉崎のメス顔に衝撃を禁じ得ないまま、俊君に身振り手振りで時間が差し迫っていることを伝えた。さながらアシスタントディレクターばりである。
僕の腕時計を指差しながら腕をグルグル回すというパントマイムを正しく受け取ってくれたようで、俊君は任せろと言わんばかりに頷いた。
「学がミスコンに出て勝ったら教えてやる」
「あっ、」
俊君に名前を呼ばれながら、胸元のネームプレートをつまみ撫でられた吉崎は、どうやら今日から俊くんのおんなになりそうだということだけ理解した。
知らなかったな、名札にも性感帯があるなんて。
そしてなんとかベクトルの違う方法で場を収めた俊君は、そのまま吉崎の頬を撫でると「会場で待ってる」と言い残して僕の腕を掴んでその場をあとにした。
残された吉崎とそのクラスメイト立ちは、ピンク色に染まってしまった吉崎をなんとか立ち直らせて会場に向かう様に促した。
そして、今日のことをきっかけに、2年生の中であのイケメンは誰だと大いに話題が盛り上がり、そして収束されるまでの間、僕の胃が悲鳴を上げることになるとは、このときはまだ知る由もなかったのである。
「ほいほい!おまたせ!」
パタパタと人混みを避けるようにして駆け足で目的のクラスに到着すると、俊君が手を上げて合図してくれた。
なんというか、俊君が言っていたことは真実だったようで、ナース服を来た吉崎はそれはもうぶち切れていた。誰だこいつを深窓のお姫様とか例えたやつ。
「誰が!!勝手に!!俺をエントリーさせた!!」
「あ、なるほど把握したわ。」
ナース服を身に纏い、化粧を施された吉崎はそれはもう色っぽくて美人である。ただし眉間にしわ寄せたままクラス委員のメガネ君の胸ぐらさえ掴んでいなければの話だけども。
胸元につけられた吉崎の下の名前である学が、平仮名で可愛らしく書かれている時点で作為的なものを感じなかったのか。
どうやら食券につられたのと、吉崎のコスプレがみたいクラスメイトによってだまし討にあったらしい、
「あ゛?」
「声の治安悪すぎて怖い。」
俊君がギャップに思わず笑うと、怪訝そうな顔をして吉崎が俊君に気づいた。
「誰だこれ。お前どこのクラス?」
「お、おっおほほほほなにいってんの吉崎くん彼は僕と同じクラスだようんそうだきっとまちがいない」
俊くんの存在感はバッチリ周りの方々にも伝わったようですね、本当に勘弁してください。
部外者なはずなのに、堂々としすぎてて気まぐれに登校してきた在校生みたいになっている。凄くね?みんなもっと疑いをもって生きて!この顔に騙されてはいけない。
僕の心の声や悲鳴が届いたのか、それとも必死な目線に何かを察してくれたのか、俊君は吉崎の質問には答えないままじっとしてくれた。
吉崎は唯一疑いを持った目で見つめてくる。これが正しい目線の投げ方ですよみなさん。だがバレたらやばいのであまりまじまじと見ないでほしい!
「吉崎?だっけ?いいじゃんめっちゃエロい」
「はぁ!?」
俊君に微笑まれた吉崎はというと、突然の賛辞にぶわりと顔を赤くする。急にナース服のワンピースの裾を掴むと、これ以上伸びるはずないのに晒された足を隠そうと前屈みになる。
おい何だその女の子みたいな反応!お前さっきまでゴリラばりに暴れていたこと僕は知ってんだからな!!
「何隠してんの?これから吉崎はミスコンにでて聴衆の面前で見てもらうんだろ?」
「だ、だから俺は知らなかったんだって!コスプレお化け屋敷とか言うからしぶしぶ着ただけだし、」
俊君はキレているスタンスを崩さぬまま照れるという離れ業をしている器用な吉崎のもとへと長い足で距離を詰めると、羽織っていた(僕の!!!)ジャージで裾の短いナース服の下半身に巻きつけた。
「なら、みんなに見てもらえよ?吉崎のエロかわいい姿。」
「か、かわいい!?」
「そう、せっかくのミスコンなんだ、どうせなら楽しもうぜ?」
腰に巻きつけたときの、至近距離のまま吉崎の腰に手を添えて見つめる。
何この身長差!少女漫画かよ!吉崎も頬を染めるんじゃない!
周りの空気は茶々をいれるなんて、許さないと言われてるように静かに二人のやり取りを見守っていた。
吉崎は顔を赤らめながら物凄く小さい声で「でる。」と呟いた。素直か。
僕は俊君が吉崎のメススイッチを押した瞬間に立ち会ったのである。僕の親友の手練感すごくない?並大抵の手腕じゃなくない?
僕が知らないうちになんでそんな色男にメタモルフォーゼした?
「な、名前は?」
「俺の?」
「あんたの名前くらい聞いてもいいだろ?」
吉崎ーー!!
僕は完全に堕ちてしまった吉崎のメス顔に衝撃を禁じ得ないまま、俊君に身振り手振りで時間が差し迫っていることを伝えた。さながらアシスタントディレクターばりである。
僕の腕時計を指差しながら腕をグルグル回すというパントマイムを正しく受け取ってくれたようで、俊君は任せろと言わんばかりに頷いた。
「学がミスコンに出て勝ったら教えてやる」
「あっ、」
俊君に名前を呼ばれながら、胸元のネームプレートをつまみ撫でられた吉崎は、どうやら今日から俊くんのおんなになりそうだということだけ理解した。
知らなかったな、名札にも性感帯があるなんて。
そしてなんとかベクトルの違う方法で場を収めた俊君は、そのまま吉崎の頬を撫でると「会場で待ってる」と言い残して僕の腕を掴んでその場をあとにした。
残された吉崎とそのクラスメイト立ちは、ピンク色に染まってしまった吉崎をなんとか立ち直らせて会場に向かう様に促した。
そして、今日のことをきっかけに、2年生の中であのイケメンは誰だと大いに話題が盛り上がり、そして収束されるまでの間、僕の胃が悲鳴を上げることになるとは、このときはまだ知る由もなかったのである。
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