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第三章
2 止まらない涙
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宝石店に併設されている大きな庭のベンチで、ミアはすんすんと鼻を啜っていた。
周囲にいくつも置いてあるベンチでは、恋人たちが仲睦まじく語り合っている。こうして泣いているのはおそらく自分だけだろうと思いつつも、ミアの涙はさっきから止まってくれない。
「大丈夫? ……少しは落ち着いた?」
華奢な肩を抱き寄せられながら問われ、ミアは無言でぷるぷると首を振った。彼が手ずから付けてくれた白いイヤリングが、彼女の耳元で可憐な音を立てる。
寂しさを埋めるように上着にぎゅーっと抱きつくと、彼の男性らしい香りに包まれてクラクラした。
店内でイヤリングを手に取った彼は、『ちょっと待ってて』とだけ言い置いてすぐに会計に行ってしまった。
そこにぽつんと取り残されたミアは、一人で呆然と立ち尽くす。
小さな箱を手にした彼が引き返して来るまで、ミアはずっとこれが現実だと信じられなかった。朝起きてからここに来るまで、実は長い長い夢を見ていて、本当はまだ自室のベッドの中にいるのではないかと。それともあまりにも彼を強く想いすぎて、とうとう幻覚を見てしまったのではないかと。
「ここじゃ他人の邪魔になる。外に行こうか」
そして彼に優しく手を取られた瞬間、やっとミアに現実が押し寄せてきた。触れ合っている部分からはじわりと体温が伝わる。
本物だ。これは夢なんかじゃない。
薄いレースの手袋越しの彼の手から目が離せない。大きくて硬く、そして少し日に焼けている彼の手は、ミアの小さな白い手とは大違いだった。
「ミア?」
「……っ!」
背の高い彼が腰を屈め、そっとミアの顔を覗き込む。
吐息を感じるほどの距離から心配そうに見つめる空色の瞳は、あの時と何も変わらない。清廉で、高潔で、凛とした美しさを湛えていて。
彼の顔を見ているうちに、ミアの目に涙が浮かぶ。
やっと、会えた。
彼はミアを忘れてはいなかったのだ。
たった今まで胸を侵していた黒い感情が嘘のように溶けてゆく。
そうして後に残ったのは、彼が生きていた、という言い様のない安堵。彼が生きている、ミアにとってはただそれだけでよかった。それに大きな怪我もしていないようである。
胸の奥から熱いものがこみ上げ、それは大きな菫色の瞳から次々に溢れ出した。
俯いたままボロボロと大粒の涙を流し始めたミアを見て、彼の目が大きく見開かれる。
「……そんなに驚いた?」
緊張のあまり冷え切って感覚がなくなった指先を握りしめ、ミアはこくんと頷く。
「だって……あなたの無事が、嬉しくて……」
掠れた声でそう答えると、彼が一瞬言葉に詰まった。
そして何かに耐えるように、『くそ、今すぐ抱きしめたい』と小さく呟いたのは、ミアの耳までは届かなかった。
突然泣き出したミアを見て、体調でも悪くなったのかと駆け寄ってきた店員には、彼がうまく誤魔化してくれたようだった。
外の空気を吸えば落ち着くだろうと、店の裏口から庭に連れ出される。
最初はベンチで声を詰まらせながら泣いていたが、ゆっくりと背中をさすられるうちに嗚咽は次第に小さくなっていく。そして彼が手に持っていたイヤリングをつけてくれる頃には、涙も少しずつ枯れ始めた。
ミアは彼の厚い胸に頭を預け、その背には彼の左腕が回っている。そして彼の右手は、先ほどからずっとミアの手を握ってくれていた。離れている部分などないくらいぴったりと寄り添い、それがたまらなく嬉しい。
ミアは気が済むまで泣いて、思う存分慰めてもらって、そしてやっと彼と共にいられる幸せを噛み締めた。今朝まで、彼は見つからないし、王太子殿下は諦めてくれないしと、あんなに落ち込んでいたのが嘘みたいだ。
