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それは解釈違いです。
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さてここに来て僕の目下の悩みをお伝えしよう。
「そういやそろそろじゃね?」
しゃくしゃくとりんごを食べながら学が楽しそうに笑う。先週の大騒ぎを物ともせず、堂々と末永くんと登校してきた学は真っ直ぐに僕と益子のところへ来てお付き合いを始めたと照れくさそうに教えてくれたのだ。
「修学旅行!」
「あぁあぁぁ…」
「なんできいちはそんなに死にそうなの?」
「僕行けないかもしんないからだよぉお…」
そう、何を隠そう修学旅行と同じタイミングでヒートが来そうなのである。きっかり3ヶ月、僕の体がクソ真面目であれば修学旅行の日程どまんなか。おかんいわく、ずれることはないと思うとかいうので僕は行けるかわからないのだ。
「なんで?喪中?」
「いやなんで!?殺人予告かよ!ヒートだよヒート、二回目が多分そのあたり…」
学は修学旅行中末永くんと回るそうだ。クラスが違うのでバスは別だが、自由行動と泊まる部屋は生徒会は階が同じらしく、同室になるように画策するとかなんとかいっていた。
「まじか。ならおれもそろそろだな。」
「葵さん?僕と近いんだっけ。」
「だいたいきいちと一週間ズレくらいだな。行けるだろうけど、帰ってきたらそのまま葵んちにこもる気がする。」
「益子もきいちもこねぇの?」
つまんなさそうに唇を尖らせる学に、二人して曖昧な返事しかできなかった。たしかに、せっかくだったらみんなでいきたいよねぇ。わしわしと学の頭を撫でても、仕方ないとはわかりつつ拗ねてしまった学のご機嫌はまだ治らなさそうだ。
「まぁ、修学旅行で末永くんとしっぽりしてきなよ。お土産待ってるからさ。」
「写真部の他のクラスの2年にカメラわたしとくし、俺らの分まで楽しんでこいって。」
「あ、益子もやっぱいかんの?」
「んー、葵のそばにいてやりてぇしなぁー。」
どうやら僕ら不在は決定そうだ。そうと決まれば発情期休暇の申請をしなくては。学がそこらへんの書類は用意してくれるようで、僕と益子の二枚分用意してもらうことにした。
「卒業してから、みんなでいこうよ。」
「そうだな、それでもいいか?」
「しかたねーなぁ。」
頬を染めて照れながら了承する様子に、随分丸くなったものだとおもう。意外なことに学と末永くんはまだえっちしてないらしいので、修学旅行までに末永くんが男を見せられるかが見ものだ。ていうか誂えたかのように据え膳だったはずなのに、キスしかしてないとかどんだけ硬いのだ。鉄壁の理性かよ。
昼休みもそろそろおわりだし、放課後は俊くんが久しぶりに迎えに来てくれるらしいので、益子と三人で帰ることになった。学は末永くんとデートらしい、親衛隊の阿鼻叫喚地獄は凄まじかったが、相手が生徒会長だと知ってからは安堵する声が多く、そこらのモブおじさんじゃなくてよかったと一部女子が騒いでいた。
そういえば増田ちゃんが生徒会箱推し、公式カップル大万歳本当にありがとうございますとか写真部に用事があってきた学と末永くんを見て崩れ落ちたので大いに慌ててたな。益子は病気だから気にするなとか言ってたっけ。
なんだか僕の周りがみんなハッピーでなによりである。末永くんと致すことになるなら、僕からできるアドバイスは求められてからにしよう。藪蛇ダメ絶対。
「そうだ。こないだのこれ、渡しとくわ。」
校門前でボケっと座っていた俊くんが、かばんからこの間益子に頼まれて渡した封筒をとりだした。
そのまま僕の目の前を通り過ぎて益子に手渡すと、心得たと言わんばかりにそのまま鞄の中にしまっていた。
「なにそれ!そういえば僕まだ聞いてないや!」
「これ?まあ近いうちわかるって。今度な?」
「葵に渡しとく。正親さんにさんきゅーっていっといてくれ。」
「いやこっちも助かったってよ。ありがとな。」
なんだか仲間はずれにされた気分で二人の会話を聞いていた。ぶすくれたまま俊くんの腕を掴むと、そのまま外されて手を繋ぐいつもの位置に収まった。
