なんだか泣きたくなってきた

金大吉珠9/12商業商業bL発売

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説明を省くとえらいことになる *

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締め切られた室内に、乾いた音と粘着質な濡れた音が交互に響く。荒い呼吸と衣擦れ、そして二人分の体重を受け止めてギシリと抗議をするようなベッドの軋み。下半身を晒し、上は胸元までめくられたインナーとクシャクシャになった状態で引っかかったワイシャツを下敷きにしたまま、きいちは快感に身を震わせていた。

「ひぁ、ぁんや…ぁあっあっいい、っい、ぃっ!」
「ぁ、っ…生、やべ…いつも、より…っ…締まる…っ」

きいちに覆い被さりながり本能のままに揺さぶる俊くんはとろけた目を組み敷いた番に向ける、くつろげたスラックスを足の付根で止めたまま、ゆさゆさと内壁を蹂躙するように何度も擦り上げた。
前立腺は幾度とない往復で、場所を示すように主張してくる。きいちの気持ちいいところなんて、俊くんには手に取るようにわかるのだ。

繋がっている部分から滲む粘液が、二人を追い上げる。ヒートで項を噛まなければ妊娠しないというのは頭でわかってはいるのだが、番の中に出すという行為が学生の自分にとってどれほどの背徳感を煽るのか。
茹だった頭の中で、びしょびしょに顔や体を体液で濡らしながら可愛そうなくらい感じているきいちを見下ろしながら、大きく開かせた足の間に打ち付けるように体重をかけて深くまで押し込んだ。

「ぁあっあ!あ、ぁっそ、そこ…は、…ゃだ、あっ」
「ここ?っ、ここすげえな…っ…吸い付いてくる…ぐ、ぁっ」
「ん、んんっ、ぅう…ぁ、ら、らめぁ…とこ…や、ぁっ…」
「は、ぁ…っ…ここ、…挿れたい…な、いい?」

押し込んだその先、ぬぱりと奥が先端に反応して口を甘く開いた気がした。確かめるように、2度3度腰を押し付けると、ぐぷ、ぐぽ、というはしたない音を立てながら律動に合わせて収縮する。
そこから生み出される強い快感が怖いのか、きいちは見開いた目から涙をこぼしながら白い喉元を晒して泣いてよがった。そうか、きっとここがそうなのだ。

「な、…ここ…そうなのか?」
「ぅ、うぅっ、く、ゃぁ…あっ、し、しきゅ…、っ…ゃら、はい、んな…で…っ…」
「ん、っ…ここ、に…出したい。」

ぐいぐいと腰をピンポイントで強く押し付ける。奥に、この奥に入りたい。本能のような強い欲求が体を支配する。ふるふると何度も互いの腹にぶつかってくるきいちの芯のない性器は、先程から薄い体液を申し訳程度にしか吐き出さず、精は出尽くしたようになすがままだった。
そのまま何度も律動を繰り返し、きいちの腹の収縮を目ざとく見つけた瞬間、俊くんは子宮があるだろうその位置を確かめるかのように、薄い腹を大きな手で押した。

「ひ、ぁ゛…っ!」
「う、ぁ…は、…ぃっ…た…」

ビクンとぎいちの体が痙攣したかと思うと、そのままぐぽんと先端を飲み込んだ。 
奥は狹く、まるで舐めしゃぶるかのように先端に強く吸い付いて離さない。腰が溶けるような、目の前がホワイトアウトしたかのような強い快楽に二人同時に飲み込まれた瞬間だった。

「ぃ、ひぁ、あだめぇ!ぁ、ぁあっあ、ああっ!」
「ぐ、ぅぁ…っ…」

どぷりと、溜め込まれた精液がきいちの腹を微かにふくらませるほど大量に注ぎ込まれた。長い射精は腰を震わせるほど気持ちがよく、ポタリと俊くんの口端から溢れた唾液がきいちの口端に落ちた。

「ぁ、あっ…ゃ、らあ…とま、んな…っ」
 
精を飲み込む奥底の収縮にあわせて、きいちの性器から透明な飛沫がぶしゅりと繰り返し吹き上げる。まるで漏らしたかのようなそれは、下に敷かれたタオルに吸い込まれて羞恥だけを残した。


「っぅ、…お、おれ…高校生なのに…っ…ごめ、…」
「…きいち…、っ…」
「ぇ、あっ…な、なんで…あ、あっまた、ぁっ!?…ひぅっ!」

結局なにかのスイッチが入ってしまった俊くんによって、抜かずの第二ラウンドのゴングが鳴らされた。
きゃんきゃん泣きながら感じ入っていたきいちも、二戦目ともなるとぐったりとしてしまい、俊くんが我に返った時にはきいちの顔もシーツもびしょびしょのびちゃびちゃであった。









「お腹ウズウズする。」
「すまん。もっかいするか?」
「しない!」

それはもう大いに泣かされたきいちは今はぷんぷんと俊くんの布団にくるまってダンゴムシ状態で抗議中だ。
俊くんがタオルを敷いてくれなければ、今頃なんて言い訳をしたらいいかわからないくらいの大地図をベッドに描いていただろう。シーツも着ていたインナーもシャツも全部濡らしてしまったのでまとめて洗濯中だ。本当に本当にびっくりしたのである。

自分の体なのに全く言うことを効かず、気持ちよすぎるのが怖いと感じたのも初めてなくらいに大いに乱れた。絶対にあれは入っては駄目なところだったに違いない。

とはいっても、中に出してしまったものに関しては俊くんがご機嫌でかき出してくれたのでなんともないが、おこっているんてすよ!という態度が大切なのだ。
ぷんぷんと目に見えてむくれているはずなのに、とうの俊くんはなぜかにこにこである。

「さっきのは可愛いかった…またしよう、我慢できなくてもいいから。な?」
「ひぇっ…」 

完全に捕食者の目である。ちょっとだけキュンとしたのは絶対に言ってやらない決意をした。
ただでさえ自分で誘ってえらい目にあったのだ。仮に育代を持ってきたらどうなることやら。
そういえば、未だにあれをどうやって持ち運ぶか決めていない。俊くん家に送って、万が一忍さんなんかに見られたら事である。晃が自転車の籠に入れればとか言ってたけど完全に事案案件だし。真っ昼間から自転車の籠に据え置きタイプのオナホだ。絵面を考えろとも思う。

「またえっちして漏らしたらやだから自分の下半身に自信が持てるまでやらしいことなしで…」
「え、ちょ、まっ」
「なしで。」

結局俊くんが、あれは潮吹きと言ってお漏らしではないのだよと訂正を怠った為、再びきいちの謎のえっちルールが適用とされた。
もちろん後から慌てて訂正するも、見事に慰めだとしか思われなくて、結局きいちの硬い意志は揺らぐことはなかったのである。


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