ミアの機嫌が上向いたと気付いた彼が、静かに口を開く。
「迎えに来るのが遅くなってすまなかった。仕事が忙しくてどうしても抜けられなかったんだ。……でも君のことは、1日だって忘れた日はなかった」
彼の真摯な表情にミアの胸が熱くなる。
彼の言葉が本当なら、こんなに嬉しいことはない。ミアが彼を想って祈っていた時、彼も遠い地でミアを思い出してくれていたのだろうか。
ずっと一人だと思っていたけれど、もしかしたら自分たちは繋がっていたのかもしれない。
「ほんとに、私のこと忘れてなかった?」
「ああ。こんなに遅くなって信じてくれないかもしれないが……。私を許してくれる?」
彼の目が不安げに揺れていた。
ミアの脳裏に、彼を探し回っていた時の記憶が蘇る。
どこを探しても見つからなくて途方にくれた日々。もう会えないのかと不安に押しつぶされそうだった夜。だが今となっては、もう全て過去のことだ。
「ううん、信じる。私、あなたがこうして会いに来てくれただけで幸せなの」
「ミア……」
それがミアの素直な気持ちだった。
涙にくれた日もあったが、それも全て今日に繋がる1日だったのだ。
会いに来てくれなかったと責めるよりも、今はもっと彼と語り合いたい。
離れていた間、何を見て、何を聞いて、何を考えていたのか。命の危険はなかったのか、怪我も病気もしなかったのか。
好きな食べ物だって知りたいし、出来れば女の子の好みも。
「あ……、でもまずはひとつだけ聞きたいことがあるの」
ミアが大きな瞳で見上げると、彼は優しく微笑んだ。
「なに? 私に答えられることならいくらでも」
その笑顔が眩しくて、ミアはまた頬をぽっと染める。
こうして寄り添っていると、もしかして周りからはミア達も恋人同士のように見えているのだろうか。想像するだけで胸のあたりがむずむずして、なんだかとても幸せな気分になる。
本物の恋人になれる日はいつ来るか分からないから、せめて気分だけでも味わえるのは嬉しいものだ。
だが、まずは一番大事なことを知らなければならなかった。
「あのね、名前」
「…………は? 名前?」
「ええ。私、まだあなたの名前も知らないのよ」
そう、なぜか彼はミアの名前を知っていたが、ミアはまだ彼の名前すら知らないのだ。これが分からなければ、恋人候補に名乗りを上げることもできない。
ぽかんとしてミアを見つめていた彼は、突然耐えきれなくなったように吹き出した。声に出して笑い続ける彼に、ミアはむっとして唇を尖らせる。
「笑うなんてひどい! 大事なことだわ!」
「ごめんごめん、まさかそんなに基本的なことだと思わなかったんだ」
そしてまだ小さく笑いながら彼が教えてくれた名前は。
「……アルベルト?」
「ああ、祖父から取った名前なんだ。私の家系は大抵アルベルトとジェラルドとテオバルドで回している。ちなみに父はテオバルドだ」
おどけたように彼が言う。
「あら、それじゃ子供が生まれても名前で迷うことがないのね」
ミアは無邪気に微笑んだ。
確か、前国王もアルベルトという名前だった気がする。現在の国王陛下はテオバルドだから、もしかしたら彼の家系は王家にあやかってこの名前にしたのかもしれない。王家に子供が生まれると同じ名前をつける流行が起きるから、割とよくあることである。
あれ、そういえばあの粘着質でしつこい王太子殿下の名前はなんだっけ……と思い出そうとしたが、完全に忘れていることに気が付いた。まぁいい、ミアにはもう関係のないことだ。
「ねぇ、アルって呼んでもいい?」
そうおねだりすると、彼は快く承諾してくれた。
嬉しい! と叫び出したい気持ちを抑え、ミアはできるだけ可愛く見えるように微笑んでお礼を言う。