「そういや益子はどうなったんだ?」
「万事つつがなく!!親父にはぶん殴られたけどな。」
「え、あの痣は親父さんだったの!?」
ぎょっときて益子を見ると、なんだか照れた様子で笑っていた。いわく、忽那さん所によくくるお客さんが益子の写真を気に入ってくれたらしく、仕事としてやってみないかと何枚かポートレートを依頼されたらしい。そこでここぞとばかりに売り込んだ益子が、卒業まで手伝いという形で仕事に関わることを約束し、高校卒業次第そこの事務所に入るという事になったらしい。この三日間忽那さんに会えなかったのは、仕事として真剣に取り組んだのもあるが、てっきり大学に行くのだとばかり思っていた両親が卒業後の進路を相談なく決めてきたことに怒ったらしい。
しかも、忽那さんにもなんも相談せずにだ。そしてこの間の痣は、益子が忽那さんを番にするつもりでいること、そして卒業したら結婚するつもりだという宣言を空気を読まずに言ったところ、親父さんから助走つけてぶん殴られたというのが真相だ。
「結局親父だって卒業してすぐ番っただろうがって言ったら黙りこくってたわ。母さんは好きにしろって言ってくれてっから問題無し。」
「忽那さんに早く言ったほうがいいぞ、そういうの。」
「だよな、とりあえず今日言うわ。」
「僕たちの前で修羅場になることだけはやめてね!?!?」
大丈夫大丈夫とかいって笑ってるけど絶対大丈夫じゃない気がしてならない。久しぶりに忽那さんに会うことで浮かれてるけど、自分の預かり知らぬところでそんなんされたら僕ならキレる。そういう大切な話を相談もなく親に暴露したことが問題なのだ。ましてや家族ぐるみで付合ってる写真館の一人息子だぞ?互いの顔がわかるなら尚更面と向かってお話すべきだと思うよ僕は!!
そんなこんなで話してるうちについた写真館の扉を、益子がごきげんなまま開けて入っていく。
「ああ、いらっしゃい。」
奥のカウンターで僕たちに気づいた忽那さんがきれいに微笑んだ後、益子を見た途端表情に怒気が混ざったような気がした。
ほらやっぱりやばいやつやん!!
「そういやそろそろじゃね?」
しゃくしゃくとりんごを食べながら学が楽しそうに笑う。先週の大騒ぎを物ともせず、堂々と末永くんと登校してきた学は真っ直ぐに僕と益子のところへ来てお付き合いを始めたと照れくさそうに教えてくれたのだ。
「修学旅行!」
「あぁあぁぁ…」
「なんできいちはそんなに死にそうなの?」
「僕行けないかもしんないからだよぉお…」
そう、何を隠そう修学旅行と同じタイミングでヒートが来そうなのである。きっかり3ヶ月、僕の体がクソ真面目であれば修学旅行の日程どまんなか。おかんいわく、ずれることはないと思うとかいうので僕は行けるかわからないのだ。
「なんで?喪中?」
「いやなんで!?殺人予告かよ!ヒートだよヒート、二回目が多分そのあたり…」
学は修学旅行中末永くんと回るそうだ。クラスが違うのでバスは別だが、自由行動と泊まる部屋は生徒会は階が同じらしく、同室になるように画策するとかなんとかいっていた。
「まじか。ならおれもそろそろだな。」
「葵さん?僕と近いんだっけ。」
「だいたいきいちと一週間ズレくらいだな。行けるだろうけど、帰ってきたらそのまま葵んちにこもる気がする。」
「益子もきいちもこねぇの?」
つまんなさそうに唇を尖らせる学に、二人して曖昧な返事しかできなかった。たしかに、せっかくだったらみんなでいきたいよねぇ。わしわしと学の頭を撫でても、仕方ないとはわかりつつ拗ねてしまった学のご機嫌はまだ治らなさそうだ。
「まぁ、修学旅行で末永くんとしっぽりしてきなよ。お土産待ってるからさ。」
「写真部の他のクラスの2年にカメラわたしとくし、俺らの分まで楽しんでこいって。」
「あ、益子もやっぱいかんの?」
「んー、葵のそばにいてやりてぇしなぁー。」
どうやら僕ら不在は決定そうだ。そうと決まれば発情期休暇の申請をしなくては。学がそこらへんの書類は用意してくれるようで、僕と益子の二枚分用意してもらうことにした。
