26 / 228
第二章 俺様、ダンジョンを出る
12、俺とルシアちゃんは暗黒破壊神と聖女。決して相容れない関係なのだ。
しおりを挟む
見渡す限りを更地にしたところで俺のMPが尽きた。
『――≪リージェ≫がロクスタを倒しました。経験値1,804を入手しました――』
「片付いたな」
アルベルトの言葉通り、目に見える範囲には細切れになったススキが散らばるだけである。ギチギチ言っていたイナゴもシャラシャラと光の粒子になり消えてしまった。ドロップアイテムはルシアちゃんの目玉くらいの小さな魔石。
この広範囲を拾っていくのは大変なので放置するらしい。大きさも大したことないしね。
「ぷっはぁ! この一杯のために生きてるぜ!」
といつの間にか酒を呷っていたバルトヴィーノが焼き鳥に手を伸ばす。
あっという間に肉が消えていくので俺も慌てて食べる。労働の後のお肉最高です!
名残惜しそうにしていたら、ルシアちゃんがスープをくれた。これも美味い。ルシアちゃんは良いお嫁さんになれると思うよ。
「明日の行動なんだが」
食事も一通り落ち着いた頃、アルベルトが切り出した。
食料の残りがあと1日分。今のペースだとダンジョンを抜けるのにあと2日。王都までは更に2日かかるとのこと。食料はともかく、水が無いのはヤバい。
「今日の目標にしていた30階層が森林フィールドだ」
薬草や果実が豊富な上、猛獣型のモンスターもいるらしい。川も流れているから水も補給できる。それで野営地として目指していたのか。
アルベルトが30階層でもう1泊して明日一日を物資補給に充てることを提案した。ルシアちゃんが急ぎたそうな顔をしていたが、水も食料もなければ行き倒れになることを解っているらしく。反対する者は誰もいなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ステータス】
名前 : リージェ
レベル : 12
EXP : 14538 / 18231
HP : 1166 / 1356
MP : 11 / 1218
Atk : 2839
Def : 834
スキル : タリ―語 Lv.2
我が劫火に焼かれよ Lv.4
血飛沫と共に踊れ Lv.5
全てを見通す神の眼 Lv.2
念話 Lv.1
我を害さんとする者よ、姿を現せ Lv.1
称号 : 中二病(笑)
害虫キラー
農家
ドM
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一晩寝たら、HPもMPも全回復していた。
鶏肉と堅パンをトロトロになるまで煮込んだパン粥で朝食を済ませる。正直そろそろ米が食いたい。
食後一階層上がると聞いていた通り森林のフィールド型階層に出た。アルベルトが知っているという川の畔にキャンプを張ると、二人一組になって探索を開始。
俺はルシアちゃんと一緒になった。ルシアちゃんは荷物をキャンプ地に置き、空のリュックと鉈を装備している。戦闘じゃなく探索だから良いか。
「何だか、二人きりは久しぶりですねえ」
嬉しそうにルシアちゃんが笑う。確かに、たった二日前までは二人きりだったはずなのに何日も経っている感じがする。
『そうだな』
「! リージェ様! 言葉が!」
ルシアちゃんが一瞬硬直して鉈を取り落とす。口元を覆ったかと思うと、俺を抱きしめて喜んだ。そう言えば念話を覚えてからルシアちゃんとはまだ会話してなかったな。
そもそも、聖竜と心通わせるのが聖女だと言っていたし、意思疎通できているとは言え会話にならないのをずっと気にしていたのかもしれない。
抱っこされるがままに進むと植生が変わり、竹林が見えてきた。こっちの世界にも竹あるんだなぁ、と懐かしい気持ちになる。
『ルシア、あそこへ行こう』
「え? あそこはバンブー林ですよ? 食べ物になりそうなものなど……」
竹はまんまバンブーなんかい。思わぬ地球との共通点。
常識が違うと困るので一応鑑定。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【バンブー】
天高く成長する植物。葉はお茶の原料にもるほか、殺菌効果もあるため薬の原料にもなる。中は空洞で日用品の材料に使われる。地面から突き出したばかりの頃は柔らかく食べられる。花を咲かせるのは百年に一度。繊維質に油分を含むため松明にも使われる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
よし、俺の知っている竹そのものだな。
戸惑うルシアちゃんの腕から離れて竹林に入る。狙いは勿論筍。
季節がわからないから心配だったけど、そこは異世界だからなのかここがダンジョンだからなのか、すぐにあちこちから顔を出す筍を見つけられた。
『食べてみろ』
俺は掘り出した筍の皮を剥いて二つに割り、一つを自分で食べて見せながらルシアちゃんに渡す。
堀りたては生でいけるのだ。すぐにアクが出てしまうので掘った奴だけの特権だな。わさび醤油が欲しいがそこは我慢。
「! 柔らかい?」
恐る恐る口に入れたルシアちゃんが驚きに目を見開く。
俺は筍と呼ばれる若木は食べれること、掘ってすぐに調理すればアク抜きが必要ないこと、調理法などをルシアちゃんに教えた。
これで今夜は筍が食べれるな。
「あの……リージェ様はいったい何故バンブーの食べ方をご存知なのでしょうか?」
しまった!