これが彼の恋人の座を手に入れるための第一歩だ。
今まで散々子供のように泣きじゃくってしまったから、これからミアのいいところをいっぱいアピールして印象を良くしなければ、と決意した。
周囲にいくつも置いてあるベンチでは、恋人たちが仲睦まじく語り合っている。こうして泣いているのはおそらく自分だけだろうと思いつつも、ミアの涙はさっきから止まってくれない。
「大丈夫? ……少しは落ち着いた?」
華奢な肩を抱き寄せられながら問われ、ミアは無言でぷるぷると首を振った。彼が手ずから付けてくれた白いイヤリングが、彼女の耳元で可憐な音を立てる。
寂しさを埋めるように上着にぎゅーっと抱きつくと、彼の男性らしい香りに包まれてクラクラした。
店内でイヤリングを手に取った彼は、『ちょっと待ってて』とだけ言い置いてすぐに会計に行ってしまった。
そこにぽつんと取り残されたミアは、一人で呆然と立ち尽くす。
小さな箱を手にした彼が引き返して来るまで、ミアはずっとこれが現実だと信じられなかった。朝起きてからここに来るまで、実は長い長い夢を見ていて、本当はまだ自室のベッドの中にいるのではないかと。それともあまりにも彼を強く想いすぎて、とうとう幻覚を見てしまったのではないかと。
「ここじゃ他人の邪魔になる。外に行こうか」
そして彼に優しく手を取られた瞬間、やっとミアに現実が押し寄せてきた。触れ合っている部分からはじわりと体温が伝わる。
本物だ。これは夢なんかじゃない。
薄いレースの手袋越しの彼の手から目が離せない。大きくて硬く、そして少し日に焼けている彼の手は、ミアの小さな白い手とは大違いだった。
「ミア?」
「……っ!」
背の高い彼が腰を屈め、そっとミアの顔を覗き込む。
吐息を感じるほどの距離から心配そうに見つめる空色の瞳は、あの時と何も変わらない。清廉で、高潔で、凛とした美しさを湛えていて。
彼の顔を見ているうちに、ミアの目に涙が浮かぶ。
やっと、会えた。
彼はミアを忘れてはいなかったのだ。
たった今まで胸を侵していた黒い感情が嘘のように溶けてゆく。
そうして後に残ったのは、彼が生きていた、という言い様のない安堵。彼が生きている、ミアにとってはただそれだけでよかった。それに大きな怪我もしていないようである。
胸の奥から熱いものがこみ上げ、それは大きな菫色の瞳から次々に溢れ出した。
俯いたままボロボロと大粒の涙を流し始めたミアを見て、彼の目が大きく見開かれる。
「……そんなに驚いた?」
緊張のあまり冷え切って感覚がなくなった指先を握りしめ、ミアはこくんと頷く。
「だって……あなたの無事が、嬉しくて……」
掠れた声でそう答えると、彼が一瞬言葉に詰まった。
そして何かに耐えるように、『くそ、今すぐ抱きしめたい』と小さく呟いたのは、ミアの耳までは届かなかった。
突然泣き出したミアを見て、体調でも悪くなったのかと駆け寄ってきた店員には、彼がうまく誤魔化してくれたようだった。
外の空気を吸えば落ち着くだろうと、店の裏口から庭に連れ出される。
最初はベンチで声を詰まらせながら泣いていたが、ゆっくりと背中をさすられるうちに嗚咽は次第に小さくなっていく。そして彼が手に持っていたイヤリングをつけてくれる頃には、涙も少しずつ枯れ始めた。
ミアは彼の厚い胸に頭を預け、その背には彼の左腕が回っている。そして彼の右手は、先ほどからずっとミアの手を握ってくれていた。離れている部分などないくらいぴったりと寄り添い、それがたまらなく嬉しい。
ミアは気が済むまで泣いて、思う存分慰めてもらって、そしてやっと彼と共にいられる幸せを噛み締めた。今朝まで、彼は見つからないし、王太子殿下は諦めてくれないしと、あんなに落ち込んでいたのが嘘みたいだ。
ミアの機嫌が上向いたと気付いた彼が、静かに口を開く。
「迎えに来るのが遅くなってすまなかった。仕事が忙しくてどうしても抜けられなかったんだ。……でも君のことは、1日だって忘れた日はなかった」
彼の真摯な表情にミアの胸が熱くなる。
彼の言葉が本当なら、こんなに嬉しいことはない。ミアが彼を想って祈っていた時、彼も遠い地でミアを思い出してくれていたのだろうか。
ずっと一人だと思っていたけれど、もしかしたら自分たちは繋がっていたのかもしれない。
「ほんとに、私のこと忘れてなかった?」
「ああ。こんなに遅くなって信じてくれないかもしれないが……。私を許してくれる?」
彼の目が不安げに揺れていた。
ミアの脳裏に、彼を探し回っていた時の記憶が蘇る。
どこを探しても見つからなくて途方にくれた日々。もう会えないのかと不安に押しつぶされそうだった夜。だが今となっては、もう全て過去のことだ。
「ううん、信じる。私、あなたがこうして会いに来てくれただけで幸せなの」
「ミア……」
それがミアの素直な気持ちだった。
涙にくれた日もあったが、それも全て今日に繋がる1日だったのだ。
会いに来てくれなかったと責めるよりも、今はもっと彼と語り合いたい。
離れていた間、何を見て、何を聞いて、何を考えていたのか。命の危険はなかったのか、怪我も病気もしなかったのか。
好きな食べ物だって知りたいし、出来れば女の子の好みも。
「あ……、でもまずはひとつだけ聞きたいことがあるの」
ミアが大きな瞳で見上げると、彼は優しく微笑んだ。
「なに? 私に答えられることならいくらでも」
その笑顔が眩しくて、ミアはまた頬をぽっと染める。
こうして寄り添っていると、もしかして周りからはミア達も恋人同士のように見えているのだろうか。想像するだけで胸のあたりがむずむずして、なんだかとても幸せな気分になる。
本物の恋人になれる日はいつ来るか分からないから、せめて気分だけでも味わえるのは嬉しいものだ。
だが、まずは一番大事なことを知らなければならなかった。
「あのね、名前」
「…………は? 名前?」
「ええ。私、まだあなたの名前も知らないのよ」
そう、なぜか彼はミアの名前を知っていたが、ミアはまだ彼の名前すら知らないのだ。これが分からなければ、恋人候補に名乗りを上げることもできない。
ぽかんとしてミアを見つめていた彼は、突然耐えきれなくなったように吹き出した。声に出して笑い続ける彼に、ミアはむっとして唇を尖らせる。
「笑うなんてひどい! 大事なことだわ!」
「ごめんごめん、まさかそんなに基本的なことだと思わなかったんだ」
そしてまだ小さく笑いながら彼が教えてくれた名前は。
「……アルベルト?」
「ああ、祖父から取った名前なんだ。私の家系は大抵アルベルトとジェラルドとテオバルドで回している。ちなみに父はテオバルドだ」
おどけたように彼が言う。
「あら、それじゃ子供が生まれても名前で迷うことがないのね」
ミアは無邪気に微笑んだ。
確か、前国王もアルベルトという名前だった気がする。現在の国王陛下はテオバルドだから、もしかしたら彼の家系は王家にあやかってこの名前にしたのかもしれない。王家に子供が生まれると同じ名前をつける流行が起きるから、割とよくあることである。
あれ、そういえばあの粘着質でしつこい王太子殿下の名前はなんだっけ……と思い出そうとしたが、完全に忘れていることに気が付いた。まぁいい、ミアにはもう関係のないことだ。
「ねぇ、アルって呼んでもいい?」
そうおねだりすると、彼は快く承諾してくれた。
嬉しい! と叫び出したい気持ちを抑え、ミアはできるだけ可愛く見えるように微笑んでお礼を言う。
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