「卒業してから、みんなでいこうよ。」
「そうだな、それでもいいか?」
「しかたねーなぁ。」
頬を染めて照れながら了承する様子に、随分丸くなったものだとおもう。意外なことに学と末永くんはまだえっちしてないらしいので、修学旅行までに末永くんが男を見せられるかが見ものだ。ていうか誂えたかのように据え膳だったはずなのに、キスしかしてないとかどんだけ硬いのだ。鉄壁の理性かよ。
昼休みもそろそろおわりだし、放課後は俊くんが久しぶりに迎えに来てくれるらしいので、益子と三人で帰ることになった。学は末永くんとデートらしい、親衛隊の阿鼻叫喚地獄は凄まじかったが、相手が生徒会長だと知ってからは安堵する声が多く、そこらのモブおじさんじゃなくてよかったと一部女子が騒いでいた。
そういえば増田ちゃんが生徒会箱推し、公式カップル大万歳本当にありがとうございますとか写真部に用事があってきた学と末永くんを見て崩れ落ちたので大いに慌ててたな。益子は病気だから気にするなとか言ってたっけ。
なんだか僕の周りがみんなハッピーでなによりである。末永くんと致すことになるなら、僕からできるアドバイスは求められてからにしよう。藪蛇ダメ絶対。
「そうだ。こないだのこれ、渡しとくわ。」
校門前でボケっと座っていた俊くんが、かばんからこの間益子に頼まれて渡した封筒をとりだした。
そのまま僕の目の前を通り過ぎて益子に手渡すと、心得たと言わんばかりにそのまま鞄の中にしまっていた。
「なにそれ!そういえば僕まだ聞いてないや!」
「これ?まあ近いうちわかるって。今度な?」
「葵に渡しとく。正親さんにさんきゅーっていっといてくれ。」
「いやこっちも助かったってよ。ありがとな。」
なんだか仲間はずれにされた気分で二人の会話を聞いていた。ぶすくれたまま俊くんの腕を掴むと、そのまま外されて手を繋ぐいつもの位置に収まった。
「そういや益子はどうなったんだ?」
「万事つつがなく!!親父にはぶん殴られたけどな。」
「え、あの痣は親父さんだったの!?」
ぎょっときて益子を見ると、なんだか照れた様子で笑っていた。いわく、忽那さん所によくくるお客さんが益子の写真を気に入ってくれたらしく、仕事としてやってみないかと何枚かポートレートを依頼されたらしい。そこでここぞとばかりに売り込んだ益子が、卒業まで手伝いという形で仕事に関わることを約束し、高校卒業次第そこの事務所に入るという事になったらしい。この三日間忽那さんに会えなかったのは、仕事として真剣に取り組んだのもあるが、てっきり大学に行くのだとばかり思っていた両親が卒業後の進路を相談なく決めてきたことに怒ったらしい。
しかも、忽那さんにもなんも相談せずにだ。そしてこの間の痣は、益子が忽那さんを番にするつもりでいること、そして卒業したら結婚するつもりだという宣言を空気を読まずに言ったところ、親父さんから助走つけてぶん殴られたというのが真相だ。
「結局親父だって卒業してすぐ番っただろうがって言ったら黙りこくってたわ。母さんは好きにしろって言ってくれてっから問題無し。」
「忽那さんに早く言ったほうがいいぞ、そういうの。」
「だよな、とりあえず今日言うわ。」
「僕たちの前で修羅場になることだけはやめてね!?!?」
大丈夫大丈夫とかいって笑ってるけど絶対大丈夫じゃない気がしてならない。久しぶりに忽那さんに会うことで浮かれてるけど、自分の預かり知らぬところでそんなんされたら僕ならキレる。そういう大切な話を相談もなく親に暴露したことが問題なのだ。ましてや家族ぐるみで付合ってる写真館の一人息子だぞ?互いの顔がわかるなら尚更面と向かってお話すべきだと思うよ僕は!!
そんなこんなで話してるうちについた写真館の扉を、益子がごきげんなまま開けて入っていく。
「ああ、いらっしゃい。」
奥のカウンターで僕たちに気づいた忽那さんがきれいに微笑んだ後、益子を見た途端表情に怒気が混ざったような気がした。
ほらやっぱりやばいやつやん!!
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