そうだよ、俺、まだ生まれて2ヶ月、それも最下層から出たことがないんじゃん。ルシアちゃんが不審がるのも無理はない。
『…………実は、俺様には前世の記憶があるのだ』
俺は腹を括った。
気味悪がられたらそれでもいい。所詮俺とルシアちゃんは暗黒破壊神と聖女。決して相容れない関係なのだ。
『――≪リージェ≫がロクスタを倒しました。経験値1,804を入手しました――』
「片付いたな」
アルベルトの言葉通り、目に見える範囲には細切れになったススキが散らばるだけである。ギチギチ言っていたイナゴもシャラシャラと光の粒子になり消えてしまった。ドロップアイテムはルシアちゃんの目玉くらいの小さな魔石。
この広範囲を拾っていくのは大変なので放置するらしい。大きさも大したことないしね。
「ぷっはぁ! この一杯のために生きてるぜ!」
といつの間にか酒を呷っていたバルトヴィーノが焼き鳥に手を伸ばす。
あっという間に肉が消えていくので俺も慌てて食べる。労働の後のお肉最高です!
名残惜しそうにしていたら、ルシアちゃんがスープをくれた。これも美味い。ルシアちゃんは良いお嫁さんになれると思うよ。
「明日の行動なんだが」
食事も一通り落ち着いた頃、アルベルトが切り出した。
食料の残りがあと1日分。今のペースだとダンジョンを抜けるのにあと2日。王都までは更に2日かかるとのこと。食料はともかく、水が無いのはヤバい。
「今日の目標にしていた30階層が森林フィールドだ」
薬草や果実が豊富な上、猛獣型のモンスターもいるらしい。川も流れているから水も補給できる。それで野営地として目指していたのか。
アルベルトが30階層でもう1泊して明日一日を物資補給に充てることを提案した。ルシアちゃんが急ぎたそうな顔をしていたが、水も食料もなければ行き倒れになることを解っているらしく。反対する者は誰もいなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ステータス】
名前 : リージェ
レベル : 12
EXP : 14538 / 18231
HP : 1166 / 1356
MP : 11 / 1218
Atk : 2839
Def : 834
スキル : タリ―語 Lv.2
我が劫火に焼かれよ Lv.4
血飛沫と共に踊れ Lv.5
全てを見通す神の眼 Lv.2
念話 Lv.1
我を害さんとする者よ、姿を現せ Lv.1
称号 : 中二病(笑)
害虫キラー
農家
ドM
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一晩寝たら、HPもMPも全回復していた。
鶏肉と堅パンをトロトロになるまで煮込んだパン粥で朝食を済ませる。正直そろそろ米が食いたい。
食後一階層上がると聞いていた通り森林のフィールド型階層に出た。アルベルトが知っているという川の畔にキャンプを張ると、二人一組になって探索を開始。
俺はルシアちゃんと一緒になった。ルシアちゃんは荷物をキャンプ地に置き、空のリュックと鉈を装備している。戦闘じゃなく探索だから良いか。
「何だか、二人きりは久しぶりですねえ」
嬉しそうにルシアちゃんが笑う。確かに、たった二日前までは二人きりだったはずなのに何日も経っている感じがする。
『そうだな』
「! リージェ様! 言葉が!」
ルシアちゃんが一瞬硬直して鉈を取り落とす。口元を覆ったかと思うと、俺を抱きしめて喜んだ。そう言えば念話を覚えてからルシアちゃんとはまだ会話してなかったな。
そもそも、聖竜と心通わせるのが聖女だと言っていたし、意思疎通できているとは言え会話にならないのをずっと気にしていたのかもしれない。
抱っこされるがままに進むと植生が変わり、竹林が見えてきた。こっちの世界にも竹あるんだなぁ、と懐かしい気持ちになる。
『ルシア、あそこへ行こう』
「え? あそこはバンブー林ですよ? 食べ物になりそうなものなど……」
竹はまんまバンブーなんかい。思わぬ地球との共通点。
常識が違うと困るので一応鑑定。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【バンブー】
天高く成長する植物。葉はお茶の原料にもるほか、殺菌効果もあるため薬の原料にもなる。中は空洞で日用品の材料に使われる。地面から突き出したばかりの頃は柔らかく食べられる。花を咲かせるのは百年に一度。繊維質に油分を含むため松明にも使われる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
よし、俺の知っている竹そのものだな。
戸惑うルシアちゃんの腕から離れて竹林に入る。狙いは勿論筍。
季節がわからないから心配だったけど、そこは異世界だからなのかここがダンジョンだからなのか、すぐにあちこちから顔を出す筍を見つけられた。
『食べてみろ』
俺は掘り出した筍の皮を剥いて二つに割り、一つを自分で食べて見せながらルシアちゃんに渡す。
堀りたては生でいけるのだ。すぐにアクが出てしまうので掘った奴だけの特権だな。わさび醤油が欲しいがそこは我慢。
「! 柔らかい?」
恐る恐る口に入れたルシアちゃんが驚きに目を見開く。
俺は筍と呼ばれる若木は食べれること、掘ってすぐに調理すればアク抜きが必要ないこと、調理法などをルシアちゃんに教えた。
これで今夜は筍が食べれるな。
「あの……リージェ様はいったい何故バンブーの食べ方をご存知なのでしょうか?」
しまった!
そうだよ、俺、まだ生まれて2ヶ月、それも最下層から出たことがないんじゃん。ルシアちゃんが不審がるのも無理はない。
『…………実は、俺様には前世の記憶があるのだ』
俺は腹を括った。
気味悪がられたらそれでもいい。所詮俺とルシアちゃんは暗黒破壊神と聖女。決して相容れない関係なのだ。
0
あなたにおすすめの小説
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。
馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。
元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。
バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。
だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。
アイドル時代のファンかも知れない。
突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。
主人公の時田香澄は殺されてしまう。
気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。
自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。
ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。
魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
1歳児天使の異世界生活!
春爛漫
ファンタジー
夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。
※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる